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メディアグランプリ

一回限りのWEBアップにシンデレラは王子さまが迎えに来てくれる夢を見る


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山本由紀子(ライティング・ゼミ・日曜コース)

 

 

「きゃーーー、ウソみたい〜〜!」 さすがに黙ってはいられなかった。

投稿した文章の評価を読んで一人でにんまりがニッタリになり、とうとう家族にも社員にも「天狼院に載るのよ!」と触れて回った。

私の喜ぶ様からとんでもないことが起こったと判断した彼らは「すごいことなんやねー」と訳も分からないまま一緒に喜んでくれた。最後までに一度でもWEBにアップしてもらえれば良いなと思っていた夢がいきなり叶ってしまった。

 

 

文章を書くことは嫌いじゃなかった。これまででも会社発行の新聞の原稿はほとんど書いてきた。でも「スペースがない」と言う社員の温かい思いやりの言葉で私の原稿はいつも3分の1に短縮されていた。まともに文章も書けない社員がバッサバッサと私の原稿を削除するのははっきり言って面白くなかったし身を切られる思いがした。「あなたに何がわかるのよ」と言いたいのをグッと我慢して、今の人は根気がないから仕方ないなと諦めた。読む人のせいにして私の独りよがりの文章に問題があるとは思ってもみなかった。

 

紙に書くのは温かみがあってまだ書く気がしたが、ブログはなぜか勝手が違った。

仕事上、これからはブログで多くの人に読んでもらえたらいいな、人の心を惹きつけるようなものが書きたいと思った。賢くなったAIに昔のようなSEO対策は効き目がない。AI攻略もあるがネットの向こうにいる人の気持ちに寄り添うような文章を書けたら良いな〜と思った。

 

友達やある雑誌の編集長さんに天狼院のことを勧められたのもその頃だった。「出会う人も物も全てがご縁」「偶然じゃなくて必然」と思える昨今、天狼院は運命的な出会いに思えた。

 

毎週月曜日の締め切りに文章を投稿してもその書評は

 

ABCユニットが不十分です。

リーダビリティーが弱いですね。

リーダビリティーに難があります。

 

あ〜〜あ、こんなハズじゃなかった。

もう少しマトモな評価を受けられると思っていた自分が甘かった!

 

希望を失いそうになりながらそれでも締め切りまでに何とか投稿している自分は 灰にまみれて一人ダンスの練習をするシンデレラのようだった。

舞踏会に招かれるなんてありえない夢また夢!それでも諦めないでボロのドレスを纏い王子様とダンスを躍るのを夢に見ている。それは書いても取り上げられることもないまま消え去っていく私の文章のようだった。

魔法使いのおばあさんが突然現れてかぼちゃを馬車に、ボロを素敵なドレスに変えてくれたら何て素敵なんだろう。一夜限りでもいいから燦然と輝く舞踏会でで脚光を浴びられたらどんなに幸せなんだろう。シンデレラの場面は私にとってたった1回でもいいからWEB天狼院のページに掲載され多くの人が読んでくれる夢と重なった。

 

魔法使いのおばあさんに見込まれるには心が綺麗で仕事をやり続けなければいけない。私も文句を言わず締め切りまでに書いて投稿し続けなければいけない。

継母や姉達を妬ましく思わずに努力するしかない。先に認められてWEBにアップされた人たちを羨ましく思わず書くしかないのだ。

魔法をかけてくれる日がきっと来ると信じて書き続けるしかないのだ。

 

 

いきなり、その夢が叶ってしまった!

舞踏会に行けてしまったのだ。WEB天狼院にアップしてもらえた。

関係ない夫や娘、社員、挙げ句の果てはたまたま来た友人にまで天狼院を語り、文章を読ませ、書評を見せびらかした。「すごいねー」と絶賛して欲しかった。

暗く先の見えない場所に押し込められていたからこそ余計にその華やかな輝く場所はとてつもなくキラキラ光っていた。それは久々に心躍る時間だった。たった1回乗せてもらっただけなのに永遠にお城の主になった気分だった。

 

 

楽しい時間は続かなかった。12時なったら馬車はかぼちゃに戻りドレスは元のボロに戻った。

また「リーダビリティーが弱いですね」に戻ってしまったのだ。

魔法は解けた。

でも夢は叶い、夢ではなくなった。 希望の光は灯った!

お城へ行く道も舞踏会がどんなところかも経験できたのだから。

「リーダビリティーが弱い」も今度はダメだったけど頑張ればまた舞踏会に行けるかもしれないと思えた。

 

 

天狼院へ通い始めてからを振り返えれば「2000字の文章を書くくらい簡単よ」の思い上がりが初回から挫かれた。天狼院に集う周りの人は書くことに自信があって更に磨きをかける為にこの場へ来ているのだろうなと思った。中学ではトップでも進学校の高校では普通の人だ。私のレベルでは通用しないのではないかといきなり小心になった。

独りよがりの私の文章なんか途中で閉じて忘れ去られる運命なのにそれに気付いていなかった。以前に私の文章を切り捨てた社員は私の文章なんか読みたくない読者代表だったのだろう。

 

たった1回だけでもWEBにアップしてもらえたことでようやく「あなたも書いていいんだよ」と承認されたようだった。

灯りもない真っ暗闇な道を進み続けるのはとても辛い。この道でいいのかと疑心暗鬼に陥る。

それでも歩みを止めずに書き続けよう。

素敵な王子さまが迎えに来てくれることを固く信じて。

 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2017-10-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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