「糖尿一歩手前」とまで言われた僕が3ヶ月で10kg落とせた“自転車”メソッドについて語ろう。
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記事:足立明弘(ライティング・ゼミ日曜コース)
2016年3月某日。
僕はある病院の待合室にいた。
知人の医師から教えてもらった、地元では有数の糖尿病専門病院だ。
2時間にも及ぶ血液検査を終え、医師の診察を待っていた。
「足立さん、あなたこのままだと2年もしたら糖尿病ですよ」
医師からのあけすけな宣告にそれほどの驚きはなかった。
なにせ僕の当時の体重は104kg。言い訳のしようがない肥満体だったのだ。肥満児が糖尿病予備群であることくらい今どき子供でも知ってる。
「ですが先生、僕もねこれからあるジムに通って……」
「ああ、どうせ続かないしあまり意味ないから。まずはこれからうちの栄養士の食事指導を受けてください」
さすが数々の肥満体を相手にしてきた歴戦の医師だ。デブのことをよくわかっている。
しかし、彼の発言は半分当たり、半分外れることになる。
僕の肥満歴はすでに10年をゆうに超えている。
19歳で上京し、ラーメン二郎の味を覚え、ビールを美味しく感じ始めた頃から急に太り始めた。時は2003年、大学三年の夏である。
高校の頃は織田裕二に似てるなんて言われてそれなりにチヤホヤされた気もするが、その頃にはすでに「中川家の弟」なんて言われていた。あの中川家礼二。好きだけど。
その頃から、あらゆるダイエット法を試しては失敗し、リバウンドを繰り返していた。リーマンショックを機に実家に帰ってきた時には実の母親から「顔が膨らみすぎて誰かわからなかった」とまで言われる始末。
実家に戻ってからもマラソンに出てみたり、スポーツジムに通ってみたりなどと悪あがきを続けるも我が意に反してふくらみ続ける身体。
「これが最後のダイエット」と思い込んで取り組んだ1年間の糖質制限ダイエット。確かにこれは効いた。1年で約10kgの減量に成功し、一時は体重を90kg以下にまで押し込むことが出来たのだが、何故か痔を患ってしまい入院。
入院中の絶望的な食事の不味さも手伝って更に体重を85kgまで落とせたが、退院後の開放的な気分からか劇的なリバウンドを見せ、見事体重100kg超えの完全な肥満体が出来上がってしまったわけだ。
あれから2年、僕の体重はどうなったか。
……昨日(4/22)の朝の段階で「80.6kg」。
およそマイナス24kgの減量に成功した。そのうちのマイナス10kgは今年に入ってからの成果だ。
驚かれただろうか。僕も驚いた。こんなに短期間に簡単に体重が落ちるとは。何度も跳ね返された90㎏の壁とはなんだったのか。
3ヶ月強でマイナス10kgを成功させた単純な真理。
それが「自転車メソッド」だ。
名前が“自転車”メソッドだからといって、「高級ロードバイクでブイブイ言わせよう」と言いたいわけではない。
皆さんは自転車に乗るとき、大事なことと言えば何を思い浮かべるだろうか?
僕はこう考える。自転車は「バランス」と「こぎ続けること」だと。
どちらを欠いても自転車は前に進まず倒れてしまう。ダイエットに大切なこととは「バランス」とこぎ続ける「継続」なのである。
これまで自分が失敗してきたダイエット法を振り返ってみるとずいぶんと極端なことをしていた。
あるときは毎日おでんだけ食べ、あるときはクロスバイクを毎日20km漕ぎ、あるときは毎日乳酸菌を飲み続けた。
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結果は前に言ったとおりすべて失敗に終わっている。
僕に足りなかったのは「バランス」だったのだ。
つまり「食事制限とトレーニングのバランス」。
僕の場合は「極端な食事制限のみ行ってトレーニングしない」か、「食事制限せずにトレーニングを強化する」というバランスの悪いものだった。
あの医者の言った通り「食事制限をしないトレーニングはあまり意味がない」のである。
具体的な手法を示そう。
食事は朝にプロテイン+食物繊維、昼はご飯を少なめ(いつもの5割から8割)にしてもらった定食、夜は野菜と肉でご飯は食べない。
トレーニングは週に4-6日、1時間-2時間ほどジムで汗を流す。
ちなみに1年半近く食事制限せずトレーニングだけ行った場合はマイナス10kg程度までで体重減が止まってしまった。
……このメニューを見てあなたは「こんなん無理やん」と思ったはずだ。
安心して欲しい。おそらく2年前の僕がこのメニューを見ても「あっこれは無理だな」と思ったと思う。
自転車メソッドにはもう一つ大事なことがある。それが「継続」だ。
自転車に例えれば上のメニューはかなりハイスピードで漕いでいる状態だ。しかし、継続できないバランスでは目的地に到達する前に自転車は倒れてしまうだろう。
自転車メソッドのキモは「継続」できる「バランス」を自分で考えながら目的地に向かっていくことなのである。
ちなみに僕の場合は、夏までに体重をあと5kg落として75kgにするという目標があるので、この様なハイペースになっている。
体重を落とすために通いはじめたキックボクシングジム。そこでキックにすっかりハマってしまった僕は、とうとう75kg級で夏の試合に出る事になったのだ。あの医者の「続かない」という予想は外れたわけだ。
数々のダイエットに敗れてきた僕。最後に待ってるのはリングの上での勝利か、はたまた減量失敗で失格か。僕の体重との戦いはまだ終わらない。
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