メディアグランプリ

ライティング・ゼミを始めて4か月目の決意表明文


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:前岡舞呂花(ライティング・ゼミ 平日コース)

 
 
いつ本題に入るかと気を張っていたのに、顔を合わせて20分が経つ。
 
まだ、自分の故郷の話しかしていない。
「瀬戸内海に浮かんでいる、ザリガニのような形の島で。でも人口も2万人いて、いかにも島! って感じではないかもしれません、ゆめタウンもあるし……」
彼がMacのパソコンで検索をかけて、「この島?」なんて、いかにも興味ありげに聞いてくれるものだから、ついつい嬉しくて話し過ぎたかもしれない。おそらくこの場において、自分本位で話すことはNGなのに。
長い雑談で、私の緊張は完全に何処かへ行ってしまった。
 
その頃合を見計らったかのように、その人はようやく、私の自賛した履歴書にちらっと視線を落とした。そして、「いっぱい書き込んでるね、真面目だね」とだけ言って、再びにこやかに視線をこちらに戻した。
それだけ?
てっきり履歴書から質問が来ると思っていたので戸惑う。
そして、続けて彼は言ったのだ。
「前岡さん。今面接だってことはいったん忘れて。僕が面接官ってことも、いったん忘れて。なにもしがらみが無いとして。本当にしたいことは何か、教えて」
 
面接だってことなんてとっくに忘れかけていた。
我ながら単純だと思う。
だから正直に、「書く仕事、をしたいんです、できるなら」と言った。姿勢を正した。
「コピーライターは在籍してるけど、そういう感じかな?」
「コピーも勉強したいところではありますが、記事とか、文章を、書きたいんです。記者とか、ライターとか」
それは、就活を始めるにあたって真っ先に「夢」として思い浮かんだもの。
そしてその実現性の低さを感じ取り、早々に排除した可能性。
でも、温め続けてきた。
その気持ちを、考え、考えながら、伝えた。
この流れなら、言っても大丈夫な気がした。
 
でも、これだけじゃだめだ。
現状、私は何の技術も身に付けていないのだから。
だから、決意表明をした。
何度か訪れたことのある天狼院という少し変わった書店が、ずっと頭の中に残っていたのだ。
「天狼院書店という本屋さんで、ライティングの勉強をしようと思っています」
その人は「うん、いいと思う。頑張って」と言った。
 
こうして内定が決まったのは、4月末の話。
少し待って、6月からライティング・ゼミの受講を始めた。
 
「人生を変える」ライティング・ゼミ。
目下、最も大きな変化は「締め切り」ができたことだ。
毎週月曜日23時59分が、記事の締め切りである。Wordに打ち込んだ2000字の文章を、Facebookの共有ページにアップする。
スタッフによって一定のクオリティに到達している文章だと判断されたものだけが、Web天狼院にアップされるのだ。
私はスカラシップ生として受講を始めたので、毎週の記事提出は必須だった。
毎日「今週のネタは何にしよう」と考え、金曜日あたりから「そろそろ構想練らなきゃ」となった。
締め切りのある生活は、日々にメリハリをつけた。
また、記事を誰かに評価されることも張り合いになった。
 
書くことは楽しい、と思う。
頭の中がすっきりするし、一通り書いた後、「読みやすい文章だ」と自分で確認すると、何度でも読んでしまう。まだそこまで本数を書いていないからだろうか、1本1本の記事に愛着がある。親ばかのような感情かもしれない。
一方でよその子を読むと、「これ面白い!」という、ただ記事を楽しむ感情の奥に「私にはどうあがいてもこんな記事は書けない」という悔しい気持ちに似た感情も出てくる。
さらに、「生みの苦しみ」は常に付きまとってくる。
私はどうにも筆が遅い。苦しい。しかし、それは練習あるのみなのだろう。
 
受講から3か月と半分が経った。6月開講のゼミも次回の講義で終了だ。
ある時期から、毎週提出した記事がWebに載るようになった。
これはようやく2000字の射程を手に入れたのかな、と思っていた。思いあがっていた。
前々回、記事を落とされた。
確かにあれはしょうがない、と思った。落とされたのもわかる。
しかしそれは自分の中で意外に思うほど、悔しい出来事だった。
前回は納得のいく記事が書けなかった。
「納得のいく記事」なんて、なんてさもこだわりを持つ職人めいた言い方だろうか。
そんな偉そうなことは言えた立場ではない。
でもこの記事は、締め切りのぎりぎりまで悩んだのだ。
文字数を、増えては減らして、減らしては増やして。
スカラシップ生として提出しなければならないという思いで、やむなく、最終的にさくっと文字数を削り、なんとか提出した。
締め切りに追い詰められて、押し出されるように提出したものは、やはり納得がいくものにはならなかった。
最近、2000字の射程はまだ手に入っていないことを思い知らされていた。
 
天狼院書店の店主、三浦さんは前回の講義で言った。
「毎日書いてますか? ABCユニットを使って毎日書いて、それでも上達していない人がいたら、僕のところに来てください」
毎日書くことが大切だ、とは第1回目の講義でも言われたことだ。
当時、それを聞いた私は、よーし、やってやる! と息巻いたはずだった。その感情を、鮮明に覚えている。
しかし、いざパソコンに向かうと2000字はなかなか進まず、「毎日書くこと」に対しては早々に心が折れてしまっていた。
 
今回は、自分への戒めとして、この文章を書いている。
そもそも本気で書くことを仕事にしたいと思っていたら、初めからその覚悟ができていたなら、私は6月の開講を待たず、早々にライティング・ゼミに申し込んでいたはずだ。その存在に気付いたときに、気になったそのときに入講すればよかったのだ。
それをしなかったのは、就活中だとか、バイト減らしててお金がないとか、現実的じゃないとか、いろんな言い訳を自分で作っていたからだ。実際はできた。
 
今だって、働き出しても、ほしい仕事がもらえるとは限らない。
そのために、ライティングの技術を身につけたい。
 
だから今こそ、頑張りどきなのだ。
自分に喝を入れる。
この4か月は私の取り組み方がぬるかった。
次のクールはより一層励みます。
 
 
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2017-09-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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