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メディアグランプリ

地図のない旅が、自分を好きになるきっかけをくれた


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:城裕介(ライティング・ゼミ日曜コース)

人と話すことが苦手だった。初対面の人と話すときは少し肩の力が入ってしまうし、話すことに混乱してしまう。話すことは苦手だけれど、コミュニケーションは取りたかった。周りに嫌われたくなくて、本心を隠してしまうことが癖になっていた。伝えるのが苦手なこともあってその傾向は加速した。

文章を書くのは昔から好きだった。でも「城は何が伝えたいかわからない」、そう言われることがあった。人が1で済ませることを3倍かかることもあった。そうしていると途中で遮られることもあった。伝わってないなと思う瞬間があった。話しているのが伝わらなかったとき、自分の考えを発信するのが怖くなった。そしてそんな自分が嫌いになっていった。

書くことはだから好きだけど、怖い。相反する気持ちがごちゃ混ぜにあった。でも怖さを理由に書くことを辞めてしまっていたから、今度はそれを言い訳にするのは嫌だった。だから僕はライティングゼミに入った。

まだまだつたない文章だったかもしれない。でも面白いと言ってくれる人がいることが救いになった。人に面白いと言ってもらえることがうれしかった。そうして書くことにちょっとずつのめりこんでいく自分がいた。伝えたいことをどんどん書いていった。

ライティングゼミを受けて2か月経つと、自分のストックは思っていた以上にあっさりとなくなった。焦る日もあった。でも、1週間に一度、締め切りはやってくる。書くことに尽きたからと言って出せなくなくなるというのは嫌だった。

そうしていると、「なんとなく感じていたもの」に形をつけることがうまくなった。これまで気づかなかった、気を使いながらしゃべっているときの不快な感じ、見逃しても日常生活に支障はない些細な違和感、その中に自分の中に自分の大事にしている感覚に気づくこともあった。かすかに感じる不快感や、楽しいと思えるものを見つけられるようになった。

いろんな人が集まる天狼院書店の人たちと話していると新しい刺激がある。知識欲があふれている人がたくさんいる。これまで読まなかった作家の本を読んだり、今まで毛嫌いしていたアニメを見てみたり、思っていたより、面白い作品や世界がたくさん眠っていることを教えてくれる。

そしてライティングゼミには旅行のことを書くのがうまい人もいるし、自分を変えたくてどんどん新しいことを試す人、いろんな人がいた。書く中身や書き続けていくことで見えるものは人それぞれ違った。その人の心の中にあるものが見えてくるのが楽しかった。そうやってまた新しい道が見えるとまた書いてみたいところが出てくる。自分でも試してみようとどんどん試した。

僕は書くということで「人に何か伝える」だけじゃなくて、自分の心の中を見つめているんだと気づいた。僕の中にある気持ちなのに知らないことがいっぱいあった。

醜いなと思ったものも、恥ずかしいなと思ったものもあった。仕事で失敗したことや入社1年目で左遷されたことなんて最初は見せたくないことだった。こんなこと書いたらだめだと思っていた。馬鹿にされてしまっても何も言い返せないから嫌だというプライドがあった。

ただ、自分が考えていることをごまかすこともできなかった。プライドが邪魔していても、そこにある感情も僕自身が感じているものだった。見せたくないものだけど、書きたい気持ちのためには隠せないとも思った。迷い迷いだったけど、書いてみようという気持ちになった。

「ここまで素直に自分の気持ちを書いていることが、面白いよ」

そういってくれた人がいた。それは見せたくなくて仕方がなかったはずのものだった。なのにそれが面白いと言ってもらえた瞬間に辛くて楽しくもない体験にこれまでと違う色に変わるのを感じた。

それは新しい自分との出会いだった。ダメなところは確かにたくさんあるかもしれない。それも含めて面白いという人がいる、むしろそれを見せているから面白いと言ってくれる人がいる。だからダメなところもひっくるめて、ちょっとだけ好きになれそうに思えた。そんなちょっとした愛着を自分に持てるようになった。

自分の嫌な体験も悪いものじゃないかもしれない。恥ずかしくても、面白いと思ってもらえるものが作れるのなら。

人に否定されるのが怖い僕だからこそ、見たくなかった部分をさらして、それを面白いと言ってくれる人がいるのは何よりの救いだった。

面白いと言ってもらえたとき、これまでにない嬉しさがあった。ただ、なぜそこまでうれしいのか自分でもわからなかった。でもようやく気づいた。

僕は自分が考えていたよりもずっと自分の考えを理解して共感してほしかったのだ。良いところでも悪いところでもない。それら全部ひっくるめた僕という人間の考えを受け入れてほしかったんだ。だから格好悪いと思えることでも書いてみようと思ったんだ。

自分の想いを伝えたいのに伝わらなくて、自分のことが嫌いな人にこそ、書いてみてほしいと思う。きっと僕と同じように本当は伝えたい気持ちを抱えていると思うから。

僕は今日も地図にない自分の世界を探検する。これまで見なかったものを見て、やってなかったことをして、自分の感性を広げていく。その先にどんなものがあるかは全く分からない。でもそれが面白い。そして、新しい自分を見つけるたびに少しずつだけどより自分のことを好きになれるから。

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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2017-04-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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