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メディアグランプリ

グローバルな時代だからといって、国際交流しなくていい


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:山田あゆみ(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「グローバル化の時代、英語は必須です」
今日も、新聞広告には、簡単に英語を習得する本の宣伝が載っている。グローバル化をどう定義しているの?  グローバル化イコール英語が必須という図式は成り立つの?
疑問は浮かんでは消える。日本で暮らしていくのなら、特に英語が話せなくてもそこまで問題はないだろう。ビジネスメールを送るのに必要だとか、道を迷う観光客を助けたいとか、そういうことなら、最近は便利な翻訳機能がいっぱいある。どうしても必要な時は、それを使えば良い。そんなに無理して、頑張らなくてもいいのではないかと思う。
 
国際交流を推進する立場にいる。本業とは別に、イベントなんかに関わってもいる。そんな場所にいて、別に英語は勉強したくなかったらしなくてもいいというのは、なんだか矛盾しているように聞こえるかもしれない。でも、英語を、歯を食いしばって無理やり勉強するのは、何だかもったいない。
 
スープが好きだ。それも具がいっぱい入っているスープが。ブロッコリーにコーンに、ジャガイモ。人参に、玉ねぎ。ベーコンやウィンナーが入っているのもいい。色々な具が一気に楽しめて、なおかつその具たちがスープをより栄養たっぷりの深みとコクのあるものにしてくれる。私が、英語を勉強し続けるのは、スープに具をいっぱ入れたら美味しいという理由で、野菜をたくさん買ってきて、皮をむくのと一緒だ。出来るだけ多様な具を入れるための手段として英語を使いたいから勉強している。
 
いつからか、人生の意味って何だろうと考え始めた。きっと誰しもが考えた事がある問いだろう。
答えなんかない、という答えがこれまで聞いてきた中では多かった。それか子孫を残すためという生物学的なものも多い。
 
ここ数年考え続けて、私なりに私の答えを出した。一度きりの人生を出来るだけ深く味わうことこそ人生の目的なのではないか、と。
それには、人生を受容する「私」が、いかに人生が与えてくる出来事を受け取るかが重要だと思っている。
自分の価値観、考え方次第で、一つの物事に対しての味わい方はいくらでも深くなる。だから、頭の中に色々な視点を持っていたいと思う。こんな考え方もある。あんな感じ方もある。そんな自分ではとても到達できない考え方や価値観を自分の頭の中にどんどんと入れていきたい。
 
多様な価値観や、様々な視点はスープの中の色とりどりの具のようなものだ。具をいっぱい入れるほど、スープには、深みが出る。頭の中にいろんな考え方をどんどん入れていくうちに、物事のとらえ方にも深みが増してくるのではないか、と思っている。
 
様々な自分一人では思いもつかないような考えに触れようとする時、自分と全く違うバックグラウンドを持つ人々の話は、いつも刺激的だ。
 
当然だと思っていたことが、ひっくり返される。自分の常識が実は自分だけのものだったことに気が付く。
こんな感じ方もあるのか、そんな価値観もあるのか。異文化に触れる度、新たな発見がある。
 
中東に住むイスラム教徒の友人は決してアルコールを口にしない。それは、宗教が強要しているからではなくて、自分がそうしたいからそうするのだそうだ。誇りに満ちた笑顔がとても印象的だった。信じるものが明確にそこにある人生を歩んできた彼女には、迷いが感じられず、少し羨ましく思った。自分は何かを信じているだろうか。信じるとはどういうことだろう、と考えさせられる。
 
南米にクラス友人はワインが大好きで、毎日パーティ三昧だった。人生は楽しむためにあるんだという。楽しむためにはダンスが欠かせない。良い音楽と楽しい仲間がいればハッピーな毎日が送れるという。楽しいってどんな時に感じるのだったっけ。どんどん色々な考えが浮かんでは消える。
 
南の島に暮らす友人とは、責任感のとらえ方が違うように思う。韓国の友人は年齢の話に敏感で、年上は何が何でも敬わなくてはならないという。オーストラリアで出会った男性は、人はみな違うからこそ良いのだと力説していた。多文化が共生できる社会を目指さなくては、という。
社会主義国が、資本主義社会へ生まれ変わるそのただなかを生き抜いてきた友人はその変化が社会に与えたインパクトについて教えてくれた。社会主義時代の方が良かったという。漠然と資本主義国家の方が良いに決まっていると決めつけていた自分に気づく。大きな変化に市民はどうやってついて行ったのだろう。
遠いヨーロッパでの戦争に父親が関わったという人の話を聞くと、ぐっと歴史が身近になる。歴史は、紙の上ではなく人々の生活の中に生きているのだと実感する。
 
教育に対して持っているイメージも、家族像も、恋愛のとらえ方も、理想の社会も何もかもが違う人々と話をすることほど、刺激的なことは他にあるだろうか。ネイティブだけでなく、世界の多くの人々が共通語である英語を話す。そして、そんな話を聞くときには、コミュニケーションは、やっぱり自分の言葉で取りたい。翻訳機では、ライブ感が薄れる。だから私は今日も英語を勉強する。色々な視点を、価値観を、頭の中に入れたくて。
それが、楽しくて仕方がないから。
 
グローバルな時代だからといって嫌々英語を勉強するのは、もったいない。
その先の世界を一緒に見に行こうじゃありませんか。
 
 
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2017-10-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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