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天狼院書店は、本当に世界を変えてしまうのかもしれない。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:吉兼千陽(ライティング・ゼミ平日コース)

 

今、わたしはペルーから帰国する飛行機の中で、スマホに向かって文字を打ち込んでいます。

高山病による胃腸崩壊に加えて謎の花粉症を発症し鼻水がいっこうに止まらないという少々困ったことになっておりますが、マスクの下でこっそり鼻にティッシュを詰めて、この記事を書いています。どうしても、今のこの気持ちを書き残しておきたかったから。

だいたいわたしはもともと体力がないし、胃腸は弱いし、海外旅行には向かない体質なのです。それでも旅が好きで、年に一度は海外へ出かけています。そのたびに必ずお腹を壊して苦しんでいるのですが、我ながら懲りないなと思います。

 

ペルーはずっと行きたい国のひとつでした。とくにマチュピチュを、人生一度でいいからこの目で見てみたかったのです。

10日間の滞在で、ナスカの地上絵やチチカカ湖、インカの遺跡をいくつか見て回りました。もちろんマチュピチュも訪れました。それはもうすばらしかった。念願のマチュピチュをこの目におさめた感動は、一生忘れないでしょう。

 

でも今回の旅でいちばん心に残ったのは、もっと別のところでした。

アンデスの高原に住む人たちの姿です。

高山病と車酔いに苦しみながら眺めていたバスの車窓から、そこに暮らすたくさんの人たちを見ました。カラフルな民族衣装を身にまとった女性たち、犬と走る男の子、羊を追う少年……。

彼らは輝いて見えました。眩しかった。アンデスの高原の景色はそれはもうとても美しいのです。真っ青に輝く空に、真っ白な雲。陽の光を受けてみどりに光る草原。そこに咲く黄色くて小さなかわいい花。そんな美しく輝く景色のなかで、彼らは、そこに住む人たちは、ひときわ輝いていました。

 

彼らはペルーの中でも貧しい暮らしをしているのだと思います。ペルーは格差社会が顕著な国です。首都リマなど都会に住む人たちの中にはとても裕福な人がいる一方で、アンデスの村々など田舎の人たちの中には、電気や水道も通っていない家に暮らす人もたくさんいます。

 

今わたしは、彼らを「貧しい」と言いました。でも本当はこんな言い方をするべきではないと思うのです。たしかに彼らは経済的に豊かではない。でも、わたしたち部外者が「貧しい」と断じるのは間違っていると、彼らの姿を見てそう思いました。

 

日本は「豊か」だと言われています。実際日本は先進国で、豊かな国だとわたしも思います。でも「日本は豊かだ」という表現は、正確にはこうするべきなのではないかと思うのです。「日本は(経済的に)豊かだ」と。

 

豊かとか貧しいとかいう言葉は、一般的に「経済的に」という意味で使われます。そして「経済的に豊か=幸せ」「経済的に貧しい=不幸せ」というイメージがついてまわります。

でも、本当にそうでしょうか?

わたしの目には、日本人よりもアンデスに暮らす人たちのほうがずっとキラキラしているように見えました。それはきっと、精神的な意味において、豊かな生活を送っているからだろうと思うのです。きちんと、目と目をあわせて、言葉を交わす村の人たち。キラキラした瞳で、好奇心いっぱいにわたしたちを見つめてきます。

そんな彼らを見てしまったら、わたしは彼らが貧しいだなんてもう絶対に言えません。

 

日本では、つらそうな足どりで歩く人たちをたくさん見ます。街中でも、電車の中でも。

うつむいて、スマホを見つめて歩いています。

わたしだってそうです。疲れて家に帰る夜は、背中を丸めてしかめっ面で歩いていることでしょう。そしてつい、スマホをいじってしまいます。自分の見たいものだけを見ればいいのだから、ストレスもたまらないし、おもしろい。ちょうど良い暇つぶしになります。

そして自分と、スマホの画面しか見えなくなる。

わたしたちはだれのことも、本当には見ていないのかもしれません。

豊かなのは、貧しいのは、果たしてどっちなのでしょう。

 

わたしは日本が大好きです。海外に行ったあとはなおさらそう思います。

ごはんはおいしいし、清潔で、特にトイレのクオリティは世界最高水準だと思います。水も豊富にあって毎日お風呂に入ることができるし、いつでも熱いお湯が使えます。

気候も温暖で、四季折々の美しさを楽しむことができます。

だからこそ悲しく思うのです。なんで日本の街には、疲れ果てて、つらそうな顔をした人がたくさんいるのでしょうか。なんでみんな下を向いて、小さな画面をただひたすら見つめているのでしょうか。

もしわたしが海外からやってきた旅行者だったら、こう思うことができたでしょうか。

「ああ、日本はいいところだ。街はきれいで、お寺や神社もすばらしい。でもここに暮らす人たちは、その中でもひときわ輝いている!」と。

たぶん、そう思うことはなかったでしょう。

 

でも、ペルーで、アンデスの人々を見つめながら、わたしは思いました。

おそらく数年後には、日本を訪れた旅行者はみんな、こう思うようになるに違いない、と。

「ああ、日本はいいところだ。街はきれいで、お寺や神社もすばらしい。でもここに暮らす人たちは、その中でもひときわ輝いている!」と。

天狼院が、きっと日本をそのように変えることができるだろうと。

 

天狼院はWeb天狼院を通して、たくさんの記事を発信し続けています。

面白い記事は、きっと読む人の目を輝かせることでしょう。

そして読めば読むほど、自らも誰かになにかを伝えたくなるでしょう。

「この記事、面白いから読んでみて」とか、「わたしもこんなふうになにかを書いてみたい」とか。

そしてそのとき、彼らはスマホから顔を上げるでしょう。瞳をキラキラと輝かせて。

伝えるという行為は、決してひとりでは成り立たないのだから。

 

みんながスマホの小さな画面を見つめているからこそ、その小さな画面から、天狼院はみんなを変えることができる。日本を変えることができる。そしていつか、世界をも変えることができるのかもしれません。

 

だからわたしは、早く京都に帰りたくて仕方がありません。天狼院に、もっとたくさん関わりたくて仕方がありません。なんだか面白そうだな、と思って天狼院に飛び込んでから約半年。京都天狼院がオープンして2ヶ月。日本から遠くはなれたペルーで、天狼院のもつ可能性に、そのとてつもない大きさに、はじめて気づくことができた気がします。

 

*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。 http://tenro-in.com/fukuten/33767

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2017-04-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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