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記事:ゆら(ライティング・ゼミ ライトコース)
 
ダイエット。多くの人が抱える悩み。そしてダイエットしたいと考えている人の多くが、世の中うまい話はないと思いながらも「できる限り簡単な方法で、効果を出したい」と考えていることだろう。
 
2年ほど前、とある広告を見つけた私はすぐにそのダイエット方法に飛びついた。
 
ファスティングダイエット。
 
要するに、断食である。数日間何も食べない代わりに酵素ドリンクなどで栄養源を摂取する。そして、ファスティングと同じ日数をかけて重湯やお粥などの胃に優しいものから身体を慣れさせて、ようやく通常の食事を摂ることができる。
全く食べないわけではないし、酵素ってなんかちょっと身体に良さそうな気がする。しかも、ファスティングをやることで身体がリセットされて、ダイエット以外にも身体の調子が整うだのなんだの口コミを見てしまうと、試さずにはいられなかった。
「試しに頼んでみて、無理だったら辞めればいいか」と安易にも酵素ドリンクの定期コースを注文した。
 
数日後、酵素ドリンクが届いた。
早速、3日間かけて断食を開始した。酵素ドリンクは確かに飲みやすい味付けになっていて、水や炭酸水や牛乳など好きに割って飲むことができる。食事をしない代わりにそれを飲み、あとはひたすら水などを摂取することになっている。それを3日間繰り返せばいい。ただ、それだけ。運動もせず、3日で5キロも夢ではない。そんなの最高じゃん。
 
正直に言おう。そんなうまい話あるわけない。
 
一般的に、人間は1日に大体3回食事を行い、栄養を摂取する。いくら酵素ドリンクに栄養が詰まっていたとしても、絶対的な摂取量は足りていないはずだ。平気でお腹は空くし、エネルギーを摂取していないので身体はどんどん冷える。頭もあんまり働かず、むしろ私の場合は頭痛がひどくてまっすぐ立つのもやっとだった。色々調べてみると、そういったファスティング期間中の不調は「好転反応」とされ、効果が出ている証拠、と書かれていたが、そんな事はもはやどうでもいい。体重計に乗るたびに少しずつ体重が減っていったが、カロリーの摂取量と消費量が見合っていないのだから当たり前なのだ。
そして酵素ドリンク。初めは美味しいと感じていたのにもかかわらず、2日目にはすでに飽きていて、むしろ少し甘めの味付けが気持ち悪くなって徐々に飲むのも一苦労だった。
 
そんなこんなで私のファスティングは失敗に終わった。
きっと正しい方法で専門家の指導のもと行っていれば、口コミなどにもあるように身体がリセットされてついでに体重も落ちて良かったのかもしれないが、正直あんなひもじい思いは二度としたくない。
 
ジムに通おうと思った時期もあった。
 
最近流行りの24時間いつでも通えるジムだ。自宅付近に新設され、思ったよりも安く通えたので通うことにした。これから運動するぞ、と意気込んで早速かわいいウエアと運動がしやすいシューズを買った。
初回はインストラクターさんに各器具の使用方法を教えてもらいながら、最後に数十分ランニングマシーンで汗を流した。そして1日空けて、またジムへ。
なんとなく筋トレ器具は使いづらくて、またもランニングマシーンに乗った。今日は前回よりもペースを早めてみよう。好きな音楽も流せるので、時間はあっという間に過ぎていく。
だが、結局私がジム通いで習得できたものは何もなかった。そもそも、今まで運動もろくにしてこなかった人がいきなりジムに行ったって、器具の使い方もろくにわからずにランニングマシーンに乗る日々を送ることになるのだ。それなら近くの公園などを走る方が経済的だし、ジムは必要ないんじゃないかと思うようになり、たった2ヶ月ほどでジムを解約した。
 
大人になるとどんどん痩せにくくなるっていうし、本当になんとかしないとなあと思っていた矢先、たまたま友人が私の家に泊まりに来た。友人が風呂から上がると、おもむろに運動を始めた。
 
「寝る前にストレッチしないとねれないんだよねえ。でも身体がほぐれるし、気持ちいいよ」
 
と、友人は来客用の布団の上で熱心に開脚したり、前屈したり、腕立て伏せしたり。思えば彼女はすごくスタイルがいい。余計な肉がどこにもない。
 
なんだか不意に、学生時代、試験前に一夜漬けで勉強をしていた自分が蘇ってきた。試験が終わるまでの間はなんとかなるが、試験が終わった途端必死こいて覚えた公式もなにもかも忘れ去ってしまうので、なんの身にもならないことを繰り返していた。そして、テスト返却のたびに、何もやってないよという同級生が私よりも高い点数なのを見て「絶対裏で勉強しているんだ」と思っていた。
 
だけど、それって本当に特別な勉強はしていなかったんだなと気づいた。
試験前に焦って勉強しない人も、睡眠前にストレッチをするのが日課な友人も、普段から日課として取り入れているので特別なことをしなくても効果が現れているのだ。私は方法がどうであれ、続けることができなかったから効果も成績も今一つだったわけだ。一夜漬け人生はやめよう、と運動する友人を眺めて決意した私は、友人にストレッチの方法を聞いた。
 
昔から身体は硬い方だったが、毎日風呂上がりにストレッチをしていると最近は身体が柔らかくなった実感がある。肩凝りもずっとひどかったのに、頭痛がするほどの肩凝りもなくなった。実際のダイエット効果はゆるやかなものだが、最近はむしろストレッチをせずに寝るのに違和感を感じるぐらい習慣化している。
 
何事も続けることが大事。ことダイエットにおいては、簡単な道はなし。
だけど習慣化してしまえば、大した苦ではなくなるからある意味「楽」な道なのかもしれない。
 
「みんなやることはやってんだよなあ」
 
と、学生時代の自分に言ってやりたい。
 
***

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2018-03-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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