人生で大事なことはYPに学んだ
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【2月開講申込みページ/東京・福岡・京都・全国通信】人生を変える!「天狼院ライティング・ゼミ」《平日コース》〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
→【東京・福岡・京都・全国通信対応】《平日コース》
記事:なみ(ライティング・ゼミ)
「YPがそろそろなくなるから今日はやめておくわ」
最近子供が生まれた先輩社員が、こんなことを言っていた。
ここは食事室。
多くの社員がここで食事をする。
「そんなこと言うなよ、飲みに行こうよ」
同僚の男性社員が、どうやら今晩のお供に誘っている様子。
「やばいんだよ、今月、YPがさ」
「何だよ、YPって」
そう聞かれると、先輩は嬉しそうに声を出して笑った。
「決まってんだろ、嫁ポイントだよ」
二人の会話を聞いてしまったのは、偶然だったけれど、
なるほど、夫婦関係を円満にするには、尽くすことが大事なのか。
先輩が毎日、保育園に子供を迎えに行っているのも、嫁ポイントに反映されているのだろうなぁ。
定時になると、いつも急いで帰社する先輩の姿を見て、大変だなぁと思っていた。
人に尽くすことには、気持ちの余裕がないとできない。
なのになぜだろう。
先輩がお子さんや奥さんの話をするとき、決まって嬉しそうに話すのは。
誰よりも早く出社して、急いで仕事を切り上げて、飲みに行くにも奥さんへ気を遣う先輩が、家族との関係を楽しんでいるのはなぜなのか。
まだ若い先輩の年齢なら、
うちの奥さんがうるさくてさー。
なんて小言が一つでも聞こえてきそうなものだけれど、そういう話を聞いたことがない。
もしかして、ここに、ポイント制の秘密があるのかもしれない。
最近、ポイントカードを備えるお店が増えてきている気がする。
ポイントカードは、お店で品物を買えば買うほど、ポイントを多くつけてもらえる。
ポイントをたくさん貯めると、値引きやプレゼントなどをしてもらえるから、つい同じお店に何度も行ってしまったりもする。
ポイントを目当てに、お店選びをしている人は、私だけではないはず。
コンビニなんかは、いつも決まったチェーン店に行く人も多いと思う。
けれど、いつもポイントに釣られて店を選ぶだけでない。
ここのコンビニのおばちゃんが、いつも明るく声を掛けてくれて、元気を貰えるからよく行く。
とか、
ここの洋服屋のおねえさんが、いつも一緒に服を選んでくれるひと時が楽しい。
とか、
ここの美容室のおにいさんとのおしゃべりが楽しくて行く。
とか、お店を選ぶ理由が、店員さんということもあるのではないか。
こういう時は、正直ポイントなんてどうでもいい。
支払うお金は同じだけれど、
もらえるのは、ポイントカードに刻まれた、有効期限付きの数字だけではない。
お店の人との、心地よい人間関係を結んでいることが、代金のおまけでついてくるポイントの代わりになっている。
同じお金を支払うなら、
素敵なポイントをくれる店員さんがいるお店に、つい行ってしまう。
店員さん目当てでお店に入ってしまう時、私たちが欲しいのは、安く買える品物でも、プレゼントでもない。人とのつながりなんだろう。
お店では、品物の代金と引き換えに、心のつがなりをくれる。
日常でも、直接的なお金のやりとりこそ見えないものの、私たちは多くの人と繋がりながら生きている。
家族、友人、恋人、学校、会社……
どのような場所における人間関係でも、共通する悩みの原因の一つは、このつながりが崩れていることにあるのではないか。
あなたにとって家族とは?
恋人とは?
友人とは?
学校とはどんなところ?
仕事はどんな存在?
人それぞれ、色んな定義があるだろう。
きっと、どんな相手でも、自分がほしい物をもらっているはずだ。
定期的に無性に会いたくなる友達がいる。
私が今欲しいものを、与えてくれるからだ。
家族が大好きだ。
一緒にいて居心地がいいから。自分の味方でいてくれるから。
今の会社が気に入っている。
自分の夢をかなえられる場所だからだ。
つい、私自身の定義を挟んでしまったけれど、
私たちは、どんなつながりにも、対価として、自分がほしいものが必要なのだと思う。
けれど、どちらかが尽くし過ぎる関係は、尽くす側が疲れてしまう。
だから、私たちは、家族や友人、恋人を喜ばせようとする。
一生懸命勉強をしようとする。
精一杯働こうと思う。
自分が相手のためにしてあげたいことをしているのであれば、
尽くすことなんて、苦にならない。
先輩が、毎朝早起きして家族サービスをしていても幸せそうなのは、
奥さんのためにしてあげたくて、それが結果、嫁ポイントになっているからなんだろう。
そして自分がほしい物、つまり家族との楽しい時間を過ごしているに違いない。
しかし、毎日誰かのために頑張る日々も素敵だが、人間がんばりすぎてもいけない。
例えば自分を犠牲にしてまで、残業していると、体を壊してしまう。
人に気を遣いすぎるのも、いつもいい人でいなきゃいけなくなるから、結構辛い。
いつも家族のことばかり考えているのも、余計な悩みまで抱えてしまいそうだ。
学校でも仕事でも家族サービスでも、
最近自分ばかりが頑張りすぎてるな、なんて思ったときには、ポイントを配るのを休めばいい。
ずっと、尽くすだけでいなくていい。
がんばって貯めたポイントは、他の場所に還元したっていい。
時には自分だけのために、貯めたポイントを使って、飲みに行ったり、旅行に行ったりしていいんだ。
みんなががんばっていても、自分のやることがないならさっさと帰って好きなことでもすればいい。大丈夫、いつも稼いでるポイントがあるのだから。
ポイントと考えれば、周りも自分も、両方大事にしていけるのではないか。
そんなことを思って、先輩のYPにやっと納得したのだった。
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【2月開講申込みページ/東京・福岡・京都・全国通信】人生を変える!「天狼院ライティング・ゼミ」《平日コース》〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
→【東京・福岡・京都・全国通信対応】《平日コース》
天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021
福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階TEL 092-518-7435 FAX 092-518-4941
天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805
京都府京都市東山区博多町112-5TEL 075-708-3930 FAX 075-708-3931
【天狼院書店へのお問い合わせ】
〔TEL〕
東京天狼院:03-6914-3618
福岡天狼院:092-518-7435
京都天狼院:075-708-3930
【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。
【天狼院のメルマガのご登録はこちらから】
【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。
【天狼院のメルマガのご登録はこちらから】