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いつもより静かな場所で同じことをしたら、自分の凄まじい情熱に気が付いた


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記事:寺谷みずき(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
私は「プロ野球」が好きだ。プロ野球のシーズン中は、野球場へとにかく良く出かける。去年までは東京に住んでいたので、カバンに応援ユニフォームとメガホンを忍ばせ、会社帰りに東京ドームへ立ち寄る、なんてことは日常茶飯事。お得意さんが好きな明治神宮球場へは「接待」をこじつけて、仕事を抜け出して遊びに行った。休みの日には少し足を延ばして、埼玉にあるメットライフドーム、横浜スタジアムにも野球を観に行く。私にとってはこれが最高の気分転換だ。

さて。「プロ野球の応援」というと、皆様の頭の中にはどんなイメージがあるだろうか。
おそらくあまり野球好きでない方にとっては「うるさい」「やかましい」そんなイメージではないだろうか。

各球団には「私設応援団」という、ファンが有志で集まった応援団がいる。プロ野球の応援は彼らが中心。彼らの太鼓、トランペット、笛に合わせ、ファンがメガホンや手を叩きながら、大声を出して応援する。
応援の仕方は球団ごとに違っていて、チームソングを歌ったり、タオルを回したり、万歳三唱したり。それぞれのチームカラーに合わせて様々な応援が行われている。特に盛り上がるのは、あと少しで点が入りそうな時。「チャンステーマ」と呼ばれる音楽が演奏され、ファンはとにかく勝利を祈り、大声で試合を盛り上げる。これを何万人ものファンが同時にやるわけだから、かなりの大音量になる。「やかましい」と言われても仕方がない。

そんな場所に頻繁に遊びに行き「野球イコール大音量」としっかり身体にインプットされている私は、宮城県仙台市にある東北楽天イーグルスの本拠地、楽天koboスタジアム(以下、楽天スタジアム)へ行った時、とても違和感を覚えた。

楽天スタジアムはなんと、「鳴り物がNG」な野球場だったのだ。

野球でいう「鳴り物」というのは「楽器」のこと。楽天スタジアムでは楽器を使った応援を禁止していた。野球と言えば、プロだけでなく高校野球でも「鳴り物応援」が名物だが、近年では近隣への騒音を考慮し、こういった「鳴り物禁止」の野球場も出てきているのだ。ちなみに、22時を過ぎたらどの球場でも「鳴り物応援」は禁止とされている。

楽天スタジアムへ来て、いつもと変わらず野球を見ていたのだが、「鳴り物がない」というだけで、私はどうにも落ち着かない。もちろん「鳴り物」がない分、ファンはみんなとても大きな声を出しているので、お世辞にも「静か」と言える場所ではないのだが、いつも「鳴り物」と一緒に応援している私にとって、楽天スタジアムは「恐ろしく静か」に感じた。

そんな「静かな楽天スタジアム」に居ると、私は無意識のうちにとんでもない行動をとっていた。なんと、目の前の試合をスマートフォンで読んでいたのだ。その試合は目の前で行われていて、肉眼で試合結果をキャッチしているにも関わらず、スマートフォンでもプロ野球の試合速報を…。

それに気が付いてからは、恥ずかしいやら、情けないやら。ただスマートフォンを見ているだけなので、私の行動は誰にも知られていないはずなのだが、穴があったら奥深くまで潜り込んでしまいたい。そのくらい、自分でも衝撃的な行動だった。

この自分の行動を自分なりに分析をしてみる。
無意識の行動というのは、それだけの回数を普段から行い、習慣になっているということ。これまで意識したことはなかったのだが、私はプロ野球シーズンの夜6時以降は常に「プロ野球速報」をチェックしている。仕事が早く終われば良いのだが、会社員だった一昨年はそれがなかなか難しく。残業中も帰宅中も、片手には常に「プロ野球速報」。何度も何度も更新ボタンを押して、事細かく試合結果をチェックするのが日常になっていた。
もちろん球場へ来ている時は、この行動はいらないのだが、楽天スタジアムがあまりにも静かで「野球を観に来ている」という感覚にならなかったため、仕事で残業しているときと同じ感覚でスマートフォンを触り、「プロ野球速報」を見てしまっていた。

思えば、私の生活は「プロ野球」一色だ。好きなチームの試合は一瞬たりとも目を離すまいと、ものすごい情熱を注いでいる。そのためにはどんなことも惜しまない。何よりも「プロ野球」が優先である。
いつから私は、こんなに「プロ野球」を愛するようになったのだろうか。

今、「プロ野球」はオフシーズン。私も情熱はうちに秘めて、仕事に打ち込んでいる所だ。プロ野球の開幕まであと約2カ月。私の熱い、熱い日々がまたやってくる。

 
 
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2018-01-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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