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料理教室は、健全なキャバクラかもしれない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:山崎陽子(ライティング・ゼミ 平日コース)

 
 
料理男子。
食べることが好きで、料理をすることが好きな男性のことである。

最近は、料理教室に通う男性も増えた。
私は、週に何度か料理教室で先生をしている。
実際に、料理男子に料理を教えたり、ケーキを教えたりする中で、気づいたことがいくつかある。

とにかくみなさん、いきいきと楽しそうにされている。
仕事帰りにスーツを脱ぎ、ワイシャツの袖をまくり上げ、エプロンをして、ちょっと気恥ずかしそうに、もしくは、ニコニコしながら参加されている。

料理を習いに来たきっかけを聞くと、「料理が出来た方がいいでしょ?」という方や、「単身赴任中で、外食ばかりがツラくて」という方。「彼女(もしくは、奥さん)に作ってあげたくて!」という素敵すぎる男性まで様々だ。純粋に料理を楽しむ方が多いのだが、「出会いを求めて!」と、やや料理とは違う目的だったりする方もいらっしゃるのは、ここだけの話で。

料理教室の先生たち。年齢は20代前半から50代まで幅広くいる。
その中で私は、所属歴が10年を軽く超えて、いわゆる、お局。と、言われてしまう立場にいる。
フレッシュさはない。ただ、旨みはある。そんな干しシイタケのようなお局的立場から見て思うこと。

とにかく、キラキラした美人の先生が多い。博多美人が集合していると言っても過言ではない。
女性に見られる仕事だからこそ、見られている! という意識がそうさせるのか、美人なのだ。
「Yさん! 前回よりも包丁の切り方が上手になりましたね!」とか
「Kさん! 今日はお仕事帰りに来てくださってありがとうございます!」と全力の笑顔で話しかけている。彼女たちは、とても素直で、それが本気で本心なのだ。

そう声をかけられた方々は、少し照れくさそうにされてたり、「いやいや、まだ下手くそだよ」と謙遜されつつも、とてもとても嬉しそうなのだ。

男性・女性関係なくものすごく人気があるM先生。彼女は、生粋の人たらしだ。
とにかく美人で可愛い。しかも性格が良い。先日、私の隣で授業をしていた時に、「Aさんみたいな方が上司だったら、部下の方はきっと幸せですね」と、さらりと言っていた。「そんなことないよ〜」と言いつつも、お世辞じゃない空気感だからこそ、Aさんからはすごく嬉しいオーラが出ている。

一生懸命作った料理は美味しい。そんな料理を食べながら、種類は少しだけだが、ワインも用意してある。
メニューによっては、ビールがタイアップでついていることもある。
楽しく料理を堪能し、少しお酒を楽しみ、美人たちと会話を楽しみ帰る。

……料理教室って。健全なキャバクラか?

とそんな風景を見たお局は思ってしまった。あくまでも “健全な”キャバクラである。

かれこれ18年前。友人から頼み込まれ、1週間だけ中洲のキャバクラでバイトしたことがある。
席につき、おしぼりをお渡しし、どうぞご乾杯ください。と笑顔で促し、あとは、空気をひたすら読みつつお酒を作ったり、お話しをしたり。

「毎日飲んで帰ってるから、奥さんに離婚迫られちゃったよー」と言ってた方や、ツケを溜め込んで、ママと黒服から別室に連れて行かれた人を見たり。なかなかディープなバイトをした。

それでも、その空間や、女の子たちと話して、お酒を飲み、気持ちよくなることで、次の日の活力になる。
そんな男性がそこには多く居た。帰る時には、楽しそうなんだけど、どこか哀愁が漂う雰囲気の、その後ろ姿を見送る。
当時、まだ若かった私には、疑問だった。なぜに飲んで帰って怒られるのに、飲みに来るのだろうと。しかもそれが、離婚危機まで発展している。
別室に連れて行かれた方が、その後どうなったのかは知らない。それ以上は興味本位で覗いてはいけない世界があるのも知った。
ここは健全ではない。そう強く心に刻み込まれた。

ただ、みんな幸せそうだった。『えー! 凄いですねー!』と話を聞いてると、いろんな話を楽しそうにされる方。『また明日くるね!』とベタベタと手を握りまくって帰って行く方。

何に幸せと癒しを求めるかは、その人それぞれだ。
だからこそ、私は強く思う。中洲に通うならば、料理教室に通った方がお得だ!! と。

ほんのり楽しくなるくらいのお酒の量は、健康にもよい。しかも、自分で作る料理で、保存料など入れずに作れる。栄養バランスも考えられたメニュー構成だ。
「料理が趣味なんだ」という男性は、共働きの多い今の日本では、女性からのポイントはかなり高い。間違いなく株があがる。
「君が体調悪い時に、料理が出来るように、料理教室に通いたいんだ」とか言うような彼か旦那さんならば、私ならきっと通うことを許す。
そして、同じ“料理”という共通の話題をもつ人がいて、話も弾む。その席に、破格のチャージ料金が設定されることも、ぼったくられることもなく、明瞭な金額だ。
しかも先生が博多美人。そうなると、通わない理由を見つけるのが逆に難しいんじゃなかろうか。

正統派美人先生もいれば、フレッシュな初々しい先生、ついでに、干しシイタケ的旨みの先生まで、幅広くいる。
きっとどこかにあなたがハマる要素がある。
料理が純粋に好きな方だけではなく、癒しを求めて中洲へと足が向く男性。ぜひ一度、健全なキャバクラという選択肢もあることをお知らせしたい。
そこには新しい世界が待っているかもしれない。

 
 
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2017-08-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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