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メディアグランプリ

書きたいと思って始めたはずなのに、もう書きたいことがないなんて。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:櫻井由美子(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
書く訓練を始めてから約1か月が経つ。
「なにを書こう?」と考えながら今日もパソコンに向かう。
 
1か月前のわたしは、「自分の頭の中には伝えたいことが山ほどある。それなのにその伝えたいことを文章にして言語化する力がない。だからライティング・ゼミで書く訓練をして文章力をつけて頭の中に山ほどある伝えたいことを言葉にしたい。するんだ!」と意気込んでいた。
 
ところがどうだろう。1か月経った今、わたしにはすでに書きたいことがない。思いつかない。あれからまだたった1か月しか経っていないのに。
 
断片的なエピソードや「これ書いてみたいな」と思うような場面はなんとなく頭の中にある。でもあらたまって、2000字も費やして、そのうえ自分以外の誰かに読んで頂くほどの「伝えたいこと」なんて全然ないような気がする。
 
たったひと月前にあんなに意気込んでいた自分はいったいなんだったんだろう?
「伝えたいのに言葉に出来ていない思いがわたしにはたくさんあります。だからライティング・ゼミがんばります!」などとFacebook上で大々的に宣言してしまった自分が恥ずかしい。
 
ライティング・ゼミでは毎週月曜までに課題を提出する。1週目、子どもとの日常でふと感じたことを文章にしてみる。2週目、専業主婦になりたての頃のとまどいをテーマに書いてみた。3週目、家の中でつい押しつけてしまう自分の常識について綴る。さて、4週目。何を書こう。書きたいこと、書きたいこと、書きたいこと……。
 
わたしには、もともと書きたいことや伝えたいことなんて無かったのか? たった2000字×3本の記事程度しかわたしの中には伝えたいことが無かったんだろうか。そう思うと悲しい。悲しすぎる。
 
悲しいなー。情けないなー。まだゼミはあと3か月くらい残ってるんだよなー。それってつまりあと10回以上は課題を提出するってことだよなー。どうするんだろうわたし。
 
そんなことを考えていたら、ふと週末に出かけた旅行のときのある場面を思い出した。
 
北海道から、羽田で飛行機を乗り継いで広島へ行った。どんな格好で行こうかなと思い、行く前に現地の天気予報を調べたところ、週末の広島はかなり暖かそう。3月初旬の北海道はまだまだ雪が積もっていて靴もふだんはスノーブーツを履いているのだけれど、その靴で行ったらぜったいに蒸れる。そう思って替えのスニーカーを荷物の中にしのばせた。自宅から空港まではスノーブーツで行って、飛行機に乗る前に空港でスニーカーに履き替えてから荷物を預ければ、機内でも快適にすごせる。よし、それでいこう。
 
当日、空港に着き航空会社のカウンターで荷物を預け、少し遅い昼食をとるためにレストランに入り席に座った。そこで自分の足元を見る。……ブーツだ。あんなに事前にイメージトレーニングまでして空港で荷物を預ける前に靴を履き替えようと思っていたのに、せっかくスニーカーを持ってきたのに、すっかり忘れて荷物を預けてしまった。
 
旅行中に限らず、そもそもわたしは忘れっぽい人間だ。
夕飯のあと食洗機をスタートさせて、そうしたら見たいテレビ番組があったことを思い出しテレビを付ける。テレビの音が聞こえなくて食洗機を一旦停止して、テレビを見ているうちに食洗機のことをすっかり忘れる。翌朝に途中で止まったままの食洗機をみた夫から「これどういう状態?」ときかれてやっと思い出したりする。
鍋を火にかけて出汁をとっている間にちょっと掃除機をかけようとして掃除機をかけはじめたら、鍋のことをすっかり忘れて空だきしてしまう。洗濯機はまわしたまままわしたことを忘れ、落し物もあんまり多いから、席を立つときには必ず一度後ろを振り返ることにしている。
 
そうだ。そういえばわたしは忘れっぽい人間だった。自分が忘れっぽい人間だってことすら忘れてしまうほどに忘れっぽい。
 
そこまで考えて、はたと思考が止まった。
 
あれ?
もしかしたら、忘れているだけかもしれなくない?
 
そう。無い無いと騒いでいた「文章にして伝えたいこと」「書きたいこと」。それだって、もしかしたらちゃんとあるのに忘れているだけかもしれない。荷物の中から出し忘れた履き替え用のあのスニーカーのように、一旦停止したことを忘れた食洗機のように。火にかけたことを忘れた鍋や、今までにしたいくつもの落し物のように。ただわたしが忘れているだけでちゃんと頭の中にあるのかもしれない。だってわたしはこんなに忘れっぽい人間なんだから、伝えたいことや書きたいことだって忘れないわけがない。そうだそうだ。無いと思いこんでいるだけできっとまだまだ書きたいことはあるはずだ。
 
自分を励ましながら、今日もパソコンに向かう。「おーい。隠れてないで出てこーい。そこにいるのは分かってるんだぞー」と、頭の中にあるはずの「伝えたいこと」「書きたいこと」を探しまわりながら、これからも書いてみようと思う。
 
 
***

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2018-03-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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