メディアグランプリ

メガネがあれば、誰にでもなれる


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記事:及川智恵(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
ああ、またメガネを買ってしまった。顔は1つしかないというのに。
 
私はメガネが好きだ。視力が悪いため、15歳のときからずっとメガネをかけている。目の乾燥が酷く、コンタクトレンズはドクターストップがかかっていて使えない。だから、家の中でも外でも、常にメガネをかけて暮らしている。
 
現在所有しているメガネは全部で10本。10本も持っているのに、それでも定期的にメガネが欲しくなってしまうのは、もはや病気なのかもしれない。顔は1つしかないというのに。
 
メガネをかけていて良かったと思うことは、「あのメガネの人」という感じで覚えてもらいやすいことだ。
 
私はインパクトのない薄い顔をしている。目は小さいし鼻は丸くて低い。さらに、性格もどちらかといえば内向的で人見知りしやすく、初対面でのインパクトに乏しい。つまり、普通の状態では決して覚えてもらいやすい人間ではないのだ。
 
しかし、メガネがあることで、ぼんやりした顔が少しきりりと見える。たとえ相手とうまく話せなくても、「メガネの人」という覚え方をしてもらえる可能性がある。視力だけではなく、印象という点でも、私はメガネに依存して生きているのだ。
 
服装やTPOによってメガネを変えることも多い。10本も持っていると、「あ、今日はメガネがこの前と違うね」などと気づいてくれる人もいる。これでまた「あのメガネが好きな人」と記憶してもらえるわけだ。
 
そして、さらに親しくなると、メガネをモチーフにした文房具やらポーチやら、プレゼントをくださる方まで出てくる。メガネのおかげで人生がずいぶん楽しい。本当に有り難いことだ。
 
鼻当て部分の皮膚に赤く跡が残ってしまうなど、嫌なことがまったくないわけではないが、それでも私はメガネが大好きで、メガネをかけた自分の顔がわりと好きだ。
 
ところが、私のメガネ愛とは裏腹に、世の中にはメガネ嫌いが意外と多いようなのだ。
 
メガネをかけたくないからという理由でコンタクトレンズを使っている人も多い。そして、メガネをかけたくない理由を聞いてみると、「メガネが似合わないから」と答える人がとても多くて、メガネ好きとしては驚くと同時に悲しい気持ちになる。
 
メガネ歴20年の私が断言する。それはメガネが似合わないのではなくて、似合うメガネを知らないだけだ。
 
メガネ屋さんをのぞいてみればわかるが、今はなにしろデザインが豊富に揃っている。フレームの形も、丸いものから四角いものまで、華奢なものからゴツイものまで、本当にさまざまだ。横から見たときにかわいく見えるように、サイドに装飾を施したものだって多い。フレームの色も、暖色系から寒色系まで揃っている。
 
とにかく多様なフレームが売られているのだから、どれかは必ず似合う。それでも全部似合わないと感じるなら、単にメガネをかけた自分を見慣れていないだけだと思う。慣れてくると、意外と良い顔に見えてくるものだ。普段と違うメイクをしてもらったとき、髪形を変えたとき、あまり着たことのない服を着たとき、ちょっと見慣れない自分に戸惑うことがあると思うが、あれと同じこと。
 
どんなメガネが似合うのかわからないなら、自分の顔の形とは逆の印象のメガネを探したらいい。例えば、私は顔が丸いほうなので、まん丸のメガネはかけないようにしている。顔の丸さが強調されてしまうからだ。四角っぽいフレームなら、ぼわんとした顔が締まって見える。逆に、角ばった顔をしている人なら、丸さを感じさせるフレームを選ぶと、やさしい印象に見える。
 
メガネは誰でも扱える最強の魔法だ、と私は思っている。
 
見た目の印象を一瞬にして大きく変えることができる。整形と違ってメスを入れる必要なんてないし、リスクもない。化粧と違って時間も技術も要らない。メガネはかけるだけで、いつもと違う自分になれるのだ。
 
あるときは仕事ができそうな自分。あるときは色っぽい自分。あるときはかわいらしい自分。自由自在に自分を演出できる。しかも、外せば元通りだし、翌日にまた違う自分になることだってできる。
 
そして、メガネを変えると、なぜかそれに合わせて服を新調したくなるし、髪型を変えてみたくなるし、違う色のリップスティックが欲しくなるのだ。たった1つのアイテムが、新しい自分を教えてくれる。もっと素敵な自分を目指そうという気持ちにさせてくれる。顔の印象が変わるって、やっぱり影響が大きい。
 
こんなふうに自分を気軽に変えられる魔法のアイテムが、今は5,000円ぐらいから手に入ってしまうのだ。だから、みんなもっとメガネをかけたらいい。気軽に試してみたらいい。こんなに安い魔法はそうそう売っていない。
 
私が最近買ってしまったメガネは、あまり見かけない菱形のフレームだ。セール価格で6,500円で購入した。最終的には「菱形のフレームは、たれ目に見せる効果があってかわいく見える」というネットの情報に踊らされたのだが、たった6,500円で手間をかけずにかわいく見えるなんて、最高ではないか。良い買い物をしたと思う。
 
顔は1つしかないのだけど、なってみたい自分は無数にいるんだもの。
 
 
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2017-07-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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