プロフェッショナル・ゼミ

私は依存症?《プロフェッショナル・ゼミ》


*この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:たいらまり(プロフェッショナル・ゼミ)

今、私は依存症のような症状に悩んでいます。
アルコールや薬ではありません。
イマドキなスマホ依存でもありません。
それは、天狼院書店の川代さんが書かれる記事です。
川代さんが私を拒否してくれたなら、川代さんが私をその気にさせなかったなら。私はきっと、依存症に悩むことなく、普通のお母さんとして育児に専念していたと思います。育児休業を本来の育児のための目的だけに使っていたと思います。
川代さんは罪深い……。

最初は私が悪かったと思います。
少し浮かれていました。
育児休暇の間にスキルアップしたいと思っていたし、人生の方向転換をする時期に差し掛かっていたのは事実です。
天狼院書店のライティング・ゼミに出会い、チャレンジ精神がムクムクと湧いてきました。
そして、なぜかこのタイミングで、部屋の隅から、以前に書いていた走り書きのような自分の文章が出てきたのです。
20代の私は、印象に残った事、感動した事をノートに書き留めていました。いつしか、書くことも止めてしまっていましたが、このタイミングで再会するなんて、何かの陰謀としか思えません。
育児休暇中で、少々悩みましたが、ライティング・ゼミに投資することを決めました。
この時、川代さんのことはまだ知りませんでした。
もし、この時に、この時に戻れるなら、私はこんなに苦しまなくてよかったはず……。

「おもしろかったです!」
ライティング・ゼミの課題提出で、ライターでもあるスタッフの川代さんからこうフィードバックを頂いた時は、天にも昇る気持ちでした。
Facebook上のクールなアイコンの川代さんが、びっくりマークまで入力してくれるなんて!!
ちょうど、このメッセージをもらった時、外出先で主人と些細な口喧嘩をしていたのですが、一瞬で仲直りをしました。
「おもしろいです!」その、評価が欲しくて欲しくて、喉がカラカラになりました。
評価してもらえることが楽しくて、書きました。書き続けました。
その時、受講生へのフィードバックは、川代さんともう1人のスタッフの方が1週間ごとに交互で担当されていました。
私の記事の作成は、恐ろしいほど時間がかかりすぎて、ほとんど二週間に1度のペースでの提出でした。しかし、そのペースもまた、仕組まれていたように、私が提出する週のフィードバックは川代さん担当の時が多かったのです。
もう、このあたりから、私の頭の中に、白黒のクールなアイコンの川代さんという人が離れなくなりました。
が! 依存症となる決定的な出来事は、この後です。
私は、「川代ノート」なる得体の知れない読み物に出会うのです。

その頃、私は、朝9時前に、4歳の娘を保育園に送った後、車の中でライティング・ゼミの提出課題を書くことが日課になっていました。まだ保育園に入れない1歳の息子が、車に揺られ、気持ち良くなって、1時間ほどの朝寝をしてくれるからです。1日の中で一番ホッとし、集中できる時間です。
その日も、娘を保育園に送った後、チャイルドシートで眠ってしまった息子の寝顔を確認して、近くのコンビニに車を停めました。
提出する記事の内容に行き詰まっていたので、他の受講者さんの記事を読んで参考にしようと、天狼院書店のホームページを開こうと思ったのです。
すると、天狼院書店のページに行く前に、「川代ノート」という文字が目に飛び込んできました。
ナニ。コレ。
これってあのスタッフの川代さんのノート?
なんだかよく分からず、クリックしてみました。
その先にあったのは、川代さんが書いた多くの記事でした。
その1つ1つの記事のタイトルが、ガリッガリッと心臓に爪を立ててきます。
野生の感か、女性ホルモンが反応したのか、読んではいけない気がしました。
私は、今やっと母親としての忙しさから解放され、課題に取り組むという、1人時間を確保したばかり。そして、他の受講生の記事に刺激されて、自分の記事を書く予定。
この川代ノートを見てしまっては、その時間もやる気も失ってしまうような恐怖心に襲われました。しかし、もう、クリックしようとするその右手を止めることはできません。
ページを開いてしまいました。

