1枚のノースリーブの威力《絶対麗度ライティング》
*この記事は、「絶対麗度ライティング」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
記事:春紀沙和(絶対麗度ライティング)
バチっと目が合った。
アフリカンプリントの布で作られた、パッチワークのロングスカートと。
夏本番前に、偶然知った近所のお店。
世界各国から買い付けた雑貨や、アフリカから取り寄せた布を使って店のマダム自身がデザインしたスカートと、選りすぐりの服を扱っている。
目が合ったのは、パープルとイエローの幾何学模様を基調に、時折グリーンのペイズリー柄がのぞくスカート。
全部、ビタミンカラー。
読んでいるだけで気づいたと思うが「やかましい(大阪弁で「うるさい」のこと)存在」のスカートだ。
それぞれの柄と色はやかましいのに、調和が取れている不思議なスカート。何よりも、見るだけで元気になれるデザイン。
そしてお値段は、20,000円。
う、う、うー。
普段、特に職場でプチプラの服ばかり着ている私にとって、このスカートを買うのは、かなり勇気が要る。
「ってか、これに合うトップスって何だろう? そんなん持ってる?」
と冷静になって考える。
うん、持っていなさそう。
でも、このデザインは一着だけ。
他にも同じ形のスカートはたくさん並んでいたが、どれも色も柄も布の取り合わせも違う。今日を逃すと、もう二度と会えなくなるかもしれない。
目が合って、惹かれてしまったのに。買わないと、後悔する。
そう思えばすぐさま、カードを出して、お買い上げ。
ウキウキしながら、家に帰る。
いざ着てみると、ウエスト周りはゴムじゃなくてファスナー。なのに、腰回りを無理なくすっぽりと包み込んでくれて、フレアーが華やかに広がる。
しかし、案の定このスカートに合うトップスが、家にはなかった。
このままだと、クローゼットの肥やしになってしまう。
しばらく日が経ってから、そのスカートを着てマダムの店に行く。
「うーん、今着ている黒色のTシャツも悪くはないけど……」
マダムからは、微妙な評価。
中途半端なTシャツを着てきて申し訳ないと思いながら、単刀直入に「これに合うトップスを教えてください!」と聞いてみる。
すると、1枚のノースリーブをすすめられた。
ベージュ色のような、カーキ色のような、くすみ系のカラー。とにかく、一言では形容できない色。
襟ぐりも開きすぎず、締まりすぎず、ちょうど良い。生地はコットンなのに、お値段がたったの1,320円!
この何とも言えない色合いが、やかましいスカートに合う。即買い!
しかも、派手柄のスカートだけでなく、黒色のストレートパンツや白色のワイドデニムにも合う。ボトムにインして着てもサマになるし、そのままお尻を隠すように外に出して着てもキマる。
このノースリーブの実力、本当に計り知れない。4番でエース級の働きぶりをしてくれる程の威力。
あと3枚、同じものが欲しいくらい。現品限りだったので、まとめ買いできなかったのが、惜しまれる。
聞けば、マダムはかつて、専門学校でファッションやデザインの勉強をしていたそう。
女性の身体のラインが美しく見える服の形や作り方の理論を熟知していて、それを生かしたスカートをデザイン・製作している。
マダムは「今ドキの服は、ジェンダーフリーが多い。体つきには男女差があるし、どうして男女同じ作りの服ばかりが、お店に並んでいるのだろう?」と嘆いていた。
私はダボっとしたシルエットの服も好きだし、プチプラメーカーのメンズラインのアイテムも身につける。そして、ジェンダーフリーの服がたくさん出てきてありがたいと思う人がたくさんいるのも事実。
でも、このマダムがおっしゃる通り、男女の身体のシルエットに、明確な違いがあるのも事実。
服をまとうことで、引き立つ美しさがある。
一方、服を脱ぐことで、初めて見えてくる美しさもある。
秘めフォトに参加するたび、私はそれを実感する。
毎回、どこの会場でも、初心者多めの回やベテラン勢だけの回でも、参加者の皆さまは、それぞれ身体つきが違うし、それぞれの世界観を持っている。
ベタに言うと、十人十色。
私が買ったスカートみたいに色とりどりだ。
筋肉質な方、肉感的な身体の方。
守りたくなるような可憐な雰囲気の方や、惚れてしまいそうなクールな佇まいの方。
ついつい憧れの目で眺めてしまう、しっとりオーラ全開の方。
ただただ圧倒される妖艶さを自由自在に操る方。
今月久しぶりに撮影に参加して改めて強く思った。
胸や腰回りの丸みだけでなく、キュッと締まったくびれ、首筋や背中の曲線美は、
本当に女性だけにしか与えられない「ギフト」だということを。
マダムの話を聞き、そして、秘めフォトに久々に参加したことで、女性特有のフォルムに寄り添った服も買ってみようかな、と思った。
この夏は本当にお世話になった、マダムからすすめられた1枚のノースリーブ。
これを着て、秘めフォトのモノクロシーンで撮ってもらうのもカッコ良いと思った。
でも待てよ。
襟ぐりがそこまで深くないので、撮影にはちょっと向いていないのかもしれない。
だって、秘めフォトは、思い切って肌を見せるほど、心まで解放されていく。
服を脱ぎ、肌も心もさらけ出すことで、まるで別人のような自分に出会える。
その人が本来持っている威力が、もっともっと増して、パワーのある写真が出来上がるから。
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この記事は、天狼院書店の「絶対麗度ライティング」にご参加の方が書いたものです。
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