メディアグランプリ

本当は怖いランニング


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:岡尾哲兵(ライティング・ゼミ 平日コース)

ダイエットと健康のために、雨が降っていなければ極力毎日走るようにしている。今年の5月頃に走り始めたのだが、膝に故障を抱えているので、整体師と相談しつつ、少しずつ距離を伸ばしてきた。今年の5月頃に走り始めたのだが、最初は1km歩いて2km走るところから始まって、今では7kmくらい走れるようになってきた。
タイムも1km/7-8分のスローペースから始めて、最近では1km/6分くらいになってきたので、この感じなら密かに目標としている来年のフルマラソン完走も現実味を帯びてきたような気がする。
ざっと今年のランニングについて振り返ってみたが、もちろん、なにもかもが順調に進んだわけではない。左膝の前十字靭帯断裂と半月板損傷という疾患を抱えているので、それをかばいながらの走り方がくせになっていて、少し走っただけでスネや膝がずきずきと痛んだ。その度に整体師にほぐしてもらい、それとは別に根本的な矯正のために、脊椎に銃のような器具でばちっと刺激を入れる治療をして、少しずつ走れるようになってきたのである。
「走る」ことは、無条件に健康的な営みだと思っている人が多いのではないだろうか。かく言う、僕もそうだった。だが、実際には走るということは、かなりの負担を身体に強いる営みだ。走るときに膝やその他の関節にかかる負担は実に歩行時の3倍程度だそうである。ランニングを習慣にしようという人には、ダイエット目的の人も多いはずで、そうなると体重が増加気味なので、その負担はかなりのものになるだろう。そんな負担を身体にかけたのにも関わらず、ダイエット効果はそれほど大きくない。

大事なことなので、もう一度言います

ダイエット効果はそれほど大きくない。

例えば、初期の方の3kmくらい走っていた時期の記録を振り返ってみると、消費カロリーは170kcalーほどである。これはご飯を軽く一杯分くらいのカロリーだ。走ると普段より腹が減るので、少しご飯を多めにしたらあっという間にこれくらいは摂取してしまう。ましてやビールをもう一杯なんてやっていると、もうアウトである。
現在、の平均走行距離である7kmでも480キロカロリー程度の消費で、1kg痩せるのに7200kcalはかかると言われているので、7200÷480=15で月の半分走ってやっと1kgの減少である。これも食事を管理できることが前提となるので、なかなか厳しいと感じるのではないだろうか。これが「デブは走るな」とダイエット業界で言われる理由である。費用対効果で考えると、怪我のリスクも大きく、大したカロリー消費も見込めないランニングよりも食事制限を中心に考えた方が効果は高いということだ。
では、人はこんなにリスクの高いランニングに、なぜ夢中になるのだろうか
僕の場合はなんといってもストレスの解消のためだ。日頃のストレスや悩み、嫌なことも、走っている間は忘れられる。好きな音楽を聴きながら、一歩ずつ足を出すことだけに集中していると。自分の悩みなど大したことないな、と不思議に思えるのである。走り終えたあとの爽快感も最高だ。今日は走りたくないな、という日もよくあるのだが、それでもランニングシューズの紐を結んで、思い切って道路に出る。そして帰ってきてシャワーを浴びる。このときのすっきりとした感じは何ものにも代えがたい。
これによく似たツールがもう一つある。酒だ。
ランニングと飲酒は対極のものと思われがちだが、例えば、ランニング後の爽快感と飲酒の酩酊感はじつは似ている。悩みを一時的に忘れさせてくれるのだ。とても手軽なところも似ている。ランニングに必要な道具は動きやすい服装と、ランニングシューズだけ。家から出たら、そこがスタートラインだ。酒も近所のスーパーで買ってくることもできれば、居酒屋にはいってしまえばすぐに飲める。こちらも手軽さでは負けていない。一人で好きな時間に好きなだけできる(飲める)のも共通している。
そして、やりすぎは禁物というのも同じだ。
酒に関しては、言わずもがなだろう。成人病を始めとする、さまざまな疾病の遠因とされている。ランニングについて冒頭から書いたが、かなり身体に負担をかける。やりすぎれば、当然怪我をするし、下手をすると一生運動ができないような故障・障害を抱えてしまうリスクもある。
お酒はほどほどに、とはよく言われる。が、ランニングもほどほどにした方が良いだろう。自分の身体と相談して、適切な量を守って楽しんでいきたいと思う。と、いいながらついついやりすぎてしまうのも、共通している。昨日は雨だったので、1日の休み明けだったのだが、調子に乗って飛ばしていたら、中盤あたりからスネがジンジンと痛み、今も痛みが残っている。これは、整体師にまた怒られるな……。やりすぎると怒られるところも似てますね。

***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

http://tenro-in.com/zemi/40081

天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。



2017-11-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事