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能ある女子は「爪」を隠せ!!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:かほり(ライティング・ゼミ日曜コース)

先日、職場の更衣室に入ると、先輩方が自慢話に花を咲かせていた。
「女子力がない」という自慢である。

「フェイスパック毎日やってるん? 私そんなんやらんわ~。女子力ないし」
「私も女子力ありませんよ! 基本毎日スニーカーにジーンズですもん」
「そんなん言うたら私の方が女子力ないしな! 女子みたいな可愛いくしゃみできへんもん」
といった具合である。
私は聞き耳を立てながら、「いやいや、みなさん女子力がないとおっしゃってるが、毎日イヤリングの種類を変えているではないか。ネイルもしているし、年中ハンドクリームを塗っていることも知っているぞ。十分女子っぽいことをしているではないか」と内心ツッコミを入れていた。
みんな、ちゃんと「女」を磨く努力をしてるのに、なんで自分のことを卑下したがるのだろう。
かく言う私も、友人に「部屋がぐちゃぐちゃでさ〜」と「女子力ない自慢」をしたことがある。なぜか、女の友人に自分は「女子力」があると思われたくないのである。
どうして女は「女子力ない自慢」をしたがるのか?
いや、そもそも「女子力」とは何か?

仕事のお昼休憩に弁当を食べていた時、友人がソースをこぼしたので、ティッシュを差し出した。すると、「女子力高~い」と言われた。
どうやら「女子力」とは、ティッシュを持っていることらしい。

大学の飲み会で、同級生の女の子が「私の女子力見せたるわ!」と言って、サラダを取り分けてくれた。
「女子力」とは、サラダを取り分けることも言うらしい。

サークルの後輩の男の子が、手作りのチーズケーキをみんなに配り出して、「女子より女子力高い!」とちやほやされていた。
「女子力」とは、チーズケーキを作ることらしい。

こんなふうに「女子力」なんて挙げていったらキリがない。
キリがないということは、「女子力」は何パターンもあるということである。
何パターンもあるということは、女子の数だけ「女子力」があるということである。
つまり、女子は各々が理想の女像というものを持っていて、それが「女子力」になるわけだ。
女としてこうあるべき、っていう理想に近づく力=「女子力」なのである。

では、どうしてみんな揃いも揃って、自分には「女子力」がないことを主張するのだろうか?
答えは簡単である。

妬まれるから。

女子が持つ、こうなりたい! っていう理想像。それぞれカタチは違えど、共通するのは、女として魅力的になりたい! という思いである。
すなわち、モテたいのである。
異性から女として認められたいのだ。

男にモテる女は、女に妬まれる。
だから、自分には「女子力」がある! なんて女子の前で公言した日には、オワリだ。
「女子力」とは「モテ」の象徴だから。
みんな、「自分には女子力なんてありませんよ〜、異性にはモテませんよ〜、だから女同士仲良くしましょうね〜」と言わなきゃならないのである。

学生時代、体育でバスケをするとき先生に、爪が伸びていないかチェックされたことはないだろうか。
もし伸びていたら、切らされる。
試合中、他の人に怪我させてはいけないからだ。

「女子力」とはズバリ、爪ではないか?
爪と一緒で「女子力」も目立ちすぎると相手を傷付ける。伸ばしたまま試合をしようものなら、危うく血みどろ試合にもなりかねない。
ちょうどいい具合に切って、誰も怪我のないようにする。
能ある鷹は爪を隠すように、「女子力」ある女子は「女子力」を隠さなければならない。

この間、大学時代の友人何人かで会う機会があった。
帰り道、1人の友人と一緒になった。
正直なところ、私はこの子と一緒にいたくなかった。
なぜなら、すごくかわいいから。桐谷美玲と佐藤ありさを足して二で割った感じ。
そのとき飲んでた「大阪生まれのみっくすじゅ~す」のペットボトルまでもが可愛く見えた。
もちろん、すごくモテる。イケメンの彼氏と付き合っている。
妹と同居していて、保育士をしながら、毎晩二人分の料理を作る。
それだけではない。すごく「いい子」なのである。
私がこの駅で降りる、と言ったら、私もその駅で降りる、と言って来た。遠回りなのに、わざわざ私とちょっとでも長くいようとしてくれたのだ。なんてかわいいんだ。
私は負けた、と思った。妬み、嫉み……。そんな言葉が私の頭に充満した。
たぶんこの子が私にとっての女子の理想像だ。非の打ち所がない。
そんな子が目の前にいるなんて、私は劣等感で押しつぶされそうだった。

私は、桐谷美玲とも佐藤ありさとも似ても似つかない。彼氏もいない。
実家暮らしで、毎晩親に晩御飯を作ってもらっている。
もうわかった、あなたの魅力は十分にわかった、だからここから解放してください……。

結果、私は「女子力」というこの子の爪にひっかき回された。
「女子力」は痛い、痛すぎた……。

私はよくわかった。
「女子力」とは女子の前では隠さなければならないものである。
職場の先輩はそれをちゃんとわきまえていた。
なんて賢いんだろう。
女子の前で「爪」を見せつけてはいけない。カンペキはタブーだ。ちょっと抜けてるくらいがちょうどいい。
サザエさんもちびまる子ちゃんもセーラームーンも、数々のドジをしでかすことによって、国民的ヒロインに成り上がったと言っていいだろう。
私も女子の前では、なけなしの爪を切っておくことにしよう。

***

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2017-05-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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