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朝起きると“あそこ”が痛いのは彼との熱い一夜のせいだった!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:山田徹(ライティング・ゼミ特講)

 
 
「イタッ」
 
朝起きると、あそこに違和感があった、何が原因なのが昨日のできごとを少し振り返って見た。
筋トレもしてない、何かにぶつけてもいない、重い物も引越しの作業で少しだけもった程度だったし、なんだろうか? しばらく考えていた。
 
「あっ」もしかしたら……。
 
彼のせいかもしれない。思い当たることがあった。
昨日の彼にされたことがこの痛みの原因だろうと推測した。
 
昨日は朝から雨が降っていた、昼間はゆっくりできる予定が引越しの手伝いをする
ことになりレンタカーを借りて六本木から四ツ谷まで往復していた。
 
この手伝いでちょっと疲れてしまい、
だいぶ前に決まっていた彼との19時の約束が面倒に感じていた。
 
レンタカーを返し終わると18時を過ぎていたし、雨も大降りになってきた、
これって行かないほうがいいと解釈もできるな〜と都合よく考えてもみた。
 
約束した中野までの移動も気が乗らない、LINEでごめん、行けなくなったと
連絡することも考えたけれど、でも行くって約束で2枚チケット取り置きしてもらってる、
妻も行くことになってるし、行きたくないという気分を抑え、本当に乗り気ではないが行くことにした。
 
気分が乗らないからなのか、電車は乗り間違えて会場にはぎりぎりに到着。
受付けで2枚のチケット代を払う、会場に入ると人気が少なくガラガラ感があった。
 
有名でもないし、まあこんなもんだろうな〜、逆に、ゆったりと座れて私としてはいい。
 
受付けでアンケート用紙をもらったので見てみると16組が出演するらしい、名前を見ても
全く知らない人ばかりだった。
 
たった一人だけ彼を知っているからこの会場にきている。
 
1人が5分だとして20時半ごろに終わるので21時には帰れる!
来たばかりなのに帰ることを考えてしまう自分がいる。
 
帰りたい。疲れた。
 
チケット代も安い、会場にこの少ない人数しかいない、
この状況はどこかで体験したことがある、過去の脳内データから思い出したのが、
20年前に知人に誘われていった演劇だった、知人や身内ばかり呼ぶ、客は少ない、
 
そして面白かったか?
 
という感想を求められる恐怖の質問と時間がある、
アンケート用紙には心にもないことを書く、面白かったです、と……。
そして次の案内も来ることになる。そんなデータが脳にあった。
 
しまった、今回も同じパターンかも。
 
ただ、今回は演劇ではない、ミュージシャンのライブでもない、講演会でもなく、
人生初めての体験をする。お笑い芸人のライブなのだった。
 
まず知らない芸人ばかりで面白いという期待はしていない。
 
はやく終わってはやく家に帰りたい、引越し手伝いで疲れた後なので気分は帰りたいモードだ。
これから出演する人には悪いがアンチだしアウェイだと思った方がいい、帰りたい気持ちは変えるつもりなんてない。
 
冷めきっているから温めるのは無理だろう、悪いけど、疲れてるから寝ちゃうかもよ。
 
そうこう考えているうちに会場が暗くなって、
人生初のお笑い芸人ライブを観る体験が始まったのだった。
 
まずは知人の彼がMCで登場する、それから10分ほど話していた。
帰宅が遅くなるじゃね〜かよ、この後16組も登場するんだよね。
 
帰宅時間を気にするくらいなら、こなければいいのに!
と彼にツッコミをいれられそうだ。
 
それから1組目が始まった、2組目で相方のスキンヘッド頭をバチ〜ンと叩くコンビもいた。
さらに、どんどん出てきた。いつのまにか9組目、さらに、10組目で彼のコンビが登場。
 
いつのまにか帰ることなんて忘れていた。
 
始まる前の気持ちはどこに……。
 
いつのまにか笑わされていた。笑いまくっていた。
 
会場にもいつのまにかお客が増え、もぐら叩きのもぐらのようにあっちこっちで突然の笑い声が
出る、おもしろいと笑うツボやタイミングがお客によって全然違う。隣の妻も自分とは
笑うタイミングはちがっていた。
 
彼のネタはモロにツボにはまってしまった。大爆笑だ。
ふだんの彼を知っているから余計におかしい。
 
喋りも噛んでるし、相方とかみ合ってないし、大声出して誤魔化してるし、
それがおかしくてしょうがない、涙が……、腹が、横隔膜が激しく動き、手を叩き、無心になって、爆笑している自分がいた。
 
完全なるアウェイで帰宅を気にして、冷めた目で会場に座ったのに、やられた、引き込まれた、
 
「すまない、ごめんなさい!」
 
大昔の過去の脳内データから思い出した、
お付き合いで観た演劇と同等のものだと決めつけてしまったことを謝る。
 
そして、ありがとう。過去のデータは過去であって今もそうだとは限らないと
いうことを学べた。
 
ライブは会場の撤収ギリギリまで続いた。あっと言う前に2時間以上が経過する。
 
何年ぶりだろうか? こんなに笑ったのは、
正確には笑ってはいるが久しぶりの大爆笑だった。
 
今日の朝のあそこの違和感と痛みは、笑すぎでおきたものだと推測した。
あそことは腹筋のあたりだった。
 
心地よい痛みだった。
 
有名人や高いチケットじゃないとおもしろくないのではないか、
そんな自分の思い込みは今回のお笑い芸人ライブで見事にブチ壊された。
 
大爆笑させてくれた、彼に感謝したい。
 
横隔膜が激しく上下するくらいに笑ったから、また見に行って応援もしようともも思う、
会場の席にまだ余裕があったので、次回はもっと仲間を連れて行くつもりだ。
 
 
***

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2018-04-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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