メディアグランプリ

やりたいことが見つからない人に必要なのは「痛気持ちいい」の感覚


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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文章:野原ケイ (ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
「あなたがやりたいことって何ですか?」
こう聞かれて、パッと答えられる大人はすごくかっこいい。
子どもにこういう質問をすると、いくらでも答えが出てくると思う。でも、大人でこの質問にシンプルにスッと答えられる人は意外と少ないのではないだろうか。
 
かく言うわたしも、「やりたいことってなんだろう?」と考えた時に、うまく答えることができない大人の一人だ。
 
何の制約もない、お金も時間も無限にあるなら、何をしたい?
 
この問題に対して答えを見つけるのってすごく難しい。
でも、この「自分のやりたいことを見つける」という作業は、少しずつ積み重ねれば誰でもできる。股割り開脚のようなものである。
 
そう、股割り開脚って、どんなに身体が硬い人でも、毎日「痛気持ちいい」くらいの感覚で柔軟体操を繰り返すとできるようになるらしい。
股割り開脚の実現のために大事なのは、毎日続けること。少しずつ負荷を強めたストレッチをしていくこと。
わたしの身体はすごく固くて、足を開いて座った時に前に倒れても、指先がかすかに床につくかつかないか、というレベルの柔軟性だった。そこから毎日柔軟体操を重ねると、なんとか手のひらがつくようになり、肘がつくようになり……。
「身体が固くて絶対股割り開脚なんてできない!」と思っていたわたしの身体は、毎日少しずつ刺激を与えることで変化が起きたのだ。
 
「自分がやりたいことを見つける」という作業は、そんな股割り開脚にすごくよく似ていると思う。
例えば、自己啓発本を読んでいると自分自身を整理するために「やりたいことをまず20個書き出してみましょう」というようなワークがでてくる。これ、わたしにとっては本当に苦行だった。とりあえず、鉛筆を持って紙に向かうけど、何も思いつかない。
やりたいことを書き出すことが重要なことは、頭ではわかる。書き出したい。でも、何を書いていいかさっぱりわからないのだ。
この苦行を乗り越えるために、とりあえず書いてみる。
「図書館の利用者カードを作る」
やりたいことのスケールが小さすぎる。我ながら悲しい。
何の制約もないと言われているのに、どうしてこんなに思いつかないのだろうか。
それでも、なんとか20個書ききる。「どんなに小さくてもいいから頑張って書く」と心に決め、やりきる。そうして、書き上がったものを俯瞰してみると、自分の小ささに悲しくなりつつも、そんな中で自分が何に興味があるのか新しい発見がある。
 
1ヶ月後、また別の本で似たようなワークに出会う。「うわ苦手なやつ来た!」と感じつつも、また鉛筆を持って紙に向かう。すると、先月の自分とは少し違う自分がいることに気がつく。「あれ?意外と自由に書けるな……。ちょっと楽しいかも」
やりたいことを自由に書くことの、本来の楽しさに気づいた。1ヶ月前は「どうせ自分にはできない」「こんな大それたことを書くのはおこがましい」と、誰に見せる紙でもないのに、もやもやしていたのが、「別に書くだけならタダでしょ」という気持ちに変わっていたのだ。
 
そして、最近、コーチングの勉強を始めた時に、また同じワークにぶち当たった。相変わらず「うわ、苦手なやつ来た!」という感覚を持ったのだけど、いざ、鉛筆を持って紙に向かって思い切って手を動かすと、途方もない大きなことをつらつらと書き出すことができたのだ。これは、コーチングの師に見せるためのもの。でも、恥ずかしいとも思わず、ポンポンとやりたいことを書き出すことができたのだ。
 
どうやら、自分のやりたいことについて考えることは、柔軟体操を重ねると股割りして前屈できる角度がどんどん深まっていくように、何度もやればやるほど柔軟に自由に発想ができるようになるようだ。
最初は痛みが出るかもしれない。でも、勇気を出して筋肉を伸ばしてみると「痛気持ちいい」角度がわかってくる。痛気持ちいい負荷をかけ続けると、いつの間にかできなかったことができるようになっていく。
同じようにやりたいことを見つけたいと思ったら、自分で自分を諦めずに、まずは、勇気を持って鉛筆を動かすことが大事。「痛気持ちいい」産みの苦しみを楽しめるように、必ずなる。同じように悩んでいる人には、自分で自分を諦めずに、最初の一文字を書き出してみて欲しい。遠くない未来に、絶対に痛気持ちいい感覚をわかってもらえると思う。
 
 
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2018-02-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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