メディアグランプリ

新入社員の君へ~早く仕事を覚えたければ、飲み会の幹事をこなすべし~


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ばんり(ライティング・ゼミ平日コース)

 

「すみません、領収書もらうのを忘れてました」

 

ため息を漏らしたくなるのをぐっとこらえて、私はLineに文字を打ち込んだ。

 

「レシートはもらってるんだよね? お店に連絡してレシートから領収書作ってもらおうか」

「レシートももらっていません、代金だけ払いました」

 

飲み会が終わった後の幹事グループのLineではこんなやり取りが行われた。

当初の予定であれば、領収書をもらい労働組合に申請をすることで、少しばかりの補助をもらう予定だった。

そもそもこの飲み会も社内の親睦と、せっかくおさめてる組合費を少しでも還元してもらうことを目的に行ったものである。

 

後輩の子の不手際と、自分のフォローできていなかった不甲斐なさに落ち込みながらも、原因を分析してみた。

 

1つは事前の打ち合わせが不十分だったことである。

当日の朝に行われる予定だった打ち合わせが参加者の都合が合わず、行われなかったのである。また、後輩2人がお金を徴収してくれていた為、そこの部分については任せきりになってしまっていた。

「領収書をもらってくるのはAくん!」と事前に決めていれば、今頃はA君の手元に領収書はあったはずだ。

 

2つ目に想定外のハプニングが直前で起こっていたためである。

元々、飲み会ではなく、花見をしながらBBQを行う予定だった。しかし、天候が悪く前日に急遽居酒屋の予定を入れ、人数変更やお金の計算を直前まで行わなければならなかった。また、会の前々日に部長が異動することが発表され、送別用の花束やプレゼントを用意しようと私はその準備に追われていた。

 

頭の中で分析を一通り終えた私は

「今回は事前打ち合わせができなかったので、役割分担が決まってなかったのが敗因ですかね……自分も部長の件しか気が回ってなかったです、すみません」

「やっぱり幹事の段取りは仕事に通じるものがありますね~実はおいしい飲み会の幹事」

と、重たい雰囲気にならないようあえて軽めに締めくくった。

 

スマホの画面の向こう側で、後輩2人がどういう表情をしているかはわからないが、飲み会の幹事の段取りは仕事の中で重要なエッセンスが詰まっているとつくづく私は実感した。

 

気がつけば今年の4月で、入社して丸7年が過ぎた。

会社でのポジションも若手~中堅といった位置になり、後輩に指示をだすことも多くなった。

うちの会社で、社内での飲み会やイベントを仕切るイベント係は大体若手と新任の幹部社員で構成されており、飲み会は数ヶ月に1度ペースで行われる。

 

私が新人の時代は、イベント係のメンバーは全員飲み会や社内イベントに参加し、率先してお酌をしたり、イベント終了後の後片付けや支払いを行っていた。先輩たちが当たり前のようにやっていたし、自分もそこに参加することに特に疑問を抱いてなかった。

 

しかし、時代の流れとでも言うのだろうか……

平気で「私はそのイベント行かないんで」「用事があるので、参加しません」といった発言をする後輩がたまにいる。俗にいう「飲みにケーションを嫌う若者たち」だろうか? アラサーの自分が感じるぐらいだから、私より上の世代から見ると人種が違うと思われても仕方ないのかもしれない。

 

たしかに断る権利はあるし、

参加を強制する理由は、どこにもない。

ただ思うのだ。

幹事が出来なくて、仕事が出来る訳がないと。

 

事前の上司たちへの日程調整、おいしいお店のリサーチ、参加費の徴収、飲み会の場でのお酌。

 

実に面倒な作業ばかりだ。

 

参加者は無茶な要望ばかりつけてくるし、こちらの都合も顧みず急なドタキャンをしてくることもある。

鶴の一声とばかりに、上司の都合で日程が変わることもあるし、文句も言われることはあっても感謝をされることはほぼない。

加えて、事前準備は通常業務と並行して行う必要がある。

 

当然、いつも飲み会前はいろいろな都合に振り回されて、ついイライラしがちである。

 

しかし、この作業を何度か繰り返すうちに仕事の基礎力を身に付けることが出来る。

 

飲み会の幹事をすることでお店の調査を行うこと、日程調整スキル、お金を管理する力、洞察力といった力が身に付く。

どれも一人前の社会人として必要な力ばかり。

最初からフリーランスや企業でもしない限り、誰かと協力し仕事を成し遂げる必要があるからだ。

 

仕事も幹事も独断では行えない。

周りの意見を集約しつつ、議論を重ねベストな方向へ持っていく必要がある。

 

また、私の経験上、仕事の出来る幹部ほどお酌をするタイミングが絶妙である。

加えて、自分が行ったことのある居酒屋のキャパやお酒をもってくるタイミングなど、居酒屋情報をストックしている上司もいた。

 

部下のグラスが空いている場合も上司が注いでくれ、部下が恐縮してしまう場合もある。

つまり、幹部はやはり仕事の基礎とも言える調査力や洞察力にも秀でているのである。

 

 

4月から入社する新人や飲みニケーションを嫌う君へ。

 

仕事の段取りをてっとり早く覚えたければ、飲み会の幹事を率先して何度も行ってみるのはどうだろうか?

気づかないうちに基礎スキルがあがるはずだ。

また、お酒を飲んだときに現れる本性もあって、人を見る目も養われると思う。

仕事人間の課長が、熟年離婚をされないか心配していたり、会社で鬼のような先輩が娘の思春期に悩まされていたり、上司や同僚の人間くさい部分が垣間みれるのも飲み会の魅力だと思う。

 

「さーて、次の飲み会は焼き鳥屋さんにしましょうか! つくねが食べたいです」

私は再びグループLineにそう打ち込んだ。

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2017-04-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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