流行はコンプレックスから生まれているかも
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記事:hoisan(ライティング・ゼミ平日コース)
私は、昔から顔と頭がでかいことがコンプレックスである。
母親からも”頭がでかくて産むのが大変だった“と事あるごとに言われている。
また小学校時代の工場見学の時に、子供用のヘルメットが入らなかったことにより、1人でとにかく悩み、なんとかアゴひもを緩め、”のせて”ごまかしたことは、しっかりと脳裏に焼き付いている。
振り返ってみると、自分自身の成長は、身体だけで、頭のサイズとかはほとんど変わっていないのではないかと思う。
頭がでかいことによる影響は多岐にわたる。
その代表的な例は、自分は帽子が昔から似合わないのである。
キャップもそう、ニットもそう、ハットもそう、帽子であれば変わらず、似合わないのである……。
どんな帽子も自分の頭の形と、帽子自体が持っている深さと合わないのか、似合った試しがない。
振り買って見ると、私は高校時代に寒さ対策のために登校中にニット帽を被っていたぐらいで、それ以降はとにかく帽子を被らないことを心がけていた。
ただその分、街中でキャップやハットやニット帽を着用している人に対しての嫉妬心は凄まじく、
「いつかは帽子を着こなしたい……」
そんな思いを常に抱いていた。
そんなある日、ファッション系のWEBメディアを見ていた時に、「頭の大きい人でもオシャレなニット帽」という見出しを見つけ、思わずクリックした。そこには、あの街でよく見かけるニット帽の写真が……。まさしく憧れのニット帽であった。
これは買うしかないと思い、即注文をしてみた。
数日後、実際に届いた商品を手にとってみると、それは普通のよくありそうなニット帽であった。“これが本当に頭の大きい人に似合うものなのだろうか……?”と疑問に思いながら、着用してみた。すると直感的に感じたことは、
とにかく浅い……。
ということである。
これは頭が大きなことが原因で起こっているのだと思った。この帽子を通して、自分はネット記事に騙され、再び頭がでかいことと向き合うのか。私の5000円、、、。そんなことを思いながら商品ページをみてみると、モデルの男性もとっても浅く被っていることに気づく。
そういえば雑誌や街中にいるオシャンティな人も、最近ニット帽をかなり浅くかぶっている。これは、そんな”浅くかぶる用”の帽子だったのである。確かに、深く被った方が耳も含めた、強い寒さ対策になるかもしれないが、浅くかぶることによって、頭の大きさを気にせずに、ニット帽のメリットである寒さ対策や頭をセットしなくてもいい点等を味わうことができるのである。深く被らない方が、イヤホンの取り替えもしやすかったりと、実利的な面もある。
しかし、なんでこんな流行が生まれたのだろうか。そもそも寒さ対策のためにニット帽が生まれたのであれば、この浅くかぶることは、耳すら覆えない。ニット帽の本来の役割としては、”より暖かく”あるはずなのに、この方向性はいいのだろうか。ましてや、”耳を隠してこそニット帽”であると思っていた世代としては、これは機能的にニット帽と呼んでいいのか。着用してみても、着用感に違和感がある。
誰がどんな風にこのかぶり方を生み出したのか、じっくり考えて見た。生地のコストカット、子供用のニット帽を大人が被った……。等々、いろんな理由を考えてみた結果、私は1つの可能性に行き当たった。
それは、”頭のでかい人がニット帽を被ってみた結果、深くまで被れなかったが、意外とオシャレだった”ことである。
きっとそれは、帽子屋さんでの出来事だったのかもしれない。
私と同じように、頭のでかい人が友達と一緒に帽子屋にいき、「頭がでかいから、帽子が似合わないんだよね」というと、友達が「えー、じゃあ被ってみてよ」と言われ、被ってみたら、浅めになってしまった。それが意外と似合うことを、帽子屋の店長が発見し、浅めにかぶることを流行らせようとしたのだろうか……。
もしくは、ファッション雑誌の編集者が頭のでかいことをコンプレックスとしていた可能性等も考えられる。考え始めると、もしかしたら、本当にそんなちょっとしたことから、ファッションの流行とかは生まれることもあるのではないだろうか。
今回は、帽子を浅く被ったことが、この考え方の始まりである。しかし、過去には他にも誰かがコンプレックスを感じていたことを、他者が違和感と共に”オシャレさ”を感じ、それが、徐々に徐々に流行として広がっていくことも起こっていたのではないかと考えることもできる。
そう思うと、コンプレックスについての考え方が少しだけ変わるような気がしてきた。“みんなと違うから自分は変”であったものが、誰かを救ったり、流行のキッカケになる可能性があるということに気づかされた。
帽子1つが全てのはじまりではあるが、多様性やソーシャルインクルージョンといった考え方も変わっているものや人の捉え方をかえ、その本質的な魅力について感じ取ることが非常に重要なのではないかと感じた。
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