メディアグランプリ

リア充ならぬ芝充になりたい


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記事:川井(ライティング・ゼミ日曜コース)

最近私の周りでは、友達が次々と彼氏と別れている。
理由は簡単。彼氏と気が合わなかった、それだけである。付き合うときも、友達は猛烈なアタックをしかけていたし、そのあとも、イチャイチャと仲良し気に歩いていたようだったから、もしかするとこのまま二人はゴールインするんじゃないかと思っていたのだ。それなのに二人は別れたのである。しかも気が合わなくなったー、面倒くさくなったーとかそんな理由である。あっけない。

それまで私はあまり彼氏とかリア充には興味がなかったが、これを機に彼氏って彼女にとって一体どういう存在であればいいのだろうと考え始めるようになった。

リア充と聞いて多くの人は、ラブラブな二人を想像するのかもしれない。しかし私の場合はそれも連想したが、もう一つ、「芝充」という言葉も思いついた。
うちの大学には芝充という言葉がある。いや、おそらく私の友達のただの造語かもしれないが、芝充と聞いて言わんとしていることはすぐにわかる。

芝生の上で友達とごはん食べたりゴロゴロしたりすること。

意味はこれである。すごく単純なことなのだが、実はこれが学生みんなのひそかなあこがれだったりする。
例えばもし恋人と食事などをしようものなら、こうも簡単にはうまくはいかないはずだ。まず食事場所で悩むことだろう。どこでごはんを食べようかな。雰囲気重視かおいしさ重視か。どっちにしろお金がかかるのは言うまでもない。相手が恋人ならなおさら場所にこだわることだろう。それにおしゃべりといえど、恋人だと作法から所作まで一度たりとも油断ならない。まだまだ付き合い立ての男女となれば、相手の顔色ばかり気にして、ごはんの味も雰囲気の良さも緊張とか考え事で全部すっ飛んでしまっていることだろう。もしも気を遣うことを忘れて気楽に話そうものなら、私はとことんネガティブを貫いて、世の中の理不尽さを呪う発言をお経のごとくぶつぶつとつぶやいているかもしれない。気を抜いてはならない。

とにかく恋人とは気を遣うものなのだ。その中で互いに居心地の良さを模索していくのである。非常に疲れることだろう。

芝生の上で友達となら、リア充にまとわりつくそんな問題は全て解決する。
まず芝生の上だからお金はタダだ。誰のものなんてないし、それに日の出前だろうが夜中だろうが、いつ来ても咎める人なんていない。友達とならごはんは冷凍食品ばっかりの弁当とか100円のコンビニ飯でもいいし、話す内容だってなんだっていい。昨日のテレビは何だったとか、先生の頭の円形が広がったねとか、始終くだらない話で許される。いきなり抱き着こうが、歌を歌いだそうが構わない。ドン引きはされるかもしれないがそこは友達のよしみだ。きっと大丈夫。むしろそういうこともすべて青春のうちになる。〇〇ちゃん大好きだよーといえば、高確率で私もだよーと返事が来る。愛は絶えないし、笑いも絶えない。

芝生はいつでもどこにでもすぐそばある。芝生は私を裏切らないし、欲しい愛を欲しいだけ届けてくれる。もちろんそこには友達もいることを想定しているけれど。でもたとえ友達がいなかったとしても、時間帯を変えれば一人でもなんとか楽しめるかもしれない。例えば夜ならば闇に自分が消えてしまうので、そうそう人目につくこともないだろう。満点の星空をビール片手に一人見上げるのもなかなかにロマンチックではないか。

恋人というのは猛獣のように、完全に扱いこなすことはできない。喧嘩をしたりすれ違いが起きたりして気を悩ませてしまうのもしょっちゅうだ。だったらもういっそのこと、恋人ではなくて芝生が相手でもよいのではないだろうか。芝生なら自分を怒らないし、悲しませることもない。芝生はそこにあるだけだ。こちらが怒ってしまっても、芝生はただただ自分をありのままに包み込んで受け止めてくれる。優しいなんてものじゃない。

これからは芝生が輝く時代だ。将来どんな家に住もうか考えるなら、芝生は絶対に欠かせないだろう。芝生の絶えない家がいい。帰ったら芝生が温かく迎えてほしい。

でももしも、同じ条件で芝生か彼氏どっちがいいかと聞かれたら、やっぱり私は彼氏を選んでしまうことだろう。せめて会話はしたい。

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2017-05-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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