メディアグランプリ

意固地な殻を取り除け!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:藤田功(ライティング・ゼミ 特講)

 
 
先日、あるスピーチの練習会で、「藤田さんのスピーチを聞いていても、話している言葉が文字として頭に浮かぶだけで、心が動かされるものがありません」とアドバイザーに強烈な一撃をぶちかまされた。
私のスピーチは淡々とし過ぎて、説明を聞いているだけにしか感じない。つまり、つまらないスピーチだそうだ。
 
これは、あるスピーチコンテストの2次予選に向けた練習会での一コマ。
私は全国規模のスピーチクラブに加入していて、スピーチ、プレゼン、セミナーが上手く出来るようになるために練習を重ねている。そのスピーチクラブでは年に二回全国大会があり、1次予選、2次予選、そして3次予選を勝ち抜くことで漸く全国大会に出場することができる。私は今回初めて予選に参加したが、なんとか1次予選を通ったので、有志が2次予選に向けての練習会を開催してくれた。そして、その場で強烈にぶちかまされてしまった。
 
ここまでストレートにぶちかまされるとムカつくという感情が沸いてくるはずだが、素直にそのアドバイスを受け入れることができた。その後も、「想像してくださいなんて言う必要ない。そんなこと言われなくても勝手に想像する」、「説明がだらだら長くて、うざい」、「自分の体験のように聞こえない。もっとストレートに」と散々だったが、ムカつかない。私は特に気が長い方でもない。それでも、ムカつかない。
 
ムカつかなかった理由は、自分でも、自分のスピーチやプレゼンは淡々としていることが分かっていたからだ。実は計算づくで、私は淡々としたスピーチ、プレゼンをしようとしていた。淡々と話すことで、聞いてくれる人に私に対する信頼感を持ってもらおうという考えがあったからだ。私の仕事は税理士なので、税理士として信頼感のあるスピーカーになることを目指していたのだ。
 
そして、私は信頼感のあるスピーカーになるために、池上彰さんを理想としていた。池上彰さんのように淡々と話せば、信頼感を得ることができると考えていた。でも、残念ながら、私の想定通りに、スピーチ、プレゼンを聞いてくれた人から信頼感を得ることができなかった。
しかし、最近になって、なぜ私は信頼感を得ることができなかったかという理由が分かってきた。それは、「スピーチの内容」と「淡々とした話し方」がマッチしていなかったからだ。池上彰さんはスピーチ、プレゼンの内容と淡々とした話し方がマッチしている。なので、信頼感を得ることができている。私はどのような内容でも、いつでも淡々と話そうとしていた。それでは、ミスマッチとなり、逆に信頼感を失っているということに気付いた。
 
では、いつ、そのことに気付いたのか?
実は明確に気付いたタイミングというのはない。何度も何度もスピーチ、プレゼン、セミナーを繰り返すことで少しずつ気付いていくことができた。本当に少しずつ気付いてきた。でも、気付いていても、「こうあるべきだ」、「こうなりたい」という気持ちの方が強く、その気付きを隠そうとしていたのだと思う。気付いていても、修正しようとしていなかったのだと思う。何度も何度も繰り返したからこそ、その繰り返しに使った時間を無駄にしたくないと考え、気付きを隠し、修正しようとしなかったのだと思う。
ストレートに言うと、一度決めたことに意固地に拘ってしまっていたということだ。一方、早くどこかで意固地な殻を取り除きたいという気持ちも持っていた。
 
そして、その意固地な殻を取り除いてくれたのがストレートな指摘だ。意固地になっていた私が、ストレートに指摘されることで漸くスッキリとすることができた。だからと言って、ストレートな指摘をしたのが誰であっても良かったとは思わない。実は、そのストレートな指摘をしてくれた人は私が憧れていたスピーカーだったからだ。もちろん、その人は池上彰さんではないが(笑)
 
その人からのストレートな指摘だからこそ、私に響いたのだと思う。もしも、他の人からストレートな指摘をされていたら、もっと意固地な殻に閉じこもっていたと思う。その人は、そのような意固地な私に気付いていたのかもしれない。あるいは、そんなに深く考えないで、その場で感じたことをストレートに指摘されたのかもしれない。でも、それはどちらでも構わないから。スッキリした気持ちになれたことに素直に感謝したい。
 
この文章をその人が読んだらどう思うだろうか?
「もっとストレートに表現しろ!」、「語りかけるように!」、「うだうだした文章で、うざい!」とストレートな指摘をされそうな気がする。強烈にぶちかまされるだろう。でも、強烈な一撃を欲しいという気がある。
 
これから、2次予選を通過するための7分スピーチを作り上げていく。残念ながら、その過程ではその人に指摘をしてもらうチャンスはない。
2次予選は3月11日㈰13時スタート。
残り一週間。意固地な殻を破るスピーチを自分で作り上げる!
 
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

http://tenro-in.com/zemi/47691

天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。



2018-03-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事