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メディアグランプリ

私にとって、書くことはヌードを見せるようなことかもしれない。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

 
記事:白樺いつき(ライティング・ゼミ ライトコース)
 
先日、天狼院ライティング・ゼミライトコースを受講した。その日は秘伝のタレであるABCユニットの説明や、それを実際に自分で作ってみるワークショップを行った。
 
ワークショップが始まった直後、何を題材にすべきか全く選べず、頭が真っ白になった。これまでも、どんな文章が書いてみたいか、書けるだろうかと考えたことはあったが、明確な答えはでていなかった。どうしてここに来てしまったのか、私には難しかったのかと、弱気になってしまう。「考えたのですが、上手くまとまりませんでした」と、正直に言っても許されるだろうか。そんな甘い考えが頭を巡る。
 
途中で進行状況の確認があり、半分以上の人ができている様子。なんとか作成して、グループワークにて発表する。普段から緊張しがちな私は、手に汗をにぎりながら、ゼミを終えた。
 
ゼミを受講すると、記事の投稿ができる。直近の締め切りは2月5日、明後日だ。初日が終わったと、のんびりしている場合ではない。すぐに取り掛かろう。そう思い、まずはワークショップで作成したABCユニットを使おうと決める。ここまで出来ているし、2000字だったら400字詰め原稿用紙5枚分。そのぐらいだったら頑張れば届くかな。そんな風に思いながら、キーボードを叩き始めた。
 
そんな思いも束の間。2000字の射程は遠かった。コンパクトにまとまってしまい、文字数が足りない。内容もいまひとつな気がする。他のABCユニットでも書いてみようと思い立ち、複数の記事を書いてみた。だめだ、どれも上手くいかない。そんなことをしている間に、締め切りまであと数時間。
 
川代先生は「何本か書いてみて厳選したものを投稿してください」と言っていたが、そもそも1本も書けていない。
 
Facebookを確認すると、1人また1人と記事を投稿している。みんな出来上がっている。
 
参ったなあと思いながら、何が原因だろうと考える。先日のグループワークの反応から、ABCユニットはさほど問題がないようだった。では、その先か。文章力なのだろうか。
 
 
普段は、広報の仕事をしている。文章に接する機会は多く、情報収集として様々な文章を読み、コミュニケーションツールとしてのメールや、プレスリリース(会社や商品などの情報をまとめた資料)の文章を考え、発信する。ただ、プレスリリースの作成は、他の部署が用意したテキストや写真などの素材が予め用意されているため、1から全ての記事を作成する訳ではない。説明などを付け加えたり、タイトルを考えたりすることはあるが、自分の主観を入れることもない。
 
今回の記事を作る場合と、違う点はそこだ。1から記事を作ること、自分の主観を入れることに戸惑い、自分の個人的なことを露呈するのが恥ずかしいというような気持ちが、文章が止まってしまう理由なのではないか。
 
自分が書いた文章に講評をもらい、掲載可と判断されればネット上に掲載してもらえるという、貴重な機会。それなのに、石橋を叩いて渡るタイプの私は、ここにきて実名で語る記事を提出することにも怖気づいている。
 
自分のプライバシーを公にすることは、ヌードを見せるような物ではないのだろうか。そんな飛躍した考えが、頭の中に浮かんできてしまった。
 
これはおそらく美術関係者と、横浜美術館で3月から開催される企画展「ヌード NUDE -英国テート・コレクションより」について、話をする機会が、最近あったからだろう。イギリスを代表する美術館のひとつである、TATE(テート)のコレクションが世界を巡回し、次は日本にやってくる。目玉のひとつは、日本初公開であるロダンの「接吻」。男女が裸で抱き合っている姿が、白い大理石を使って彫刻で表現されている。
 
私はそのタイトルに、内容に、驚いた。ポスターやパンフレットを正面から見る勇気がなく、どこか視線を泳がせがちになってしまった。
 
だが、その美術関係者は違った。肖像画や風景画などと同じように、資料を直視してめくり、デリケートな部分の単語も変に恥ずかしがる訳でもなく、フラットに扱った。
 
作品も、それぞれの背景を聞くと、観る目が変わる。ヌードと聞くと、見てはいけないもの、公にできないもの、下品なものなどと解釈しがちである。だが、身体としてのヌードは、自分も含めて誰もが持っている身近なもの。
 
そのような話を穏やかな表情でする姿に直面し、今までの自分の考えや視点が恥ずかしくなった。
 
今回の話で、改めて「知る」ということは、世界を広げ、自分に気づきを与えてくれるものだと思った。まだまだ、この世界は私が知らないことだらけであるし、表面だけを見て判断すると本質を取り違える。
 
自分の主観を入れた文章を書くことは、さほど意識すべきことでもないのかもしれない。確かにその人の立場や、扱う内容によって注意しなければいけないこともあるだろう。だけど大事なのは、コンテンツとして成立し、読んだ方に満足してもらえること。
 
それでも。小心者の私は、ペンネームを装備して書くことを始めようと思う。
 
やはり、ヌードは秘めごとなのだ。
 
 
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-02-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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