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シロガネーゼからの解放 


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:柳澤由香(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
私はいま、心から幸せである……!
 
13年間過ごした、港区での主婦生活を捨て、1年8ヶ月の長期に及ぶ調停・裁判の末、双子の女の子の親権を得て離婚。15年間の結婚生活を終えました。港区に購入したマンションは、元夫が所有し、現在は実家のある長野県に移住し、両親とこども達と共に暮らしています。
 
社会人になると同時に、22歳で結婚し、私たちの新婚生活は港区白金で始まりました。新婚生活3年間は、絵に描いたような、とても幸せな毎日。2歳年上の元夫は、当時フリーランスのウェブデザイナーで、休みも自由に取得でき、高収入。自分自身も仕事をしていた為、お互いが好きなものを買い、好きなものを食べ、毎年海外の高級ホテルに行くような生活。何の不安もなく、毎日幸せで、誰にも干渉されない、自由な暮らし。そんな幸せがいつまで続くのだろう……リスクも考えない、人を疑わない、世間知らずの女の子。それが当時の私でした。
 
白金に住んでからというもの、なにかと「白金」という言葉(ブランド)がついてまわります。職場の同僚、友人、住所を知っている人たちには、勝手に「セレブ」というイメージを持たれてしまう。そんな周囲への期待に応えるように、いつのまにか自分たちは、そのイメージに追いつくように「優雅なDINKS」の生活をするようになっていました。夜はだいたい外食、終電があっても、タクシーで自宅まで帰る。そんな生活が続いたのも、子どもを妊娠・出産するまで。妊娠が発覚する約半年前に、港区三田にマンションを購入し、隣町の白金から引っ越しをしました。マンションを購入する数年前に、元夫はフリーランスから某広告製作会社の役員になりましたが、収入は半減……。マンションを購入する際には、「私も働いて、お金を返していかなきゃ!」なんて思っていたのに、引っ越しをしてすぐに、妊娠が発覚。結婚生活7年の間には色々あったけれど、ようやく妊娠できた喜びはひとしお。でも、そのあとにやってくる大波乱のことなど、その時は全く予想していませんでした。
 
双子を妊娠・出産してからは、元夫の接待や飲み会は更に増え、深夜帰宅・朝帰りは頻繁に。週末は仕事仲間や友人との飲み会やキャンプ、3日間のフジロック……。「もっと家族との時間を作って欲しい」「どこかに子どもたちを連れて行ってあげたい」と、いつも訴えていましたが、状況は変わりませんでした。
 
「やりたい仕事をしなよ!」と言っていた元夫でしたが、出産後は、「子ども達を保育園に預けるなんてかわいそう」と、変貌。就職活動を始めて、某大手リゾート会社で正社員として内定をもらうと、「家事も育児もやって、本当に働けるの?」と元夫。元夫の両親からも、「子ども達が大きくなってから、いつでも働けるわよ。パートじゃダメなの?」と、3人に説得され、泣く泣く内定を辞退することに。仕事に対する理解を得られなかったことだけでなく、私に対する信頼や尊敬を感じることが出来ず、心は満たされず、いつも空虚でした。そんな中、パートタイムだけれど、魅力的な仕事を発見。エントリーしたところ、約400件の応募の中で、採用人数10人の1人として内定。そこで働きながら、「家事や育児の両立ができる働き方」を模索していくことにしました。社会復帰をしたことで、視野も広くなり、また多くの先輩方の助けもあり、最終的には、会社を設立することになりました。
 
会社設立から、半年後に長野に住まいを移すことになり、暫くは東京と長野とのデュアルライフ。長野へ移住をしてからは、子育てだけでなく、離婚調停、事業……様々な不安や悩みがありました。家族の多大なる協力、支えてくれる友人たちや仕事仲間のおかげで、なんとか大きな山を、ひとつ乗り越えることが出来ました。いままでの過程の中で、自分がいかに孤独だったのか、家族で食卓を囲む大切さや温かさを感じ、本当に大事なことを思い出しました。お金や家、ステータス、それを全て手放した時に訪れた、本当の自由と幸せ。港区に住んでいた頃には体験出来なかった、山や川での自然体験、新鮮で美味しい野菜や果物。夏にはプールや海、夏祭り、花火。冬にはスケートやそりなどのウインタースポーツやイベント。温泉にも年中入り放題だし、生活コストも東京に比べてリーズナブル。子どもの頃に自分が体験してきた様々なことを、自分の子ども達にも、体験させることができる喜び。子どもの頃には当たり前だと思っていたことが、両親をはじめ大人たちの努力や愛によって、体験出来ていたのだと、感謝でいっぱいです。
 
会社は東京にあるため、月に一度は東京滞在をしていますが、滞在頻度や期間も減らす工夫をして、家族との時間を大切にするように心がけています。全てを手放した時に気づいた、もうひとつの大事なこと、それは“自立”です。精神的・経済的自立の両方が揃って、初めて“自由”となるのだと、感じています。
 
“ブランド”は強烈な魅力があります。でも、見栄や不必要なプライドを捨てた時に、手に入れられるものもあると知りました。シロガネーゼでいた頃が幸せかというと、今の方が断然幸せだと言えます。なぜなら、外からの評価や価値ではなく、自分自身の“幸せ”や“大事なもの”を分かっているからです。
“家族が幸せであること”それが、私にとって、なによりもの宝物です。

 
 
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2018-04-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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