ワーママは戦力になり得るのか?
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:相澤綾子(ライティング・ゼミ日曜コース)
数年前、私は初めての育休を経験した。赤ちゃんは少しずつ成長しているとはいえ、同じような日常の繰り返し、また仕事に復帰できるのだろうかと不安になった。ただその間に、一つだけ成長できたことがある。それまで体力の続く限り時間は無限と思っていたが、1日24時間をどう使うか意識するようになったことだ。
まず朝起きる時には最新の注意を払わなければいけなかった。赤ちゃんは隣に眠る母親がいなくなると泣き出すことが多く、そうなると一日の貴重な準備時間を失う。物音を立てず赤ちゃんの布団に触れないようそっと起き、身支度する。
続いて朝食の準備だが、味噌汁を作るなら夜のスープ分も見込み二倍の量の野菜を切って加熱までしておく。赤ちゃん用は2倍以上用意しておいた方が安心だ。朝は味噌、夜はコンソメで味つけすれば違うものになる。資料をコピペしてアレンジするように時間を節約できる。さらに余裕をもって作った場合には冷凍保存し、長期的なリスクにも対応する。
夫が起き、朝食を食べる時間になったら、赤ちゃんを起こす。夫の出勤まで余裕があれば、着替えやおむつ替え、離乳食をお願いしたりした。仕事同様、育児もすべてを自分が仕切り、担わなければならないのではない。夫のいいやり方に気付き、改善に繋がることもあった。
朝食の片づけをしたり、洗濯物を干したりする間は、DVDの力を借りる。さもないと、トイレも含め、どこにもついてきて足元にしがみつくし、離れると泣き、どうしても時間がかかるので、ここは頼りたい。外注する決断も大事ということだろうか。ルーティン完了後、DVDが途中だったら、普段おろそかになっている掃除をするなど隙間時間を活用する。
なお、洗濯機は、最後に赤ちゃんのパジャマを入れ、朝食前にスイッチを押す。うっかり忘れると、赤ちゃんお待ちかねのお散歩までの時間が長くなる。段取りが重要である。
DVDのエンディングの歌が流れ、でかける時間になる。たいていの赤ちゃんは外が大好きで、ベビーカーに乗せると機嫌の良い声を出す。1時間程度なので、持ち物は親子それぞれの飲み物と赤ちゃんのおやつなど。もちろん足を延ばす場合や、買い物にも行く場合には、着替えとおむつ替えセットも加える。公園ではまだ歩けない頃も膝にのせて一緒にブランコに乗ったり、滑り台に座らせて手をひいて滑らせたり、いろいろな楽しみ方をした。
帰宅したら昼食を仕上げる。今度は大人一人なので、自分も食べながらあげる。適温に冷ました離乳食をスプーンに載せて口元に運びそれをモグモグしている間に、むせたりしないよう視線だけは赤ちゃんに向けつつ、自分の口に入れる。この方法ならお互いに良く噛みながら食べることができる。うっかり食器をひっくり返すこともあるが、朝、2倍以上の離乳食を用意したことがここで効いてくる。予備があれば、ハフハフと足をばたつかせて喜ぶ様子を楽しむ余裕もできる。
そして昼食を終わらせ、いよいよママお待ちかねのお昼寝タイム。添い寝、おんぶ、だっこなどその頃に寝付きやすい方法で寝かしつける。寝つきが悪ければ、作戦変更したり、翌日から朝起こす時間を少し早めたり、お散歩の量や公園遊びを少し刺激的にするなどを調整しなければいけない。
しっかり寝入ったことが確認できた時には、心の中でガッツポーズ! 朝から頑張ってきたのは、この自由時間のためだった。ただし、途中で赤ちゃんが起きてしまったら、潔く諦めるしかない。そしてお昼寝から目覚めた後は、今度は夜の就寝に向け、タスクを着実にこなす。
ビジネス用語でPDCAサイクルという言葉がある。Planで計画を立て、Doで実行し、Checkで評価し、Actionで改善し、そのサイクルを繰り返し業務を継続的に改善するというもので、それぞれの頭文字をとりPDCAという。育休中の日々はこれだったと最近気づいた。子どもを健康に育てたいという目標、生活リズムを整えたいという目的があり、ついでに自分も人間らしく暮らしたいという願望もあり、一日の計画を立てる。それを実行し、昼寝の長さや質、夜の寝つきから子供の運動量や刺激量を評価し、翌日以降に改善する。子供の成長や季節等環境の変化にも対応しつつ精度を上げていく。計画にママ友との約束や、予防接種等が入る時はさらに入念な準備が必要で、その評価は次の機会に活かされる。病気やアクシデントで全てが崩れることもあるが、そうした時の対処や気持ちの立て直しも身につけた。
昨今ワークライフバランスが話題になっているが、私たちワーママは既にバランスをある意味強制されている。子どもを理由に仕事を他に押し付けてずるいなどとは言われるようではダメだ。夫や両親のサポート、保育所や病児保育などの社会資源に頼りつつ、そして支え受け入れてくれる職場や同僚に感謝しながら、「時間は有限」という強い認識のもと、仕事のキャパを上げていきたい。
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