メディアグランプリ

優秀なダメンズメーカー


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記事:梅林美小希(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
ダメンズとは、ダメな男。ろくでなしの男である。漫画『だめんず・うぉ~か~』に由来する流行語である。(『実用日本語表現辞典』参照)
 
私はそんなダメンズを増やし続ける、「ダメンズメーカー」、「ダメンズ製造機」とよく言われている。理由は簡単。私は男に尽くしすぎて、その男にとって“都合の良い女”になり、男をつけあがらせてしまうからだ。
 
全ての男性が尽くされたからといってダメンズになるというわけではない。ダメンズにも性質があるのだ。私の経験上では、①感謝をしなくなる、②怒りっぽく短気になる、③自覚がない、この3点が揃うと、一気にダメンズになる可能性を秘めてくると考えている。それも大いに。
 
①のわかりやすい例として、家事問題がある。家事を自分がするようにしていると、恋人にとってそれがだんだんと当たり前になっていき、最初こそ感謝を伝えてくれていたものの、どんどんと感謝が消え失せていくというパターンがある。そして、それを見兼ねて家事をしないようにすると、当たり前だったことをしなくなったため、今まで怒らなかったことに対して怒ってくる。これが②に繋がる。そしてそれらの全てのことに対して、自覚症状がない男性、つまり③が当てはまる男性は、立派なダメンズと呼べるだろう。
 
しかし、これは尽くす側も問題となってくる。尽くす側の自分も男性に対して甘くなっていたり、それだけではなく、やっていない自分が悪いんだと感じるようになる。これは、自己承認欲求を手頃な恋人に満たしてもらおうという心理状態から発する。尽くして「あげる」ことにより、感謝して「もらおう」とするのだ。しかし、次第に今までの量では感謝をもらえなくなる。そして、さらに尽くすことによって感謝を得ようとするのだ。これが負のスパイラルだということにこちらもまた自覚がない。都合の良い女の出来上がりである。
 
ダメンズにも種類があるのだが、大きく分けると、DV男・浮気男・金欠男の3種類に分類できる。私は3種類制覇済みな上に、混合型まで生み出している。3種類が混ざったカオス型まで生み出したこともあるが、何も得るものはなく、ただ私は時間や女性としての価値を浪費しただけに終わった。
 
まるで私は年貢を納めている農民のようではないか。田畑を一生懸命に耕し、農地を広げ、米や野菜の品質を高める努力も惜しまないが、悪徳将軍により育てた農作物は年貢として徴収される。見返りはない。しかしそれに疑問を抱くこともなく、また耕し、農地を広げる。それが自分のものにならないとも知らずに、ただただ働き続ける。将軍からしたら、こんなにも馬鹿で使い勝手の良い駒は他にいないと感じるだろう。他の農民たちは「あいつは馬鹿だ、農地を広げたところでさらに搾取されるだけなのにそんなことにも気づかないなんて」と口々に言うだろう。しかし私の耳には届かない。なぜならばそれが正しいやり方だと信じきっているからだ。
 
おまえは馬鹿だ、早く別れろなどの友人からのアドバイスさえも煩わしくなってくると、いよいよ危ない。その時にはもう私も一種のダメンズならぬ、ダメウーマンとなっているのだ。たまに自分の状況がつらくなった時に友人らに愚痴を吐いては、「尽くすことを控えろ」「なんで別れないんだ」というもっともな言葉を友人らは私に言ってくれるのだが、「彼は悪くない、私が勝手にやっているだけ」「勝手にやったことに対して感謝されないのは当然」と、ダメンズの擁護に入り、心の中では「彼のことを何も知らないくせに!」と叫ぶのだ。悲劇のヒロインぶっているくせに、そこから抜け出そうとはしない。ダメウーマンだとさっきは言ったが、こんなのはただの馬鹿だ。友人らの言うことは何一つ間違っていない。
 
そんなダメンズメーカーから抜け出す道が2つある! 1つは、友人の言葉に心から耳を傾けること。もう1つは、自分の行動に疑問を持つことだ。友人でなくてもいいが、自分と恋人以外の第三者の意見にきちんと耳を貸すことがかなり重要だ。自分とダメンズだけの世界に入っている、一種の共依存状態から抜け出すためには、やはり冷静にその状況を判断してくれる目が必要になってくる。自分の行動に疑問を持つことも、自分を客観視するということなので、自分が第三者となって自分を見つめることとなり効果的である。
 
そして、その状態から抜け出す努力をすべきで、一番手っ取り早くできるのが、物理的な距離を取ることだ。これで私は一旦共依存状態を抜け出すことができた。物理的な距離を取れば依存のしようがない。依存したいと思ってもできないのだから、他のものに依存しようとする。すると、恋人と二人だけだった世界が壊れ、また別の世界が見えてくる。別の世界を見ることで、今までの自分の行いを客観視できることも増え、自分の愚かさに気づくことができる。
 
依存先は恋人だけではない。友人や家族にも依存し、どんどんと依存先を増やすのだ。依存先を増やすことによって、一つ一つの依存の量が減っていく。そうやって、少しずつたくさんの人に依存して、支えてもらうことが自律ということなのではないだろうか。
 
愛情は搾取されるためのものではない。お互いの関係性の向上のためにも、自分を客観的に見てみると、案外自分が少しおかしいということにも気づけるはずだ。少し距離を置いて、お互いに自分や相手を見つめなおす時間をつくってみてはどうだろうか?

 
 
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2018-04-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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