メディアグランプリ

歳をとって、失ったもの、得たもの。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

 
記事:相澤綾子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 私は今年41歳になった。20代の頃には40代なんてずっと先のことと思っていたけれど、3人の子どもを出産した30代は、またたく間に過ぎていった。
 子どもを産むと自分のことだけでなく、子どもたちのことも管理しなくてはいけなくなり、手帳を使うようになった。それまでも一応手帳を使っていたけれど、読んだ本を記録したり、かなり先の予定を入れたりする程度だった。予定の管理などはむしろ記憶力に頼って、書くことを忘れているくらいだった。それが、さすがに子どもの注射やら検診の予定やらで、書かないと忘れてしまうようになった。覚えなければいけないものが多くなったとも言えるけれど、記憶力も低下していると思われる。
でもその代わりに手帳を使うようにした。予定はもちろんのこと、欲しいものややりたいことも書いた。年頭には一年の目標を書き、時々振り返るようにした。仕事でも小さなタスクまでメモするようにした。復帰前は、子どもたちのために定時で帰らなければいけないから、以前のように仕事をすることはもうできないと半分諦めていた。でも、定時までに終わらせようとする緊張感と手帳のおかげか、意外に回すことはできることに気付いた。
 
今までは、何もノウハウがなくても、若さで乗り切って来られた。でももう限界だった。少しずつ色んなものを諦めていくという選択もあっただろう。でも私は、そんなことはしたくなかった。まだまだやりたいことがあった。自然と、啓発系の本やビジネス書を手にとるようになった。そして気づいたことは、みんな同じようなことを言っているということだった。悪い意味ではない。みんないろいろ実践していて、それが効果があるから、すばらしい実績を出すことができているのだ。
 犬かきだけで泳ぎ切ることはできない。くたくたになってしまう。だからフォームを手にいれないといけないのだ。クロールならば、もっと遠くまで泳いでいける。すごい人たちは、フォームを手に入れているのだ。
 若い頃から知っていればなと思ったりもする。でも過去のことを振り返っても仕方がない。平均寿命から考えたら、まだ私は折り返し地点くらい。まだまだできることはあるはずだ。
 
 この夏から、私は天狼院ライティング講座を受講し始めた。書くことが好きで、もっと上手になりたいと考えて申し込んだ。ライティングのノウハウを教えてもらえるものだと考えていた。もちろんそれも教えてくれた。でもそれだけではなかった。
 三浦先生は、どう生きるかということも教えてくれた。
 書くということは、社会の中で生きていくことの、一つの形なのだ。だから書くことを極めることで、社会の中でどう生きていくかを知ることもできるのだ。しかも課題提出とフィードバックがついてくるので、おのずと実践しなければならない仕組みにもなっている。
 先生の講義の中でも、私が出会った本や講演で話を聞いた方と重なる話がたくさん出てきた。また思った。すごい人はみんな同じことを考えているのだ。同じようなフォームを身につけて、繰り返すことで、実績を出してきたのだ。
 
 私はライティング講座に取り組む中で、自己肯定感が低いということに気付いた。学校でも職場でも怒られた記憶などなく、それなりに評価されてきた。だからずっと気付かなかった。
 けれども、ライティング講座のフィードバックでは、厳しいことをストレートに指摘された。「正しいなあ」と思いながらも、かなり落ち込んだ。文章だけではなく、人格全部を否定されたくらいの気分になった。
 たぶん自己肯定感の低さで、頑張ってこられた部分もあるのではないか。低さを補うために、認められたいと思い、ひたすら頑張る。ひょっとしたら書きたいという意欲も、これが理由なのかもしれない。実は、同期のゼミ生が生い立ちをテーマに書いたものを読むと、「ひょっとしてこの方も自己肯定感が低いのではないか?」と思うことがある。頑張る原動力にはなるかもしれないけれど、これでは生きづらい。がちがちに身体がこわばってすぐに疲れ切ってしまう。
 気持ちを安定させようと気を付けるけれど、ちょっとしたきっかけで「自分はここから抜け出せないのではないか」と気持ちが沈んでしまう。そうするとそれが文章にも表れ、良くないと指摘されるのだ。もしもっと恵まれた環境にいられれば、こんなことにはならないのに、という考えが頭を過る。
 でもそうではないのだ。
 
 ちょうどライティング講座に申し込んだ頃、とある酒蔵の女性社長の講演を聞いた。子育てと社長業を両立し、新しい事業にも取り組む素敵な女性だった。しかも、お酒の発酵の力なのか、とても肌が美しかった。そんな彼女が行き詰った時に助けられたという、こんな言葉を紹介してくれた。
「変えられるのは自分と未来だけ」
 環境が変わればいいのに、なんて思っていても仕方がない。自分が変われば、自分の周りの見方も変わるし、何か周りからのアクションがあった時の自分の受け止め方も変わるだろう。
 
 今年は、自己肯定感が低い、という気付きを得ることができた。来年は、自己肯定感をどう上げるかということを考えよう。フォームを意識し、繰り返し練習することで、自己肯定感の高い自分をキープしよう。その状態で、様々なことにチャレンジしながら、リラックスして泳いでいきたい。
歳を重ねていくことで、得るものもある。
 
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2017-12-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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