メディアグランプリ

わたしらしさに彩りを。


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【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:中原優香(ライティング・ゼミ 平日コース)

 
 
エッセイが好きだ。
なんてことない日常を切り取ってつくる、ちょっとした物語。読書はもともと大好きだったのだけれど、中でも特にエッセイを読むのが好きだということを自覚したのは、わりと最近のことである。
読むだけではなくエッセイを書くのも好きだと気づいたのは、それから程なくしてのことだった。

物心ついた頃から、わたしは文章を書くのが好きだった。読み書きを覚えると、松谷みよ子さんの「モモちゃん」シリーズを嬉々としてノートに写し書き、小学生になると見よう見まねで物語を書くようになった。大好きだった寺村輝夫さんの「王さま」シリーズの続編をつくったり、背伸びして読んだ少女漫画に似せた話を書いてみたり。自分で物語をつくることが楽しくて仕方なかったのだ。
それからくるくると月日は流れ、気が付けばもう大学生。当時と比べ、知識も欲もぐんと増えたわたしは、結構定期的に悩んでいた。
文章を書くのが好きだという思いはあの頃から少しも変わらないし、むしろ大きくなっている。でも、一から話を作るのはそんなに得意でも好きでもないことに気づいてしまった。じゃあ一体、何を書けばいいのだ。何を書くのが楽しいんだろう。

その思いが129周ほどした2回生の秋、ようやく答えが出た。

わたしは、自分の話が書きたい。
何気ない日常の中で感じたことや気づいたこと、ささやかな幸せや大切なものを言葉にして、形に残したい。くだらない悩みや自分の内側にあるどろどろした感情を、なんとか掬い上げて文章にすることで昇華したい。そう考えたわたしは、ブログをはじめた。そして、これまでの鬱憤を晴らすかのように猛然と書き綴っていったのだ。
しかし、それから間もなくして、わたしはアクセス数の壁にぶち当たることとなる。
SNSで拡散しても、そもそもフォロワーには知り合いしかいないのだから身内にしか読んでもらえない。バズを起こせるほどの実力も気概も持ち合わせておらず、これじゃただの自己満足じゃないかと情けなくなった。
なんとかして、もっと多くの人に自分の文章を読んでもらいたい。そしてあわよくば、読んでよかったと思ってもらいたい。その一心でさまざまな情報を漁り続け、わたしはとある投稿型プラットフォームにたどり着いた。エッセイや小説をはじめ、漫画や写真などさまざまな作品を自由に公開したり、クリエイターをフォローしたり作品を評価することもできる、SNSのようなものである。
わたしと似たような人たちがうようよいるここでなら、興味を持って読んでもらえるかもしれない。そう思ったわたしはブログから移行し、そこに腰を据えてエッセイを書きはじめた。今年の6月のことである。

すると、これまでと比べて読んでくれる人の数は格段に増え、さらに嬉しいことに、見ず知らずの方に褒めてもらえることも出てくるようになった。
これが、めちゃくちゃに嬉しい。もちろん、友人や家族といった近しい人に褒めてもらえるのもすごく嬉しいのだけれど、やはりそこには身内の贔屓目といったものがどうしても存在してしまう。そうじゃなく、純粋にわたしが書いたものだけを見て「いいな」と思ってもらえるというのは、ほとんど初めての経験だったのだ。
「こういう文章を書く人なんだな」と認識されたり「中原さんのこんな描写が好きです」
なんて言ってもらえると、体がぼっと熱くなるくらい嬉しくなる。これって何かの感覚に似ているなあと思ったら、それは「おしゃれをすること」なのだった。

わたしが文章を書く一番の理由は、先ほども述べたように「想いを描写する」という行為そのもののため、そしてそれを誰かに伝えるためである。
しかし、どうやらそれだけじゃないらしい、と最近うすうす思っている。というのも、「こんな文章を書いている人」というイメージがつくことに喜んでいる自分自身を見つけたからである。

おしゃれをするのは、「その格好をしたい!」という純粋な気持ちとか「あの人にかわいいと思われたい」なんて理由であることが多い。しかし、それとはまた違うところで「この人、こんな服を着るんだな」という印象を周りに持ってもらいたい、という思いも少なからずあるのではないだろうか。
少なくとも、わたしはそうである。流行に敏感なわけでも優れたファッションセンスを持ち合わせているわけでもないけれど、自分が選んで身に着けたものを「わたしらしい」と思ってもらえると、とても嬉しい。それが誉め言葉かどうかは別であるけども。
そうやって客観的な評価をもらうことで、どんどん自分自身を確立していけるような気がするのだ。少しずつ色を塗り重ね、上書きされるような感覚。それは、決して一人ではなしえなかったことである。

わたしがエッセイを書く理由。
表現するため、伝えるため。そして、自分自身に色をつけてゆくためなのかなあ、なんて思ってみたりしている。

 
 
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2017-10-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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