仲良き事は本当に幸せか
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記事:駒井美代 (ライテイング・ゼミ日曜コース)
離婚率が高くなっている日本
夫婦仲が良い人は幸せなのか、少しみてみたい。
叔父夫婦は小学校からの同級生、幼馴染の仲良し夫婦である。
叔父は昔バンドを組んでいて、かっこよかったらしい。
叔母がある人との婚約を破断にして、叔父と結婚したと、従弟から聞いた。
高齢になった今でも毎朝二人で散歩しているラヴラヴ夫婦である。
しかし高齢ゆえに、二人とも耳が遠くなっている。
家に遊びに行くと大きな声で話しているし、テレビの音も大きい。
私も思わず大声になる。
お互い話がかみ合わなくても困ったことは起こらない。
長年連れ添った夫婦の不思議だ。
先頃高齢の叔父に動脈瘤が見つかり入院した。
もちろん叔母は毎日見舞いに行っている。
私がお見舞いに行った時、叔母が病院の廊下で転んだ。
疲れているのかなと私は思った。
その翌日叔母が家で倒れているのを、息子である従弟が見つけ、緊急入院となった。
発見が早く命に別状はなかったが、今二人で入院している。
仲が良い夫婦とは、良い時は良いが、悪いことも一緒である。
しかし従弟は大変だ、仕事を休職して看護している。
さて我が両親の話。
子供も社会人、家のローンも払い終わり、会話の少なくなった普通の老夫婦。
で犬を飼いだし、二人と一匹で散歩を日課にしていた。
父は、「近所から仲が好いと思われる」と照れていた。
会話が無い両親しか知らなかったが、私に小さい時の記憶がないだけで、犬の可愛がり方から、協力して子育てしていたのだなと、娘の私は胸が熱くなった。
お互いわかっているので会話が必要なかっただけだ。
しかし母が、足が痛いとか、物忘れがひどくなるとともに、父の体調も悪くなった。
いま思うと、父は母の無い人生は無かったのだろう。
一方母は、父の仕事が固かったので結婚を決めたと経済優先 と言っていたが
父が亡くなると、「あんな優しいお父さんが死ぬなんて、どうして私を残して逝ったの」と仏壇に話しかけている。
私が寿命だというと、ああまた同じことを繰り返し言っている。
仲が良いということは、壮年は楽しいが、老年になると寂しくなるようだ。
仲良き事は美しき哉と 文豪武者小路実篤も書いている。
しかし仲良い故に会えないときの寂しさは大きい。
死なない人はいない、いつかは別れがやってくる。
かといって、さびしくなるから、人と仲良くならないということはこの世ではさびしい。
さびしいから人と仲良くする。
どちらが先か、矛盾している。
仲良きことと、さびしさは、仲の良い夫婦。
良いこともあれば、悪いこともある。
まるで二つで一つのようだ。
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