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メディアグランプリ

会社ファーストからのシフトチェンジ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:濱中 伸幸(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
今年50歳になる。今から7年前に18年勤務した会社をやめた。
その前年の夏に次男が生まれるのを知って、会社ファーストの人生が変化することになる。
「2人めできたら、もっと家のことを手伝って欲しい」嫁は真剣な眼差しで訴える。
「わかってる」と言ったものの、家のことを手伝うなんて想像できない。
昇給が最大の家族貢献と信じて疑わず、朝から晩まで働いていた。休日も月に2回は返上。イヤイヤではなく、仕事が面白くて仕方がなかった。たまの休みの家族3人でのお出かけも、頭の中は仕事のことで一杯。家族との時間を楽しんでいる役割を演じていた。
 
そんな時、自分が管理していた部署の顧客情報が流出したかもしれない事件が起きた。順風満帆だった会社生活もこれで汚点がついてしまったと目の前が真っ暗になった。責任をとって会社を辞めると言う選択肢も頭をよぎる。
調査の結果、顧客情報が流出した事実は無く、事なきを得たのだが、大きな組織で働く怖さを初めて経験する。今となっては会社イコール社会と思っていて、誇らしかったり、恐怖を感じたりしていたんだと思う。
 
この出来事もあって、自分イコール会社の生き方に疑問を持つように。
今までの人生を振り返ると、良い高校、大学、良い会社のレールをそれなりに歩んで来たと思っていた。心の安定と自信のよりどころは会社の肩書き、スーツの胸の社章に誇りを持っていた。
会社を辞めたら何が残るのだろう? 定年60歳を迎える時、次男はまだ17歳。
知らぬ間に大きくなって、気がつけば幼稚園の長男は一緒に住んでいるのが良くわかってないのか「次いつ来るの? お父ちゃん」って言う始末。
 
定年の無い道にシフトチェンジしようと決めた。
 
彼が生まれる2月末、最後の勤務を終えた。
何の肩書きもない無職で出産に立ち会う。長男と一緒に次男誕生を喜ぶ。
長男の出産は、たまたま会社の休みだったので立ち会うことができたが、今回はいつ生まれても立ち会うことができるのが嬉しかった。
僕の人生もまたゼロ歳からスタートしよう。元気な泣き声に何かを始めることの素晴らしさを感じて、家族を抱きしめる。
 
スタートは働かないことから始めた。今まで、正直働きすぎていた。フルスロットルで働いていた目盛りを徐々に減らすこともなく、いきなりゼロにした。
退職金だけが徐々に減っていった。
朝起きても行く所がないって、不思議、恐怖。
会話するのも家族だけ。
毎日何本も電話でやりとりしていたのに、電話をすることも、かかってくることもない日々。
時間に追われる日々から時間が有り余る日々。
社会との関わりが無いって、こういうことを指すのか?
そのまま働き続けて定年を迎えたら、この状況になるのか?
会社の仕事に関わることにしか自分の時間を使って無かったので、することが無いのだ。
家以外に居場所が無い。大量の本を買い込んで空虚感を埋めるようにむさぼり読んだ。
突然の変化に慣れるのには、けっこう時間がかかった。
 
そうしているうちに何かを生み出したい欲求にかられるようになった。今までやった事のないことにチャレンジ。
幼稚園に通う長男のお弁当作り。キャラ弁で自分と息子の顔のおにぎりを作った。
近所のスーパーを軒並み回って、品揃えのチェック。自分だったらどういう陳列にするのかを考えながら買い物するのが面白い。カレー、チャーハン、麻婆豆腐、餃子、焼きそば、などクッキングパパとして料理の種類も増えた。
嫁のママ友から「ニコニコして買い物しているのを見た」「真剣な眼差しで野菜を選んでいた」とラインで嫁に報告が入る。
次男の沐浴。シンクにビニール製のお風呂を作り、ガーゼで身体を洗う。何度もやると慣れて、カワウソのような次男が愛おしい。
 
そんな生活を半年送っていると長男が言い放った。
「もうそろそろ働いたほうがいいんじゃない」
小学生になった彼は、自分が小さいときにはほとんど家にいなかったのに、弟はいつもお父ちゃんと遊んでもらっている光景に少し嫌気をさしていた。
彼なりの世間体からの発言だったと思う。
「働いていないのは恥ずかしいことじゃ無いんだよ。お父ちゃんは働きすぎたから、家族の時間を取り戻そうとしているだけ。すぐまた働くけど、前みたいな働き方はしないからね」と言って、一旦ゼロにした働くモードにスウィッチを入れることにした。
 
9月に個人会社を立ち上げた。すぐにフルスロットルで仕事モードに突入する自分をセーブしながら、とは言ってもそれなりに時間を投入することになるのだが、一つ大きな違いがある。
 
それは、仕事をするしないを自分で決めることができること。上司も部下もいない。ミーティングも会議も無い、勤務時間も無い。24時間を自由に設計できる。興味のあるセミナーにも参加できる。
 
会社ファーストから自分の欲求ファーストに生きるシフトチェンジ。
自分の人生を自分で切り開く。終わりのない生き方を選んだのだ。
家族の時間、仕事の時間を自由に設計できる生活をもっと楽しみたい。
好きなことをする、上手くいかないことも含め、新しい視点も増える。
チェンジはチャレンジ、そこにチャンスがあると思う。
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-02-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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