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貸切観光バスが意外な場所に変わってしまった話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:須田 久仁彦(ライティング・ゼミ)

トラベルプランナーの私には、実に心強い「相棒」が存在する。いや、心強いというよりもむしろ、今の私にとって無くてはならない存在と言ってもいい。実に行動的な彼は、様々な場所を走り回り、また旅行中のお客様が安心して楽しめるような配慮もして、私を支えてくれている。彼がいるからこそ、私は思う存分プランニングが出来るし、もしもいなければ、プランニングは一気に難しくなる。

私にとっての「相棒」とは、貸切観光バスである。団体旅行のトラベルプランニングをメインに行う私にとって、まさに無くてはならないのである。

そのストロング・ポイントの一つは、機動力である。お客様にとって最も都合の良い場所から出発する事が出来るし、乗ってしまえば乗り換えをすることなく、目的地まで一気に運んでくれるのだ。目的地が駅から遠いなど、アクセスが悪い場所であっても、何の問題もない。そして、観光地は必ずしもアクセスが良い場所でないことが多い。トラベルプランナーの立場としても、貸切観光バスを使った旅であればこそ、様々な場所を組み合わせる事が出来るのだ。

そして、実はポイントがもう一つある。それは貸切観光バスが、鉄道や飛行機などの移動手段、また同じバスでも路線バスとは違った特殊な移動手段にあることに関係している。それを実感したのが、ちょうど今から2年前のある出来事だった。

「バスに乗って移動している間もね、移動しているなんて思えないくらいに超絶面白いことをやりたいんですよ!」

初めてその話しを聞いた場所は、池袋だった。東通りをひたすら奥に進んだ先、ビルの2階にある、ちょっと変わった書店でのことだった。この書店の名物であるコタツをはさんだ向かい側に座った方から、次から次へと飛び出すアイデアが熱く語られていた。しかし、その時は話しの半分も理解できなかった。いや、理解しようとしても頭が追いついていかなかった。

それは天狼院旅部、初めての打合せの時だった。そもそも私が旅部に関わることになったのは成り行きだった。それは、この時からさらに数ヶ月前の事だった。参加したイベントで自己紹介をした時に、旅行会社でトラベルプランナーをしていると話したのがきっかけだった。

店主の三浦さんからの「旅は絶対やりたいんですよね! 貸切観光バスを使ってお客様と一緒に旅するなんて最高じゃないですか!」この一言で旅部の実施は決まった。場所も三浦さんがアイデアを練る時にしばしば訪れる江ノ島となった。そして私も関わることになったのだ。

天狼院書店はこの時、すでにフォトを始めとした部活やイベントの他、劇団や映画製作など書店とは思えないような活動で注目を集めていた。私の頭の中では、旅部とは江ノ島で部活やイベントを楽しもうという程度の認識だった。しかし、それは完全に甘かった。

三浦さんから語られたアイデアを聞けば聞くほど、頭の中には「?」が湧き上がってきた。具体的にイメージすることが出来ず、戸惑うばかりだった。旅部に参加されるお客様は天狼院書店を利用されている方々だが、全員が全員知り合いや顔見知りでもない。本当にそんな事が出来るのかと思った。そんな不安をよそに、三浦さんは自信満々の様子だった。

そして、旅部の当日を迎えた。快晴の中、満員御礼となった貸切観光バスは池袋の東京芸術劇場前を後にした。添乗員として参加した私は、どんな旅になるのだろうかというワクワク感と、いったいどうなるんだろう? という不安感が心の中で入り混じっていた。

出発し、まずはお客様の自己紹介タイムだった。そこから旅が進むにつれ、少しづつ三浦さんの言葉が実感として分かってきた。そして、江ノ島からの帰りにバス内で天狼院書店が製作した映画『世界で一番美しい死体』の上映が終わった時、ようやく完全に理解できた。

三浦さんのアイデアとは、貸切観光バスの中を含め、集合から解散まで旅行そのもの全てを天狼院書店に変えてしまうというものだった。しかし、私には場所も環境も違う中、見ず知らずのお客様が集まる中で、それが実現できるとは思えなかったのだ。

しかし、それは良い意味で完全に裏切られた。自己紹介後に始まった部活やイベントで、お客様の距離はみるみる縮まっていった。貸切観光バスが天狼院書店に変化していくのを感じたのだ。そして、江ノ島での活動を経て、帰りのバス内になると一体と感じられるくらいの距離になっていたのだ。

まさか、旅そのものが天狼院書店に変えられるなんてと驚いた私だったが、三浦さんは相変わらずだった。「僕、嘘は言わないんで」

そして、同時に私はある事に気が付いた。鉄道や飛行機、路線バスなど公共の交通機関であれば、他のお客様もいらっしゃるので、イベントなどを行うのは難しい。しかし、貸切観光バスは参加したお客様だけの空間だ。そこでは様々なことを行っても許されるのだ。移動するだけでなく、プライベートな空間として様々なことができて、お互いの距離を縮めてくれる場所、まさに貸切観光バスのストロング・ポイントだったのだ。そして、そのポイントを最大限に活かし切ったのが、天狼院旅部だった。

もちろん、天狼院書店のように様々なコンテンツを持っていなければ、ここまで使いこなすことは難しいかもしれない。しかし、使いようによっては、貸切観光バスは、まだまだ可能性に満ちた場所となるのを私は感じた。

貸切観光バスを利用する機会は中々ないかもしれない。それでも、10名程度の仲間が集まり、旅行するのであれば、ぜひ利用を考えてみて欲しい。そして、まずは仲間同士で移動する時間であっても楽しく過ごせる、プライベートな空間の雰囲気を感じて欲しい。きっと旅をさらに面白くしてくれるはずだ。

もしも、仲間が集まらなくても大丈夫だ。なぜなら、貸切観光バスを利用した天狼院旅部に参加すれば良いからだ。

お申し込みは3/9(木)15時まで→【京都を旅する!】京都天狼院「秘トリップ」2017年春版〜京都を楽しみ、京都で学ぶ〜

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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2017-03-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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