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メディアグランプリ

なんでも完璧な、頑張れるあなたへ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:一宮ルミ(ライティング・ゼミ特講)

なんでも完璧な、頑張れるあなたへ、

あなたは、仕事も家事もいつも完璧で、100点満点を目指そうと、日々努力し、持てる時間の全てを注ぎ込んで、一人でやり遂げる力をお持ちです。
その上、その苦労をおくびにも出さず、いつも笑顔で、なんでもないことのように振る舞い、人に優しく、愚痴もこぼさず、本当に何もかもが完璧です。本当に尊敬しますし、私もそうありたいと、いつも思っています。

そんなあなたに、お聞きしたいことがあるのです。

私もそんなあなたのようになるべく、ずっと努力してきたつもりでした。
けれど、どうやってもそうはなれないのです。100点を目指そうとしても、結局20点や30点しか取れず、たまに100点だと思っても、どこかでミスが見つかって、減点され、気がつけばやっぱり30点ということばかりです。

いつもいろんなところに興味が飛んで行って、一つのことに集中することができません。そのどれもこれもが中途半端で、ますます点数は下がるばかり。完璧には程遠くなる有様です。

考えれば考えるほど、頭はフリーズし、新しいアイディアどころか、何も考えられなくなります。運転中に考え事をして、何度道を間違えたり、行き先を間違えたりしたことか。
もっと頑張れ、もっと考えろと言われると、ますます緊張して、頭が真っ白になり、どうしたらいいのかパニックになります。

自分が考えて、いいと思ったことで、うまく行った試しはありません。
いつもあなたの意見が正しいような気がして、自分の意見など吹けば飛ぶようなティッシュくらいの重さにしか感じられません。

もっと頑張ればいい、もっと努力すればいいと思うのですが、頑張れば頑張るほど、結果がついてこない、ならばもっと努力しなければと思うのですが、もうこれ以上努力することさえ、恐怖に感じるのです。
心の中は、いつも不安でいっぱいです。
このままでは、ダメになる。嫌われる。私は人生の選択に失敗したのだろうか。
もうずっとこんな気持ちで生きていかなければならないのだろうか。
人生の半分を過ぎて、これからは下り坂しかないのだろうか。

こんな私を、あなたはどう思っていらっしゃるのでしょうか。

もっと頑張ればいいのに。努力や我慢が足りないんだ。
いい加減な仕事しないで欲しい。
私の足手まといになるのなら、いっそいなくなってくれたらいいのに。
30点しか取れないのに、よく堂々と生きているよね。
できないやつなんて大嫌いだ。
一つのことに集中できないなんて、頑張らない言い訳だろう。
自分の考えもなくて、いちいち私に意見を求めてくるのも鬱陶しい。
私だって一生懸命頑張っているのに、それくらいでできないなんて、気合が足りないんだ。
助けて欲しいってこと? こっちだって精一杯なのに迷惑ばっかりかけないで。

こんな風に思っていらっしゃるのでしょうか。

あなたが私に呆れていることも、重々分かっています。そうして、こんな私を嫌っていらっしゃることも。

でも、どうしても、これ以上頑張れないんです。
あなたの頑張りと完璧ぶりを見るにつけ、自分のできなさに落ち込み、自分のダメさを痛感しています。
あなたに迷惑ばかりかける自分にいつも罪悪感を感じています。

私は、これからどうすればいいのでしょう。
あなた以上に努力して、あなたと肩を並べるほどになるように、寝る時間も休日も惜しんで、もっと頑張ればいいのでしょうか。
迷惑をかけないように、先回りして考えて、考えて、周りの空気を読んで、人の顔色を伺って、あなたのお荷物とならないよう、目立たず、騒がず、謙虚に小さくなって生きていけばいいのでしょうか。
迷惑をかければ、平身低頭であなたにいつも許しを請い、あなたの影になって生きていけばいいのでしょうか。あなたに少しでも認められること、賞賛されることを目標に、死にものぐるいで生きていけばいいのでしょうか。

やってみたわけではないので、できないと言い切ることはできません。
けれど、そんな生き方はできないような気がするのです。
きっとどこかで、頑張りの糸が切れ、私は私でなくなるような気がするのです。
そんな生き方に私の幸せはあるのでしょうか。
私が幸せに、自由に生きていく道があるのでしょうか。

あなたから見れば、私は本当にダメ人間以外の何者でもないのかもしれません。

それでも私は生きていかなければならないのです。
30点しか取れなくても、頭がフリーズしても、一つのことに集中できなくても、トンチンカンな答えしか出せなくても。

もう、こんな私を認めてくれないでしょうか。
そのままでいいんだよと言ってくれないでしょうか。
ダメなところは、なんとかしてあげるから、そのままでいいと言ってくれないでしょうか。

こんな生き方しかできないのです。
もしかしたら、もしかしたら、あなたが完璧にできることの、他のところで、いつかお役に立てるかもしれません。

だからどうか私を認めてくれませんか。
「現実の私」から「完璧で100点満点の理想の私」へのお願いです。
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-01-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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