「わーん!」
チャイルドシートの息子の泣き声で、ハッとしました。
この子が起きたということは1時間経ったということ?
1時間も読み続けてしまっていた?
あああ、やっぱり見なければよかった。開かなければよかった。
猛烈に後悔しました。
川代ノートは、私に自由な時間を与えてくれませんでした。
読むことを中断するという、悩む隙さえ許してくれません。
単なる「共感」レベルの感動であれば、「あーおもしろかった」と、その残り香をつかの間に楽しむぐらいで済みます。
でも、私にとって川代ノートはそんな容易いものではありませんでした。
その記事は、目から脳へと伝わり、私の全身の細胞を侵しました。もう、いかなる治療をしても、元の私の体には戻れない状態です。
今まで「いい子」を装うために、できるだけ私が隠してきた「嫉妬」「弱さ」「女の性(さが)」が、赤裸々に、とても赤裸々に書かれていたのです。
そんなことまで書くの?! とてもヒヤヒヤしました。
川代さんが嫉妬するところでは私も嫉妬し、弱さをさらけ出すところでは私も弱くなり、そして、また立ち上がり、「書く」ことに情熱を捧げていく姿に、私の心も熱くなりました。
その感動が全身から抜けないのです。
チャイルドシートで泣く子を抱きかかえ、母親の役割を果たそうと思っても、またグルグルと川代ノートの内容は感情を伴いながら、頭の中でリピートされます。細胞レベルで川代ノートが浸透してしまいました。
川代ノート依存症の始まりです。

その後、私はその依存症を抱えたまま、記事を書き続け、天狼院書店ライティング・ゼミのプロフェッショナルコースへとチャレンジすることにしました。
そして今は、書くことができなくてもがいています。
いろんなネタを探して、書いても、書いても納得ができなくて、ゼミの課題を提出できないことが増えてきてしまいました。
パソコンのキーを打つ手が震えてきます。
書けないことへの情けなさか、苛立ちか、怒りか。
川代ノート禁断症状かも知れません。
もう抵抗できません。私は、また川代ノートを読みます。
そして、赤裸々過ぎる内容は、また全身に沁み渡ってきます。そして、もっと欲しくてなって、まだ読んでいない過去記事を漁ってしまいます。
川代ノートを読んだって、川代さんのような文章が書けるはずないのに。
どうしようもない気持ちを、また川代ノートで埋めようとしてしまいます。
これが、薬物依存やアルコール依存なら、私はダメ人間へと堕ちていってしまっていたかも知れません。そもそも、何かに依存するということは、私の心にある弱さ、弱さを隠そうとする変な虚栄心があるからで……。ライティングができなくなっているのは、その心根の部分が引っかかっているからで……。

誰に頼まれて、ゼミを受講しているのでもありません。
チャレンジをしないという選択肢もあります。
でも、なぜか離れられません。
書けない苦しみにも、生き心地さえ感じてしまいます。
離れられない? 生き心地?
そうか! 川代ノートの依存性の正体ってこういうことか!
こんなマゾっぽい精神力になっているのは、川代ノートから不屈の書く力をもらってるからだと、最近思うようになってきました。
無性に川代ノートを欲してしまう原因は、水泳でいう息継ぎのようなもので、ライティングという海を泳ぎ続けるために、カナヅチな私は、必死に息継ぎをしています。クロールも平泳ぎもできないので犬かきです。
書けなくて、溺死しそうなになりながら、川代ノートという酸素を吸い込んで、エネルギーに変えています。
記事の中で、天狼院の中心スタッフである川代さんが、悩み立ち上がり、また悩み立ち上がっていく姿に、書き続けるエネルギーをもらっているのです。
ああ、川代さん!
依存症なんて言ってごめんなさい。
私、アラフォー子持ちでよかったです。
私みたいなマゾ気質、男性だったら、可愛い20代の書店スタッフさんにしつこく言い寄る要注意人物に指定されていたかも知れません。
大丈夫です。危ないことはしません。
でも、これからも川代ノート依存症として、胸を張って記事ストーカーさせていただきます!

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