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ティッシュを配ったら恋愛の極意を学んだ


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記事:なみ(ライティング・ゼミ)

恋していますか。
バレンタインデーは過ぎた。
クリスマスはとっくに終わっている。

イベントも何もないけれど、好きな人がいるなら、どうにかしてチャンスを作りたいもの。

ところで最近の若者は、あまり恋愛をしないらしい。成人を迎える若者の約半数が、恋人がいないそうだ。
若者だけではない。
幅広い年齢層で、独身の割合が増えているとのことだ。

恋愛が面倒。
自分は仕事に生きる。
家庭を持ちたくない。
一人が楽しい。

多くはこのような人たちばかりだと思っていたが、
本当は相手が欲しいのだけどできない、という人が大勢いるらしい。

なるほど、恋人は欲しいけど出来ない。
つまり恋愛が下手ということなのだろうか。

この恋愛下手を発症させる原因は、もしかすると、
巷にあふれる恋愛テクニックにあるのかもしれない。

こういう考えに至ったのは、
恥ずかしながら私自身、よくケータイで、
「好きな人、付き合う方法」
なんて検索をかけて、コンテンツを読んでその通りに実践したものの、上手くいった試しがないからだ。

恋愛マスターを名乗るライターの多くは、相手を落とすテクニックを伝えてくる。

急に素っ気なくする。
メールをすぐに返さない。
他の異性のにおいをちらつかせる。
さりげないボディタッチをする。
相手のしぐさを真似する。
悩みを相談する。

どれか一つでも、どこかで聞いたことがあるのではないだろうか。
いわゆる、駆け引きというやつだ。

どうして相手の反応が悪かったのか、その時はよく分からなかった。

しかし、駆け引きをされる側になった時、気がついたのだ。

このテクニックがいけなかったんだ、と。

その原因がはっきりと分かったのは、大学生の頃、ポケットティッシュを配るアルバイトをしたことがきっかけだった。

派遣のアルバイトだった。
池袋駅前でティッシュ配りの仕事、とだけ聞いて現場に行くと、
担当者から、大量のティッシュと、某有名出会い系サイトのキャラクターが描かれた、ピンク色のポロシャツを渡された。

ティッシュ配り初体験に加え、
出会い系サイト企業の広告塔というポジションに戸惑いながらも、不可抗力に仕事が始まった。

しかし配り始めてみたものの、なかなかティッシュは減らない。
もらう側だって、ただでさえティッシュを受け取りに行くには勇気がいるのに、
出会い系サイト丸出しでは、もっと受け取ってくれるはずがない。

このままでは、たんまりあるティッシュを配りきれない。

そこで、試行錯誤した末にたどりついた方法が、反射神経作戦だ。

池袋の駅前は、ひっきりなしに人が歩いて来る。
歩いている人同士、前後の間隔もあまり空いていない。
そのわずかな隙間をねらって、ティッシュを素早く通行人の手元に差し出せば、
相手の反射神経が働き、思わず取らせることができるのだ。

中には、「わっ!」という声をあげさせてしまった人もいて、申し訳ないことをしたと反省している。
しかし、これなのだ。
ティッシュを多く配る秘訣は、
相手に考える時間を与えさせないこと。
この反射神経作戦を、恋愛に置き換えてみる。

もしあなたが、ただの仲良い知り合いや友達だと思っていた人から急に、
「好きです、付き合ってください」
と告白されたら、きっとびっくりするだろう。
しかし、今まで恋人候補としてその人を見ていなかったからこそ、付き合った後の不安をあれこれ考えすぎることがない。
恋愛対象としての印象は、好スタートだ。
一方、もしあなたが駆け引きをたくさん仕掛けてくる相手に、おしゃれなレストランに連れていかれ、
「好きです、付き合ってください」
と同じセリフを言われたとしても、
仕掛けが丸見えな手品の種明かしをされたような気分になるのではないだろうか。
「ああ、やっぱりな」
という感じだろう。
そして、告白される前から考える時間をもらっていたのだから、答えはほぼ固まっている。
こんな時、結局付き合う関係にならなかったという経験がある人は、結構多いのではないかと思う。

駆け引きをして、長い時間をかけたのに付き合いに踏み込めなかったのは、
本当にこの人でいいのか悩みすぎたからだ。

あの手この手と余計なテクニックを使っているうちに、
気になる相手に、付き合いをするかどうか、悩む時間を与えてしまっていたのだ。
人間、誰にだって悪いところがある。
考える時間がありすぎるとつい、悪いところばかり目が行ってしまう。

そしてお互いに悩む時間が長くなると、
付き合いに発展するきっかけを失ってしまう。

長い間、相手に付き合うかどうかを考えさせない。
自分が好きなら、 好きでいいんだ。

恋愛下手は、背伸びしてテクニックなんて使わなくていい。
駆け引きもしなくていい。
一番は、自分の気持ちに正直になることだ。

大量にあったティッシュは、ほとんど配ることができた。
担当者には、
「こんなに配れたのは初めてだ、腕がいい」
なんてほめられた。

当然、ティッシュ配りに腕がいいも悪いもない。
大量のティッシュをさばけたのは、担当者に隠れてずるいテクニックを使っていたからだ。

ティッシュは多くの人に受け取ってもらうことができた。
恋愛では、たった一人の人に気持ちを受け取ってもらえるよう、
テクニックも何も使わずに、正直な恋ができたら、なんて思っている。

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2017-03-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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