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美味しいチョコレートを食べたいなら、エスコヤマのショコラを食べたらいい


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:山崎陽子(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
美味しすぎて悔しい。
 
そんな想いをしたことはあるだろうか? エスコヤマのチョコレートを食べて心からそう思った。
 
ショコラティエとして、たくさんのチョコレートを食べ歩いてきた。
気になる店があれば、東京だろうが、京都だろうが、時間を作って行ってしまう。
ドン引きされることが多いので、今まで隠してきたことをこっそり告白する。毎年2月の前半に、日本国内7都市で、サロンデュショコラという、チョコレートの催事がある。
そこで、勉強だから! という言い訳のもと、気になったお店のショコラを買いまくる。一年に一度だからといいつつ、気がつけば買った総額。99,835円。
もはや私はチョコレート中毒だ。チョコレートに10万円も使ってしまった。財布の紐がなくなる病の重症患者だ。美味しいチョコレートと出逢うために、チョコレートを作る仕事をしていると言っても過言ではない。
 
そんな私が、エスコヤマのチョコレートと出会ったのは6年前。
兵庫県三田市。なんとも不便な場所にあるお店。小山ロールというロールケーキの、あまりの美味しさに惚れて、どうしても店に行きたい!! と、ペーパードライバーのくせに、レンタカーを借り、必死の思いでたどり着いた。
 
たどり着いて驚いたのが、広大な敷地内に、ケーキのお店。コンフィチュールとマカロンのお店。パン屋さん。カフェ。お菓子教室。ショコラトリー。ギフトサロン。その全てが、かわいい建物で隣接しているのである。
「夢の国だ……」 完全に目がハートである。
 
その後予定していた、神戸の中華街がどうでもいいと思えるほど、そこにいる時間を長くしたかった。平日なのに、お客さんが並んでいるカフェ。順番待ちの整理券をもらい、その間、敷地内を散策する。
お腹が空いていたので、パン屋さんに入る。「パティシエが作る本気のクリームパン」なるものを食べた。プロがつくる本気のカスタードクリームが入ったそのクリームパン。
生まれてそれまでも、そしてそれ以降、現在に至るまで、そのクリームパンを超えるものを食べたことはない。
「もし溺れて死ぬなら、このクリームがいい」 そう思った。いや、むしろ溺れたいくらいだ。
 
色とりどりの美しいマカロンも、もはや芸術。食べるのがもったいない。でもドキドキしながら食べる。パリッとした表面の中から、ふんわりとした生地が現れ、口の中で溶けていく。そして、間にサンドしてあるガナッシュがありえないほど美味しい。衝撃的美味しさにため息が出る。
目を充血させつつ必死で運転してきた甲斐があった。ありすぎた。
ようやく、順番がきて、カフェに入る。巻きたてふっわふわの小山ロールのセットと、モンブランのセットを頼む。お一人様ですけど何か? である。
ここまで死ぬ気で走ってきた以上、食べない選択肢はない。人の目なんて気にしてる場合ではない。
 
ほどなくして、目の前に運ばれてきた。フォークを刺さなくてもふわふわなのが伝わる。キメが細かい繊細な生地が、ふんわり巻かれている。綺麗なキツネ色の焼き目。美しいタマゴ色の生地。真っ白なクリーム。
 
至福。
 
一口食べると、ニンマリと笑ってしまった。美味しすぎる。隣で「美味しいわね〜」と食べてる神戸マダムに「ホントに!美味しいですねー!」と話しかけたくなる。人見知りなのでその度胸はない。でも誰かと共感したくなる美味しさなのだ。
 
興奮状態がひどすぎて、喉がやけに乾く。セットのドリンクは飲み干してしまったので、追加でコーヒーを頼んだ。
 
事件はそこで起きた。
 
コーヒーに、ショコラが一粒添えられていた。それまでは、スイーツをこよなく愛する者としてひたすらワクワクしながら味を堪能していたが、ショコラティエと名乗る以上、目の前にショコラが出てくると、モードが切り替わる。
ショコラの裏を見る。香りを嗅ぐ。コーティング状態を確認する。「……美しい」その小さな一粒を、半分かじってみた。
「うーーーーー! 美味しすぎる……」
 
あまりの美味しさに感動とともに、嫉妬にも似た悔しい感情が湧き上がる。
この小さな一粒で、これほど人を感動させられるのか。なめらかな口どけ。鼻に抜ける香り。味のバランス。その全てが、計算されつくされている。無駄なものが何一つない。
 
シェフの小山進氏はカカオ愛に溢れまくった人だ。美味しいショコラを求めて、カカオ豆の産地エクアドルまで、自らカカオ豆を採りに行くような人である。
2011年フランスのサロンデュショコラで、約180社の出品の中から、外国人最優秀ショコラティエ賞に「パティシエ エス コヤマ」のショコラは選ばれた。ショコラに対して並々ならぬ愛情を抱くフランス人たちにも認められたのだ。
 
この味はどうやって作られているのかがどうしても気になった。
小山シェフがおっしゃっていたこと。
 
「例えば、朝、ランニングしてて、今日は、緑がきれいだなー。とか、清々しくて気持ちがいいなーって思ったら、その感情をノートに書き留める。後日、その文章を読んだときに、その情景が浮かぶほど繊細に書き留める。清々しいショコラを作りたいときには、その情景に合うチョコレートって何かな? って考えながら、テイスティングしてたらその味にぴったりくるものが、あるんだよ」
 
……天才かっ!!
 
美味しすぎて悔しい。圧倒的な技術の差を見せつけられ、悔しいのだ。でも美味しくて幸せな気持ちなのだ。幸せなのか悔しいのか。わけわからず混乱状態だ。
 
その日の衝撃的な事件以来。感情を書き留めるようになった。私は天才ではないが、ストイックなチョコレートマニアだ。美味しいものが作れるようになるのなら、努力は惜しまない。私のつくるショコラの味を好きだと言ってくれる人のためならなんだってする。
 
エスコヤマのFacebookをフォローし、情報がすぐに入るよう更新内容はトップページに固定。新商品が出たら即、買う。
その度に、美味しすぎて最上級に幸せなのに、悔しい……。そんな日々を過ごしている。
 
美味しいショコラを食べたいのなら、エスコヤマのショコラを食べたらいい。
 
ショコラティエとして全力でオススメする。
 
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2017-08-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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