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メディアグランプリ

占いは指示書ではなく時計


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ISD(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
裏はない……と言われつつも、いつの時代だって占いは私たちの生活と密接に結びついていて、積極的に情報を取りに行かなくても目や耳にすることが多い。
テレビでは毎朝どのチャンネルでも流れるし、電車のモニターやスマホでみるニュースサイト、更には雑誌の占いページ。
 
そして特に女性、年頃の乙女は当たると聞けば何時間も列に並び、おこづかいやバイト代をはたいて直接自分を占ってもらい、目に見えないその結果に一喜一憂する。
 
私の場合はもっと上を行ってしまい、自分で未来をどうにか出来ないものかと16の時になんと自ら勉強を始めてしまった。風水、タロット、占星術、方位術……。
あらゆる占いに没頭し、最終的には自分でセミナーを開くまでにはなることが出来た。
 
しかし、そうなった時、困ったことが起きた。
みんな依存する。まるで私が悩みを解決してくれて、願いもすべて叶えてくれるかのように。
占いに依存してしまう人はだいたい悩みを持っていて、もがいているから何かにすがりたくなり、周りが見えなくなっている人が多かった。
 
そうじゃないんだよ。占いは魔法じゃないんだよ。もう世間に随分浸透してきた引き寄せの法則とか潜在意識とか願望実現とかいろんな方法が溢れてるけど、全部魔法じゃないんだよ。
 
どんな占いも、れっきとした統計学で古い歴史があるからだいたい当たる。海外では学問として成り立っているし、大企業になればなるほどお抱えの占い師がいる。いわゆるインチキやデタラメではない。【インチキ占い師】はいるかもしれないけど。
 
しかし、恋愛運がいいからといって家にこもっていていきなり長身の高収入イケメンがピンポンを押して告白してくることはほぼ無いし、今年は金運が良いから仕事をしなくてもお金が降ってくるなんてことも無いに等しい。
 
まさかと思うけど、実際はこんな人がほとんど。願い事をイメージしてノートに書こう!という方法だったら「ノートに書いたけど彼氏できません」 みたいな。
 
実際は私もそんな時があった。好調な時は占いなんて忘れるくせに何かに躓いたり悩んだりするとまた占いを思い出して占う。10年ぐらいはそんな事を繰り返していた気がする。
占いが悪いとは言わない。占いやスピリチュアルというと胡散臭さがどうしても溢れてしまうが、実際沢山の人が救われていると思うから。
 
人は落ち込んだり悩んだり切羽詰まった時は近しい人の話に耳を傾ける余裕なんてないし、人によっては誰にも話す事が出来ずに一人で抱え込んでしまう。そんな時、全く知らない占い師に話を聞いてもらってアドバイスをもらうだけで絶対気持ちは軽くなるから。
 
「今は時期じゃないね。3ヶ月後」 とかだけでも、言われると不思議と心が落ち着く。そして実際3ヶ月後に何もなくてもその時には結構どうでもよくなっている。自分が変な方向に外れてしまう前の時間稼ぎとしてはかなり有効。
悩みなんて人から見たら大したことがないものでも、本人からしたら人生を揺るがすほどの大問題だったりするから。心療内科とかカウンセリングよりよっぽど敷居が低くて行きやすい。
 
そんな感じで私も占い否定派ではないけど、紆余曲折を繰り返し今ではようやく使いこなせるようになった気がする。【時計や天気予報】のように捉えることによって。
 
時間というものは、時計があるから存在しているわけではない。時計がなくたって時は進む。状況は変わる。天気予報が明日は晴れというから明日は晴れるのではなく、明日は晴れるような空の状態だから天気予報は明日は晴れるという。
 
だけれど時計があるから人はスケジュールが組めて、スムーズに待ち合わせが出来たり自分の生活を効率よく進めることができる。天気予報が明日は雨というから傘を持って出かけられ、ずぶ濡れにならずに済む。途中で雨に振られるより、晴れる日に改めて遊園地に行った方が楽しめるはず。
そんな感じで占いも使ってみると随分人生がスムーズにいく気がする。自分の人生は自分で作る。だけど何かを参考にしたい。目に見えないものを信じ、白黒はっきり出来ない所も人間らしくて良いと私は思う。
 
だから占いは指示書じゃなくて時計。たまにチラ見すれば良い。
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-02-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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