男性よ、ブーケを抱け 〜元・花屋男子のギフトのススメ〜
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記事:大久保忠尚(ライティング・ゼミ 平日コース)
男性の皆さんに聞きたい。
女性に花を贈ったことがあるだろうか。
また、女性の皆さんにも聞きたい。
男性から花を贈られたことがあるだろうか。
僕の周りでは、男女ともに「ない」と答える人が多い。男性から女性への花のプレゼントというと、プロポーズのようなココ一番のシーンを想像する人が多いようだ。また「花は枯れるから」とか「どうせなら形に残るものが良い」と返す男性が多い。
しかし、僕は思う。
花の贈り物ほど、女性の心に触れるプレゼントはないのではないか、と。
なぜここまで花をオススメするかというと、僕は学生時代の二年間、花屋でアルバイトをしていた。花屋では男性が珍しく、また学生はさらに珍しかった。ゆえに周りは年上の女性ばかりだったが、さしてイケメンでもない僕は年上の女性達に花屋を訪れる男性の良し悪しをこれでもかと聞かされ、少しでもイケメン風になれるよう、花と男性の関係性をこれでもかと教育された。
そして僕は気付いた。
普通の男でも花をうまく扱えばとても素敵に見えてしまうこと。また一方でイケメンも花の扱いを間違えると評価が下がってしまうことに。
もうすぐホワイトデー。また三月は送別のシーズンでもある。今までなかなか距離を縮められなかった人と食事に行ったり、ギフトを贈る人も少なくないのではないだろうか。そんな時に素敵に花を贈れる男性が増えると良いなと思いながら、いくつか花を贈る魅力を紹介したい。
まず初めに聞いたが、花を贈ったことのある男性も、花を贈られたことのある女性も少ない環境がほとんどである。つまり、女性にとっては男性から花を贈られるだけで非日常的なことであり、印象に残りやすい。この時点で、スイーツや雑貨を贈るよりもインパクトとしては残るのである。
そして、花を贈ることのメリットは好みの幅が広いということである。仮にスイーツや雑貨を送ろうとした際、相手の好みや流行を気にしながらギフトを選ぶことになると思うが、万一相手の女性が既に食べたことのあるスイーツであれば興味の度合いは初体験よりも低くなるだろう。また雑貨に関しては、モノとして残るためよほど好みでない場合は邪魔になってしまう。
一方で花の場合は、女性であれば嫌いな人はほとんどいないのではないだろうか。また花は季節ごとに変わるため、全く同じプレゼントということがほぼあり得ない。一年中売られている花もあるが、花には旬があり、春夏秋冬それぞれに合った花が店頭には並んでいる。相手に対して、初めてでも何回贈っても、その時だけのプレゼントになるというのも花の魅力である。
しかし、よく聞くのが「枯れてしまうから思い出に残らないではないか」という主張である。
これはむしろ「枯れるから良い」のだ。
花を贈られた女性は、まず受け取った時に驚きや嬉しさを感じる。そして家に帰ってから花瓶へと移す際に、綺麗や可愛いと思いながら飾るだろう。このとき既に、花は二回も女性の心を動かしている。その後も水を変える時に触れたり、種類によっては渡した時に蕾だった花が咲く場合もあるだろう。そうすると一つの花束は何度も女性の心を動かすのだ。
そして最後に花は名残惜しさとともに枯れてしまう。しかし、その感情は決して寂しいものではなく、花束を贈られた時の驚きとこれまでの華やかさによる明るい思い出であるはずだ。
つまり、花はその季節を舞台にした一冊の小説のようなものであり、花に触れることはプレゼントされた時のことをその都度思い出す、思い出のしおりのようなものなのでもある。
また男性が花を贈る時はぜひ仕事の後であることをオススメしたい。それは自然とスーツを着ていることが多いからである。もし可能であれば、黒か濃紺のジャケットがオススメだ。
なぜ黒か濃紺かというと、それは花の色が映えるからである。花屋の店員も花の色が分かりやすいように白や黒の制服を着ている店は多い。花の色が綺麗に見えれば、それを持つ男性もきっと素敵に見えるはずだろう。
さて、ここまで説明すれば花を贈ることに前向きになった男性も少なからずいるだろう。しかし、ただ単に贈れば良いわけではない。男性が陥りがちな失敗には注意をして欲しい。
その一つが「花言葉」である。
実際に働いていて思ったが、花言葉は女性よりも男性が意識をしていることが多い。よほど花を贈ることに思いを込めているのかもしれないが、花の見た目や色は気にせず、花言葉から花を選ぶ男性は少なくなかった。しかし一緒に働いていた女性達も言っていたが、花言葉を解説されながら渡される花束ほどつまらないものは無い、ということだ。また掲載される本によって、花言葉の意味合いが微妙に異なる場合もある。
それよりも、相手の女性のことを考えながら、一本でも良いので色味や形が似合いそうな花を選んだ方が、喜ぶはずである。
また、もう一つ男性が陥りがちなのが、とにかく目立つ大きな花束を贈ろうとすることである。
考えてもみて欲しい。女性のバッグが小さいことを。仕事帰りに急に大きな花束を渡されても、嬉しいかもしれないが、少し邪魔だと思ってしまうかもしれない。
花を贈ることは、気持ちなのだ。
千五百円程の花束でも十分綺麗でボリュームのあるものは用意できる。
男性が一人で花屋を訪れることは恥ずかしいだろう。しかし、恥ずかしがりながらも相手のことを思い、普段は手にしないピンクやオレンジの花束を手にレジに並んでいる姿を、きっと受け取った女性は想像するのだ。その姿はいくらスーツで決めていても可愛いと思ってしまうだろう。
春は色鮮やかな花が溢れる季節。
チューリップにスイートピー、ラナンキュラスやバラなど、きっと相手に似合う花があるはずだ。
花束が二人にとって思い出のしおりの一つになるように。
男性よ、ブーケを抱け。
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