ひそかに不安に思っていた度忘れに効く特効薬があるかもしれない件
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記事:白鳥澄江(ライティング・ゼミ特講)
最近、ときどき不安になることがある。
たとえば先日、とある祝賀パーティーに出席したときのことだ。
「白鳥さんじゃないですか!」
その声に振り向くと、知人がシャンパンを片手にニコニコして立っていた。
つい先日仕事上でかかわりのあった知人だ。ええと……なんて名前だったかな。やばい。名前が出てこない。
「あ、どうも」
おかげで間抜けなご挨拶をしてしまった。こんなときは相手の名前を口にしたほうがいいのはわかっているけど、どうしても思い出せないのだ。
「白鳥さん、先日は本当に助かりました。白鳥さんが仲介に入ってくれたおかげで、例のプロジェクトが無事に動きだしました。近いうちに、あらためて一席設けさせてください」
「ああ、それはよかったですね」
名前が思い出せないことなどおくびにも出さずに、なんとかその場は切り抜けたものの、わたしは心のなかでちいさくため息をついた。55歳を過ぎてから、いわゆる度忘れが多い気がするのだ。こう言っちゃ申しわけないのだが、たまにしか会わない人の名前が思い出せなかったり、書棚に何かを取りに行こうとして、「あれ? 何を取ろうと思ったんだっけ?」と思うことも多々ある。これってまずくないだろうか。このまま認知症になったらどうしよう。そんな不安がふと心の奥をよぎることがあるのだ。
「ああ、それ、わかる」
ランチを食べながらその話をすると、同年代の友人たちは異口同音に深くうなずく。50代という年齢は仕事量も責任も重くなる一方で、体力が低下し始める年齢でもある。おまけに親の介護、子どもの進学や就職などで、プライベートも煩雑さを増してくる。さらに自分自身の度忘れや物忘れの不安がうっすらとチリのように積もっていくんだからたまらない。
「どうにかならないかしらねー」
これが合言葉になっているというのもどうかと思うのだが。
そんなある日、目から鱗の本を見つけた。
樺沢紫苑さんの「絶対にミスをしない人の脳の習慣」という本だった。絶対ミスをしないなんてありえないでしょと思いつつ、ぱらぱらと読み始めた。
「えええ?」
思わず声をあげてしまった。
そこにはわたしがずっと知りたかったことが書いてあった。
もしこれが本当なら、いや、あの樺沢さんが書いたのなら本当かもしれない。
樺沢紫苑さんは現役の精神科医で、精神科医の視点でビジネス本を何冊も出している。じつはわたしは以前樺沢さんが主催したイスラエルツアーに参加したことがある。そのときはそれほどすごい先生だと知らなくて、単純にイスラエル旅行に行きたいという理由で参加したのだが、9日間の旅の中で、たびたび樺沢さんの人柄に触れる機会があった。
樺沢先さんは数年前から毎日欠かさず樺チャンネルという動画をユーチューブで配信していて、イスラエルでも配信をかかさなかった。ベツレヘムでも死海でもだ。イスラエルの中心地にシオンの丘という観光名所があって、ツアーメンバー全員でそこに行ったときのことだ。シオンの丘からはエルサレムの街が見下ろせて、欧米人、中国人、韓国人など世界各国の観光客でごった返していた。その中で、樺沢さんはおもむろに樺チャンネルの動画撮影を始めたのだ。もちろん周りの観光客は興味しんしんで撮影を見ていたが、樺沢さんはいつものペースで読者からの質問に回答していた。樺沢先生のこのスタンスは旅の間中かわらなかった。じつはあのとき仕事と遊びのどちらも大切にしつつ物忘れによる大きなミスもなくス淡々とケジュールをこなす樺沢さんの行動力に密かに感嘆していたのだ。このひとの原動力はどこからくるんだろう? そういえば樺沢さんは旅の途中でこんな主旨のことを言っていた。
「自分は精神科医としてたくさんの鬱の患者さんを診てきた。だから精神科医の視点で本を書くことで、ひとりでも多くのひとが幸せな人生を送る役に立ちたい」
そんな樺沢さんが書いたのがこの本だ。
度忘れは認知症とは直接的に関係がない、脳のオーバーフローが度忘れの原因だと樺沢さんは本の中で断言していた。えええ? 度忘れはたんなる脳のオーバーフローなの? さらにオーバーフローには対策がある? なによりも驚いたのが脳はいくつになっても成長するというひと言だった。
本に書いてあった脳を成長させる方法や、脳のオーバーフローを防ぐ現実的な方法を実践してみたのは言うまでもない。その結果は自分でもびっくりするぐらい集中力が増して、度忘れやうっかりミスが減ったことだ。もうひとつ、脳はきちんと鍛えてあげれば年をとっても成長するという事実は大きい。その方法も本に書いてあった。これは大きな希望だ。そうなのだ。希望。じつはこれがいちばんの収穫かもしれない。
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