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プロ野球より甲子園!


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記事:窪園由希(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「なんでそんなにがんばるの?」
 
家族にも友達にも、出会っては別れた数々の職場の人にも、驚きの表情でまじまじと私を見ながら投げかけられる質問。がんばる、がんばっている、というつもりはないけど、なんでそういう風に見えるのか、聞かれるたびに考えてみる。
 
まず仕事。優先順位をつけて上からひとつずつクリアする。1日で終わらなかったら、また次の日に考える。その日できなかったことが次の日はできるようになったらレベルアップ、というゲーム感覚でやるのが楽しいから。同じことやるなら楽しんでやろうじゃない、という気持ちでいつも働いている。
 
「仕事そのものが辛いものだと思っているなら、そんな仕事はさっさと辞めて、心から楽しいと思える一生ものの仕事を見つけよう」というようなことをSNSで見て、なるほど、と思った。すぐに仕事を辞めることより、目の前の仕事にいかに楽しくやっていけるか、を考える方が早いと思ったので、ちょっと強引だけど気分を切り替えて楽しくやっていこうと思っている。このあたりの姿勢が、がんばっているように見えるのかもしれない。
 
そして家族や友達からツッコミが入る自分の時間の使い方。独学で知識や教養を身につけるのが好きだ。便利な時代のおかげで、良質な書籍やインターネットを活用して、コツコツと勉強している。お金をかけてスクールやおけいこごとに通うより、自分のペースで進められるのが独学は楽しい。どんどん進んで、停滞したらそっとしておいて、飽きたらやめて。学校の勉強と違って、テストの点数も先生の評価も気にしなくていいので、とことんハマって、すぐに次の興味に移ってもいい。
 
子どもの頃の知的好奇心の延長なんだろう。世界にはまだまだ私の知らないことがあって、今はその知らないことを知るためのツールもたくさん用意されている。スマートフォンで検索して、LCCで格安航空券を購入して、行ったことのない国へ行ける。お気に入りの参考書で学んだ英会話と、検索結果で出てくる簡単な現地の言葉もちょっと覚えれば、1人でも楽しい海外旅行。もちろん危険じゃないとは言い切れないけど、安全第一で楽しむことにしている。日本の中でも、危険はひそんでいるだろうし。
 
平凡な毎日をちょっとだけ楽しく過ごすことが、がんばっていることにつながるのだろうか。
 
桜の季節、新学期からまたひとつ新しい仕事を始めて、よくがんばるねと声をかけられ、そんなにがんばらなくてもいいのに、というようにも聞こえて、なんだかぐるぐるした感情が頭の中で渦を巻いていた。そのまま日々の生活は続いて、夏になって、日本中が高校野球ニュースを駆け巡る。夏の甲子園球児たちの試合を見るのは好きなんだけど、うちにはテレビがないので、ここ数年はニュースを追いかけるだけだった。しかしどこまでも便利になった世の中は、またしても私の生活を豊かにしてくれた。スマートフォンのライブ映像で試合の生中継が見られるようになったのだ。遠く離れて暮らす高校野球好きの友人たちとSNSでグループチャットをしながら、リアルタイムで試合観戦を共にする。
 
高校球児の、1球ごとの緊張が伝わってくる。これを打たれたら後がない。これさえ守ったら次につながる、というマウンド上のピッチャーに立ち向かうバッターのそれぞれの表情。勝ち負けの総合点を競うプロスポーツとは違って、トーナメント戦は一度でも負けたらおしまいだ。まさに全身全霊で挑む勝負が、夏が来るたびに日本中の観客を魅了するのだろう。
 
そうだ、これだ。選手たちの全てをかけて、ぶつかり合う姿が、私が夏の甲子園を好きな理由だ。これがプロ野球なら、勝ち点や体調によって、消化試合と呼ばれるものも発生するのかもしれない。ちがう、私だったら、勝負は毎回全力でいきたいんだ。今の試合に出ている1年生は次の大会では2年生になり、2年生は3年生になって、3年生は同じ夏は二度とこない、最後になる。灼熱のグラウンドで全力投球・全力疾走する高校球児に向かって「なんでそんなにがんばるの?」と質問できる大人がいるだろうか。またとない、一瞬に全てを込めて、彼らはプレーしている。
 
よく考えたら、私たちの仕事だって生活だって、同じ日は二度とこない。高校球児たちの試合みたいに華やかでも大注目を浴びるものでもないけど、ひとつひとつに全力で向かっていきたい。今度また同じ質問を投げかけられたら、「甲子園が好きなので、高校球児になりたいんです」とでも答えてみようか。変な人に認定されるか、真面目じゃないと怒られるか、どちらかなんだろうな。いたって真剣に「がんばる」にまつわる考察をした答えなんですが。
 
 
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2017-10-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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