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メディアグランプリ

写真という鏡の世界でみたもの


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:菊地功祐(ライティング・ゼミ特講)

 
 
「君の写真を使わせてくれないか?」
ある日、突然フェイスブックのメッセージにこんな通知が来た。
 
そのメッセージを飛ばしてくれた方は天狼院の常連さんで普段からお世話になっている方だ。
ハリウッド映画が大好きで、いつも映画ラボに参加させて頂いた際は、古今東西の映画について教えてくれる。
 
人生の大先輩だが、年齢のことなど忘れるくらい好奇心が豊富で、ライティングゼミプロフェッショナルでも毎回投稿し、パワフルで温かい記事を投稿している。
 
そんないつも大変お世話になっている方からある日突然、メッセージが飛ばされてきたのだ。
 
「君の写真をライティングの記事の写真に使わせてくれないか?」
ライティングゼミに通ったことがある方なら知っているとは思うが、毎週2000字の記事を投稿する際に、毎回記事の内容をイメージした写真データを添付することになっている。
 
その記事に載せるための写真に、私が撮った写真を使いたいのだそうだ。
「君の写真を見て、いまインスペレーションが湧いた。忘れる前に写真データを送ってください!」
と切実なメッセージがきたので、私は大急ぎで写真データを送ることにした。
 
私が送った写真は家の近所で夕暮れ時に撮った一枚の写真である。
自分では特に意識しているわけではないが、モノクロで写真を取ることが好きで、会社の通勤時間や休日の際には街の中をブラブラしながら影の写真をよく撮ったりしている。
 
気まぐれで、しかもスマホでパッと撮った写真である。
 
正直言って、こんな写真のどこがいいのだろうかと思ってしまった。
 
天狼院には自分より写真が上手い人がゴロゴロいる。
店主の三浦さんは「プロカメラマンになる」と1年くらい前に宣言して、あっという間にプロカメラマンになってしまったし、日常をきれいに撮る茜先生もいるし、その人史上で最もパーフェクトな写真を撮るという榊先生だっている。
 
プロの中のプロカメラマンがたくさんいるし、フォト部には
「もうこんなんプロじゃん!」と思うほど、すごい写真を撮る人がたくさんいる。
 
そんな凄いカメラマンがわんさか集まってくるのに、なんで私の写真を使いたいというのだろうか?
 
スマホでパッと気まぐれに撮った写真だったので、私は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
もっときれいに写真を撮れる人のほうがいいのではないか?
と思っていた。
 
数日後、その方から再びメッセージが飛んできた。
「君の写真にインスピレーションを受けた記事が掲載になったよ」
 
仕事帰りの満員電車の中で、その記事を読んでみた。
本当に驚いた。
 
人生の晩年を迎え、陽の光が当たる時間も短くなってきたが、若いときの気持ちと変わらず前を向いて精進していこうとするその人自身の気迫が伺える熱い記事だった。
自分の撮った写真からこんな素敵なコンテンツが生まれるなんて……
 
本当に驚いてしまった。
 
こないだ天狼院花見大会でお会いした際に、お礼を言うことにした。
「自分の写真を使っていただいて、ありがとうございます」
 
少しの間、お互いに好きな50年代の映画や尊敬してやまない黒澤明監督の映画を語り合った。
 
なんか不思議な感覚だった。
写真を通じて、文章を通じて、どこかの誰かと繋がっていく感覚。
 
もともと私は人と話すので心底苦手だった。
正直言って、今での人前に立つのは怖い。
 
会社の上司に見せる顔、天狼院を通じて知り合った方の前に見せる顔。
それもきっと違っているのかもしれない。
 
人前に立つとどうしても壁を作ってしまう性格からか、いつも自分の殻に閉じこもって、自分だけの世界に逃げていた。
 
正直言うと、カメラを始めたのはそんな自分が嫌で嫌で仕方がなかったからだ。
人と話していても壁を作ってしまう性格、自分の思いをうまく言葉にできずに、いつも自分の中の殻に閉じこもり、映画ばかり見ていた。
 
「カメラを始めると、コミュニケーション能力があがるんですよ」
そう目をキラキラさせながら教えてくれたのは天狼院店主の三浦さんだった。
 
プロのライターとしても活躍して、「今年中にプロカメラマンになる」と宣言してカメラマンにもなってしまった三浦さんは本当にパワフルだ。
 
常に行動して、ポジティブな気を発している人に人は集まってくるんだなと三浦さんを前にするといつもそう感じてしまう。
 
構図とか関係なく、その人にあったとき、自分がどう感じたのか?
相手とのコミュニケーションって否が応でも写真に現れてくるのだろうと思う。
 
写真を初めて8ヶ月くらいになるが、まだまだアマチュアでしかないけど、
ちょっとずつ写真の面白さと奥深さがわかってきた気がする。
 
写真は毎朝見る洗面台の鏡に見ている。
 
自分が相手をどう見ているのか?
自分が社会をどう見ているのか?
 
そんなことが自然と滲み出てくるのだ。
 
自分が切り取っていた社会の風景の一端がどこかの誰かの心に少しでも触れたという事実が本当に感激だった。
 
自分の写真を使っていただいた方に会ったときは、もう一度感謝の気持ちを伝えようと思う。
そして、もっと自分という写真に向き合って行きたいと思ってしまった。
まだまだ伝えたい気持ちがいっぱいあるのだ。
 
 
***

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2018-04-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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