読書は「主食」、「副菜」、「サプリ」のバランスを!
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記事:NORIMAKI(ライティング・ゼミ 平日コース)
あれはちょうど、去年の今ごろだったと思う。その日私の体は、腹部の激痛に耐えかねて、よくあるU字型の磁石のように、頭を前に大きく垂れて折れ曲がっていた。急遽仕事を早退し、なんとか気力を振り絞って職場近くの医者に向かった。簡単な問診の後、「点滴を打ちましょう」ということになり、すぐにベッドに寝かされた。そのまま1時間ほど横になっていると、痛みはおさまったため、「緊急入院の必要なし」とのことで、血液検査のための採血をして、その日は帰宅した。その後は数日間にわたって「波」があり、強い痛みが出ては再受診、ということを何度か繰り返し、最終的にはCTスキャン、内視鏡といった大がかりな検査もして、結果としては「腸炎」との診断が下された。原因について何か心当たりはないかと訊かれ、「先日、食べ放題で、ついピザを食べ過ぎまして……」と答えると、「それですね。運悪く痛みがひどかったようですが、一過性のもので、幸い大きな病気の疑いはありません」とのことで、胸をなで下ろした。
「食べ過ぎ注意」という点では、じつは読書も同じだ。ライティングの勉強をしていると、「ネタを求めて本を読む→書く→ネタが尽きる→またネタを求めて読む」のループが生じる。一度書き切ってしまうと脳が「ハラペコ」状態になり、新たな知識を求めて、ついなんでもかんでも片っ端から次の本に手を出したくなってしまう。そういう状態で「ジュンク堂池袋本店」や「丸善丸の内本店」などの大型書店に行くと、「棚ごとすべての本をブルドーザーでかっさらってしまいたい」ほどの衝動に駆られる。けれども、当然ながら本もただ量を多く吸収すればよいというものではない。冊数至上主義になって、いくらたくさんの本を読んだところで、血肉にならなければ、単に「消化不良」を起こすだけだから要注意だ。
では必要な本を必要なだけ取り入れるには、本とどのように向き合ったらよいのか。一つの方法として、本を「主食」、「副菜」、「サプリ」に分けることを提案したい。そもそも巷に流通する本は、誰が読んでも読めるように万人ウケの味付けがされており、必ずしも自分の好みに沿っているとは限らない。だから、本によって「合う。合わない」がある。たとえAmazonの評価が高かろうと、100万部のベストセラーであろうと、必ずしも自分にとって有益な書籍とは限らない。大事なのは「自分にとって」役に立つかどうかだ。そのことを基準にして、「主食」、「副菜」、「サプリ」に分類し、重みづけをしてから読書に臨んではどうか、というのが今回の私からの提案である。
ではまず、「主食」になるのはどういう本か。たとえば、一度さらーっと読んでみて、ドッグイヤー(ページの折り目)がたくさんついていたり、線を引く箇所が多かったりしたら、その本は漏れなく「主食」入りする。「主食」は、本棚に常備して、後から「よく噛んで」読み直す本で、長い時間にわたってキャリアの指針を示してくれる。最近では、『サピエンス全史』、『LIFE SHIFT』、『<インターネット>の次に来るもの』あたりが私の「主食」だ。「過去に学び、未来を考える」というテーマを設定して何度も読み返し、読むたびに得た気づきを書き出して、自分なりにまとめるという作業を実践している。
続いて、「副菜」。これは、「日常の行動習慣に落とし込めそうなスキルやノウハウが載っているもの」と位置づけている。「主食」ほどの「熱量」はないけれど、日々の暮らしの調子を整えてくれる「小鉢」としては欠かせない。今年に入ってから、『小さな習慣』や『マンガで分かる 大人のADHDコントロールガイド』と出合い、そのエッセンスを毎日摂り入れている。どうやら、私の脳の特性に適しているようで、「気になったことは全部書きだす」「Todoはできる限り小さな単位に分ける」といった習慣が定着して、おかげで生活改善がなされている。
「サプリ」は、効果を実感するのは難しいけれど、読み終えると「なんとなく気分がいい」感じが残るもの。実用性云々というよりは、絶えずいつも取り入れて、新鮮な思考を保持するために読む。この頃では、『革命のファンファーレ』や『好奇心を“天職”に変える 空想教室』に書かれたメッセージに、何度も背中を押された。
そして最後。読んでみて「どうもこれは、主食にも副菜にもサプリにもならないな」と思ったら、それ以上無理して読まず、きっぱりと棄ててしまおう。その本とはご縁がなかったのだ。
テクノロジーが進歩し、社会が急激に変化しても、私たちが一日に費やせる時間は24時間と決まっている。その限られた時間のなかで、いかに「自分にとって」有益な本を活用できるか。それが勝負だと思う。そのための本との付き合い方として、「主食」、「副菜」、「サプリ」をおすすめしたい。今度書店に足を運ばれる際は、バランスの取れた夕飯のメニューを考えるように、あなたを豊かにする献立をつくる気持ちで、本を選んでみてはいかがだろうか。
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