メディアグランプリ

コンテンツの達人が語った、一番大切なこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:中澤一志(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
「コンテンツとして、少し弱いですね」
 
これは、最近私が取り組んでいるライティングのゼミで、私の書いた文章に対してもらうフィードバックの一つ。読み物として、面白さが足りないということだ。説明不足で内容が伝わりにくかったり、結末が尻すぼみで、もの足りなかったりするわけだ。でも、毎週文章を書くとなると、面白いネタなんて、そんなに転がってはいない。本当に難しい。どうやったら面白い文章になるのだろう。日常の何気ないことを面白おかしく伝えるなんて、芸人じゃないんだし、自分にはハードルが高い。そう思ってしまう。
 
そんな思いで頭がモヤモヤしていた中、その特効薬になるかもしれないものを自分は持っていることに気づいた。実は、ある芸人さんのトークイベントを先月、申し込んでいたのだ。その時は特に何が聞きたいという思いもなく、ただ単純に面白そうだと思って申し込んだ。でも、今となっては、自分が面白い文章を書くためのヒントがもらえるかもしれない絶好のチャンスである。何かひとつでも学んで持って帰りたい、そんな思い胸にトークイベントの会場へと向かった。
 
会場にはたくさんの人がいた。お客さんの熱気、緊張感が肌で伝わってくる。期待が高まる。そして、満を持して彼が登場。初めからエンジン全開だった。対談相手の入り込む隙がなくなるほどのマシンガンのようなトークで、会場の雰囲気を一気に変えていった。そこで彼は言った。
 
「雨を線で書き始めた人が一番えらい」
 
絵画において世界で最初に雨を線で描いたのは浮世絵が初めてらしく、それまでは傘をさした人や濡れた路面を描くことはあっても、雨自体を描くことはなかったそうだ。このように、これまでのモノの見方や常識を変えることが一番インパクトがあるし、大事なことだと彼は言った。続けて言った。
 
「芸人を再定義したい」
 
芸人とは何かと聞かれれば、漫才やコントをする人、もしくはバラエティ番組でひな壇に座って面白いことを言う人と多くの人は答えると思う。しかし、彼は人と違うことをする人を芸人と定義したいと言う。常識に疑問を抱いて、新しいもの、面白いものを生み出す人が芸人だと。むしろ、職業というより、そういう姿勢だと彼は言った。
 
話は休みなく、どんどん進んでいった。そして、そのどれもが面白かった。このイベントが開催されている場所や参加者にあわせてアドリブを巧みに挟みながら、聴いている人を引き込んでいく。彼の話は、まさにそのひとつひとつがコンテンツになっていた。だから、ロジカルで納得できた。もっと次が聞きたいという気持ちになった。こんな風に話をすれば、これだけ多くの人の心をつかめるんだと思った。言うなれば、彼はコンテンツの達人だった。
 
でも、その沢山の面白い話の中で一番心に残ったのは、次の言葉だ。
 
「自分の足を使ってお客さんと一対一で対話することが一番重要だし、それが結局コスパがいい」
 
こんなに話が上手いんだし、そもそもテレビの世界の人なんだから、テレビやネットを使って宣伝をすることが一番効率的だと考えていると思っていた。実際、かなりの効果があるはずである。でも彼の考えは違った。ネットの時代だからこそ、ひとりひとりと直接つながることが最も強いと。自分は世界で最も1対1で話をした人になりたいとも言った。だからこそ、こんな風に今回の彼の新しい本の出版に対して、毎日のように日本各地でトークイベントを行い、列がなくなるまでお客さん一人一人へのサインに答えていたのだ。実はこのイベントが始まる前の空き時間にもずっと自分の本にサインをしていたらしい。
 
芸人、西野亮廣はコンテンツの達人だった。そして、常に新しいことに挑戦する人、常識に流されない人だった。でも、それ以上に目標に向かって人の何倍も努力をする人だった。人の嫌がるような努力も、必要と思えば、地道にできる人だった。だから、共感が生まれていた。
 
こんなに有名で、話が上手くても、地道に手や足を動かし続けている。それに一番驚かされた。そんな努力に対し、書くのが難しいと言っている自分は、圧倒的に努力が足りないと痛感した。ゼミの中でも書き続けるよう言われていたが、本当にそれが必要だと改めてわかった。自分なんてまだ始めたばかりではないか。もっともっと書き続けなければならない。幸いライティングゼミを受けて来た中で、いろんなアプローチを学んできた。あとは愚直に実践あるのみだ。
 
ここで、書き続けること、そして、そのためにいろんな本を読み続けることを改めて自分の目標に設定したい。上達への道のりは長い。でも、書き続けたい。それが一番の早道だと心の底からわかったから。
 
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2017-10-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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