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シアワセな納税のススメ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:岩川芳信(ライティング・ゼミ 日曜コース)
 
「美味しいお肉を食べたいですか?」
そう聞かれて、食べたくないという人はほとんどいないと思う。
「美味しいお肉食を食べたい。でも高いしなぁ。」
お肉が苦手な人や、よほどお金持ちの人ではないかぎり、みなさん似たようなことを思うと思う。
 
もちろん私もそのうちの一人だ。美味しいお肉を食べたい。
旅館や高級店で出てくるような、マシュマロのように柔らかく、甘く濃厚な脂が口の中でとろける高級なお肉はいつだって食べたい。
しかし、お金に余裕があるわけでもない。どこにでもいる一庶民だ。
その庶民の私が、別に臨時収入があったわけでも、誕生日だったわけでもない、ただの休日にたらふく美味しいお肉を頂いた。
それもスーパーで売っているようなお肉ではなく、しっかりお高いお肉の味がする有名なブランド肉だ。
自分でお金を支払っているわけだが、決して贅沢をしたわけでもない。
どういうことか。
あなたにも是非この美味しさを味わっていただきたいので、順を追って話していこうと思う。
 
ご存知の方はもうピンと来ているかもしれない。私はふるさと納税というシステムを使ったのだ。
知人等にこの話をすると
「名前は最近よく聞くけれども、どういったものかよくわからない」
だったり
「オトクになるのはなんとなくわかってるけれども面倒くさそう」
という人や、
「確定申告しないといけないんでしょう? それが面倒で」
という人が未だに多く、周知がまだ進んでいないように思う。
 
かくいう私も、最近までこの制度は名前しか知らず、詳しくは知らなかった。
たが、自営業になりすこしでも税金を安くしたいと思い、利用してみることにした。
とりあえず、制度について知るべく「ふるさと納税 とは」とgoogleに打ち込み、いくつかサイトを開いて制度のことについて調べてみた。
 
いままでは漠然と、寄付をすればするほどいろんなものがもらえる!と思っていたが、どうやら控除されるのは自分が納める住民税の2割程度まで。
流石に寄付をすればするほどオトク!という美味しい話ではないようだ。そして手数料として2000円が引かれるということ。これは金額を問わずかかるらしい。そして会社員でも一定条件下で確定申告が不要になるという。
 
私はそんなに納税することもないだろう、というのと、とりあえず初めてだから、という理由でとりあえず1万円を寄付してみることにした。
 
次に、どこの自治体に寄付をするか決めなければならない。
ふるさと納税で検索すると、専門サイトがいくつかヒットする。どこも通販サイトのように自治体ごとや返礼品の種類ごと、金額別など細かく条件を指定できるようになっている。
私は1万円を寄付しようと思っていたので、とりあえず1万円以下で絞り込んでみることにした。
金額を指定し、絞り込みボタンを押す。
 
「……いやいや、これは多すぎる」
思わず画面に向かってぼやいてしまった。なんと6万件近くがヒットしてしまっているのだ。
ざっと内容をみてみると、焼酎飲み比べ5本セット、老舗お菓子屋のプリン詰め合わせ、ラム肉のしゃぶしゃぶセット、ブランド米5kgにじゃがいも20kg等など。
食品だけではない。化粧水にストール、まな板にスーツケース、生活雑貨やエステのクーポン、中にはスキー場の雪なんてものまである。
 
これではいつまでたっても決められない……。そう思い、ひとまず食品に絞ることにした。
しかし食品と言ってもやはりまだ種類が多い。ここは安直に、もらってオトクになりそうなお肉で探すことにしてみた。
まずレビューで高評価なものをピックアップしていき、そのなかで商品や量によって比較し、ふるい落としていく。
 
そうして残ったのが、宮崎県都城市の宮崎牛ヒレステーキ360gと山形県庄内町の三元豚1.5kgの2つだった。
「……ぬわーーん。どうすっかなーこれー!」
背もたれにふんぞり返りながら思わず叫んでしまった。これは究極の二択だ。量の多い豚肉を取るか、それともより高級な牛肉にするか……。
結局30分ほど悩んだ挙句、質より量をという安直な結論により、三元豚ボリューム満点セットという魅惑の響きの豚肉にすることにした。
そこからはとても簡単だった。
送付先を入力し、クレジット決済で支払いを済ませるだけ。通販サイトと変わりはない。
一点だけ違うのは、すぐには送られてこないことが多いということ。今回の場合は発送が年明けということにして、気長に待つことにした。
 
そして年が明けて先週末。ふるさと納税をしたことをすこし忘れかけた頃、インターホンがなった。いつもの配達員さんから荷物を受け取ると、差出人欄には見慣れない文字が。
「山形県庄内町」
やっときた! と、小躍りしながらズシリと重い発泡スチロール製の箱を開ける。
大きなパックに入ったピンクのお肉が3種類しっかり冷凍されて入っている。
厚みが1cmはある肉厚なステーキ用、いろんな食べ方のできるロース、そして薄切りにされたたっぷりのしゃぶしゃぶ用。
しかし、うちにあるのは一人暮らし用の冷凍庫。容量なんてたかが知れていて、頑張っても入るのは1パック程度。
冷凍保存は難しい。かといって冷蔵庫にいれても長持ちはしない。しかし、せっかくの良いお肉。美味しいうちに食べないと勿体無い! 
ということで、一番ボリューム感のあるステーキ用お肉はお世話になっている知人へおすそ分けをし、残りのお肉は友人を呼んで一緒に食べることにした。
翌日、土鍋を引っ張り出し、しゃぶしゃぶに。さらに翌日は残りの白菜をつかってミルフィーユ鍋にした。
味はもちろん最高に美味しかった。とても柔らかく、臭みもなく上品で甘くとても濃厚な脂。
なんでもないただの休日に、こんないいお肉をたらふく頂けるという幸せ。
 
「こんな素晴らしい制度なら、私も今年やってみよう。」
 
ふるさと納税について何も知らなかった友人が、こういうのも無理はない。
なにしろデメリットはほとんどないのだから。役所へ紙1枚書いて送るだけでいい。確定申告も必要ない。
自分とは縁もゆかりもない町に、先払いで納税をしたというだけなのに、こんなに美味しい思いをできる。
地方自治体は歳入が増える。生産者は色んな人に自分の製品を知ってもらえる。納税者は納税額は変わらないのに、返礼品が届く。
高級なお肉を食べるもよし、欲しかった商品をもらうもよし、現地に行っていろんな体験するもよし。
納税をしてみんなが幸せになれるこの制度、一度試してみてはどうだろうか。
きっと、来年の納税が楽しみになってしまうだろう。
 
 
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2018-01-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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