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メディアグランプリ

そして、ぼくたちは夜の片隅で肩を寄せ合いグラスを傾ける、そんな幸せを噛みしめるのだ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:西部直樹(ライティング・ゼミ特講)

 
 
「いや、あれは、面白かったねえ」
「本当に、あれはのめり込みましたね」
「ほんと、楽しかったです」
「ちょっと泣けた」
「そんなに! わたしはまだだから、これからが楽しみです」
 
ある居酒屋で、変わった集団を目にした。
居酒屋の小上がりで飲んでいたら、隣の席の声が聞こえてきたのだ。
隣の集まりは、年齢も性別もバラバラだった。
会社の上司と部下という感じでもない。
なんかとても楽しげに話をしている。
どのような集まりなのだろうか。
酔った勢いで聞いてみた。
 
この人達は、まあ、自称少数派の集まりだという。
おそらく50人に一人の人達だ。
こういう計算から、だそうだ。
まず、人口の半分は該当しない。これで1/2だ。
半分の中で、さらに半分くらいだ。半分の半分で1/4だ。
さらに、その中で数パーセントというのだから、およそ全体の2%
50人に一人しかいないのだ。
 
そんな50人に一人、学校なら1~2クラスに一人しかいない。
そんな稀な者同士が、居酒屋の片隅で杯を傾けあっているのだ。
 
そこそこに稀な者たちが集まるのか。
また、集う人達に尋ねてみた。
なぜ、ここに来るのですか?
いたって普通の青年は
「いろんな趣味のお友だちができるところ。うーん、なんだか普通ですが」
恰幅のいい男性は
「幅が広がる」
仕事帰りのOL風の女性は
「誰かしら知ってる。説明しなくても分かってもらえるのが楽」
主婦の女性は
「どれだけ好きなのかが表情や、口調や、身振り手振りで伝わって来るのが楽しいからですかね」
初老の男性は
「普段巡り会えない人に出会える!」
眼鏡をかけた女子大生は
「自分とは異なる視点の感想がきける。なにより、楽しい!」
二十代でフリーターという女性は
「で様々な人と会える。共通の話題で盛り上がれる」
などなど。
集うことが楽しいのだ。
気の置けない雰囲気から、楽しさが伝わってくる。
ただ、聞いてみると、このようなところに集う人達には、共通の悩みがあるという。
「お金がかかりますね。安いといえば安いですが、どうしても量がね」
「意外と重いので、床が抜けないか心配です」
「デートの時、気を遣うので、同じような人がいいなって」
 
デートの時に気を遣うって……。
「好きな者同士だと、一緒にいったら楽しいけれど、もし、好きじゃないととても退屈になるし、旅に行ってもつい行ってしまうんですよね」
恋人を作るなら、同好の士ということなのか。
家族を持っている人からは、こんな意見を聞くことができた。
「家族で旅行した時、家族全員好きなんで、楽しかったですね。旅先の街には、その街のがあって、一つ一つ違ったりして」
家族全員で楽しめるのは、それはそれで羨ましい。
 
そもそも、なぜ好きなのだろう。
「楽しいから、非日常だから、新しい目線を得られるから、ときに人生の指針を得られるから」
主婦の方は、それは楽しそうに答えてくれた。
「知らない世界が知りたいという知識欲。現実逃避の手段。趣味兼仕事のため、など」
恰幅の言い方は、いかにも当然というように。
「趣味ですね。多分一生飽きない趣味だからコスパ最強」
ちょっと鼻息も荒くOL風の方は答えてくれた。
「たくさん楽しみたい。あとは新しい知識を得たいから、ですかね」
初老の男性は静かに答えてくれた。
「なんか、ありきたりですが…、 ワクワクドキドキできる!」
と申し訳なさそうに、メガネの女子大生はいってくれた。
「日常にはない世界観やドキドキした気持ち、スリルを味わえるから」
ニッコリと笑って二十代でフリーターという女性は答えた。
いたって普通の青年は
「現実逃避できる。知識、語彙が増やせる。人生や社会のあり方を教えてもらえるからですね」
ということらしい。
 
そういうことなのか、でも、それなら一人でも十分なのに、なぜ、集まろうと思ったのだろう
聞いてみると、一番多かったのが
「周りに同じ趣味の人がいないのです」というのだ。
それはそうだ、50人に一人だから。
そして
「別の視点からの感想が聞けたり、知らないものを知ったりすることができるから」というのだ。
 
孤独な趣味なのか。
でも、一人で完結するはずなのに、それでは物足りなくて、同好の士と語り合いたくなるのだ。
わたしもその仲間に入れてもらうことにした。
そう、わたしも50人に一人の趣味の持ち主なのです。
 
その集まりは、夜が更け始めても続いていた。
「え、その本まだ読んだことないなあ」
「その作者のあっちの本も面白いですよ」と、本談義に花が咲く。
ここは、物語好きが集う「読書会」というものであった。
 
(本や読書会に関する発言は、読書会に参加している方からのアンケート回答を元にしています)
 
 
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2018-04-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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