メディアグランプリ

私は日本人の為に英語を勉強しています?


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記事:なぽ(ライティング・ゼミ)

私が英語を勉強しているのは、英語を話す外国人とのコミュニケーションが目的のはずだった。強制的に英語を勉強させられていた学生生活が終わった後も、少しずつではあるけれど勉強を続けている、その動機は間違いなく、「英語は世界中の人と話せるすてきな言葉」だからだったはず。でも今はもしかすると、私が英語を勉強しているのは同じ日本人のためにかもしれない……と思っている。
そのきっかけは、イギリス人の友人から送られてきたこんなメッセージ。(以下原文まま、敬称が無いのはフランクなお国柄ということでご容赦ください)

カメラマン:(日本語)こちらを見てください
トランプ:(英語)彼らはなんて言ってる?
安倍:(英語)私を見てください
トランプ:(安倍を見る)

ちょうど安部首相が訪米し、トランプ大統領との初めての首脳会談を終えた直後のことだった。皮肉交じりのジョークが好きな典型的イギリス人の友人なので、「それはジョーク? 本当にありそうだね」と言うと、「あった」と返信がきた。
「プリーズ・ルック・アット・ミー(私を見てください)」とだけしか言わなかった安部首相は言葉足らずだったのではないかと、安部首相側に非があると思った私に対し、友人の意見は「彼らが言っていた」とは言わなかったものの英語として間違いではなかったし、トランプ大統領がカメラマンではなく安部首相の方を見たのは決してジョークからくる反応ではなかったので、トランプ大統領が少し滑稽に見えた、とのことだった。

この件に興味を持った私は、ネットでの反応が気になった。まずは日本語で検索。検索結果の少なさからその時点でこの2人のやりとりを知っていた日本人は、英語でニュースをチェックしている、ある程度以上は英語ができる層だけだったと思われる。書かれていた日本人の意見は、私と同じく安部首相の英語を非難しているものが目立っていた。
次に英語で検索すると、日本語よりも圧倒的に多いページがヒットし、その中の掲示板を見てみるとトランプ大統領を揶揄する言葉で盛り上がっていた。

この意見の割れ方は、「日本人」と「英語が第一言語、もしくは日本よりも英語圏の方が身近な国の人」という構図だと思っている。みんな、同じ国の人(仲間)に厳しいなあと考えていた時にふと気付いた。私が普段、文法その他もろもろ、正しい英語を話そうと気をつけるのは、日本人に見られている時だけだと。日本人と外国人がまざって英語で会話をしている時、私は日本人の反応が怖く、間違いを恐れて無口になってしまう。はじめに書いた、「私が英語を勉強しているのは同じ日本人のためにかもしれない」というのは決して、国際化社会に乗り遅れないために、日本国民の英語力アップのために私もがんばろう、などという志の高いものではなく、同じ日本人の厳しい目が怖いからだ(本当に厳しいかどうかは分からないけれど)。

私が勤務している会社は、社内公用語が英語とまではいかないけれど外国人が在籍しているため、社員全員へメールを送る場合は英語が使われている。私以外の日本人の同僚はみんな海外生活が長く英語がペラペラ。そんな中で日常会話程度なら話せます、程度の英語レベルの私はいつもメール作成に一苦労。時制は間違っていないかな? この単語の過去分詞はなんだっけ? 冠詞はどうしよう……「a」なのか「the」なのか? 主語が長すぎる文章は頭でっかちだって英語の先生が言ってたなあ……こんな言い回し外国の人はするの? 失礼な言い方してないかな? 堅苦しすぎないかな? ……エトセトラ、エトセトラ。「あら、なぽさん、また変な英語メール送ってきてる」私の被害妄想の中でそう言って笑っているのは外国人ではなく日本人の同僚たち。一方、メールを送る相手が外国人だけだとあまり悩まずに作成し、さくっと送ってしまう。私が普段、外国人と日本語で会話をする時は、相手があまり日本語を得意としていなくても単語から何を言いたいかだいたい理解できるし、間違いなんて全く気にならない。外国人の同僚だってそう思ってくれているだろう、と開き直っている。日本人の同僚にだって私の英語がお粗末なのはバレているのだから、同じように開き直ってしまってもいいのにできないのは私のくだらないプライドの高さのせいでしかない。そもそも、弊社にはそんなにイジワルな人はいないのです。

今回の件はまた、私が残念ながら自分が恐れている厳しい日本人であることにも気づいてしまったということになる。となると、もっと英語に対して大ざっぱになることができれば、他人に対しても寛容になれるのかもしれない、と前向きな答えを出しておくことにする。

最後に、安部首相、恐れ多くも自分の国の首相の英語力を疑ってしまい本当に失礼いたしました。イギリス人が「間違っていない」と言っておりました……。
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2017-02-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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