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メディアグランプリ

後悔のその先にあるものは


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:幸島佑実(ライティング・ゼミ 平日コース)

 
 
毎週月曜日の23時55分頃、つまりライティング・ゼミの課題提出締切数分前。焦って書いた課題を提出した後、改めて自分の投稿を見返す。
 
 
「あーまた誤字! 脱字!  なんだこの変な言い回し!」
「やっぱ出さなきゃ良かった! この内容もろ恥さらしやん! あああああ」
 
 
書き始めてから投稿するまで、焦りから冷静さを失っている。投稿を終えやっと冷静さを取り戻した後、多くのミスに気がつき、また、投稿の内容にこっぱずかしくなって、ぎゃあぎゃあ夜中にひとりで喚いている。
 
 
ライティング・ゼミに参加し、毎週2000字書き始めて4ヶ月目。著しいネタ切れで書き出すのが辛い。
別に私はプロ志望でもないし、仕事で企画書を書くこともない。ただなんとなくで始めただけだから、無理なら投稿を辞めてもいい。でも同じ講座を受けている人達が提出しているのを見ると、私も出してみようかなって気分になり、毎週月曜日の21時過ぎくらいから焦って書いては提出をしている。
 
 
元がいいネタなどなく、日常から無理やり見出したことを無理やりネタにし、2時間くらいで無理やり書いている。
そんな無理やりだらけの私の2000字は、内容もなんかいまひとつで、誤字脱字をよくするあたり、普段からテキトーで雑な性格なのが提出文からよく滲み出ている。いつも提出がギリギリなのもそう、会社の出社も、友達との待ち合わせもいつもギリギリだ。
 
 
書き出す前、描こうと思うネタについてもしっかり吟味したことはほとんどなく、ノリと勢いだけに任せている。考えすぎると逆に書けなくなってしまうからだ。
ノリと勢いに思考を託してしまえば、「とりあえず」2000字を書くことはできる。
けれどその2000字は、あまり人に言いたくなかった事とか、ちょっと恥ずかしい過去の話とか、そういったもので構成されてしまう。上手く隠せるように修正しようとしてもなかなかそれはできないし、提出の締切時間まで後少しかないから、結局恥だらけの文をノリと勢いで提出している。
このノリと勢いのせいで、後でものすごーく後悔し、提出後にひとりで喚いているのだ。
 
 
こんなに後悔するならもう辞めちゃえばいいのになぁって、自分でもたまに思う。
けれど、なんだかんだでもう辞められないんだよなぁ。
 
 
 
 
ある日のライティング・ゼミの講義の後、次の日が祝日ということもあり、同じ受講生の方と飲みに行った。
 
 
いつも講義の後、駅までの道のりを話しながら一緒に帰ったり、課題の締切前は「書けましたー?」と、軽いメッセージをやり取りをするくらいの仲だ。
顔を合わせるのも天狼院の店舗で2週間に一度と、近すぎずもなく程よい距離感の関係でもある。
 
 
それぞれ年齢は離れていたが、同じライティングを学んでいるという共通点もあり、その夜はとても楽しい時間を過ごした。楽しい会話に酒も進み、そこそこ飲んだだろう。
 
 
次の日の朝、二日酔いはしていなかったものの、そこそこ飲んだ次の日の身体は重い。重い身体をさっぱりさせようと湯船に浸かった。
 
 
「昨日は楽しかったな、久しぶりに酔ったな」
 
 
昨日の出来事と一緒にそんな事を思いながら湯船に浸かった。
が、思い出す出来事は断片的にもおそらくやらかしたであろう事ばかり。
 
 
そこそこ辛いわさび巻きを食べさせたその直後、更にわさびをたっぷり乗せた刺身を彼の口へ突っ込んだ事。
どっちが誘ったのか覚えてないけど2件目へ連れ回した事。
似てる芸能人ネタでいじってしまった事。
 
 
もしこれらの相手がいつもの飲み友達だったら別にいい。でも今回は2週間に一度、習い事で会う人。
そこまで親しい関係でもない。しかも年齢もそんなに近いわけではない。
あーあ、私ひどいなぁ。馬鹿だなぁ。多少は気をつけるという考えはなかったのかなぁ。
 
 
「うあああああ、調子乗ってたぁ……」
 
 
そう呟きながら湯船の中に沈んだ。ぶくぶく言いながら頭まで沈んだ。
 
 
覚えていないけど、もっと変な事言っちゃったかもしれない。後悔を湯船の中へ吐き出してもまだ足らず、また湯船に沈んだ。
 
 
 
 
お酒はちょっと気をつけないと、すぐ人をダメにしてしまう。
そんな事を聞くが、そうではないと思う。お酒がその人の隠れた性格や、その人の素をあらわにしてくれると思うのだ。お酒は悪くない。
私の場合、普段は大人しくてもお酒に酔うと飲み相手をいじる事があるらしい。そう他人に何度か言われたことがある。もちろん自覚などない。
 
 
書いた2000字も自分でも気づかないうちに、誰にも話すつもりはないけれど頭の中で考えている事や、言葉の使い方の癖など、素や特徴をよく表している。
以前Web天狼院に掲載された時の記事を友人に読んでもらったら、「そんなこと考えてたんだ。でも君らしいね」と言われたことがある。自分で自分の書いた文を読んでも、自分らしさなどわからない。
 
 
こうなるとライティングもお酒も、私にとってはとことん恥さらしツールだ。無意識に自分でもわかっていない特徴や悪い癖を晒している。恥を晒していつも後からぎゃあぎゃあ言いながら後悔しているのに、ライティングもお酒もなかなか辞められないのは、素直に楽しいから。恥と楽しいを天秤にかけた時、楽しいの方に大きく傾くから。それに、その楽しさには思わぬ+αがついてくることもあるから。
 
 
書いている時と飲んでいる時は、いい意味でも悪い意味でもいつもの自分とは違う裏面の自分がいて、普段の自分では言えないことも言えてしまう。ひーひー焦りながら書いていたり、お酒でべろうにゃしてて、まるでポンコツだけど裏面の自分はちゃっかり喋っている。
 
 
そんな裏面の自分が書いた文章は、思考のポートフォリオ的なものになっている。その文章に対して意外な反応や意見をもらえたり、そこからコミュニケーションに発展し、相手との関わり方も広がってくる。普段人見知りの私にはありがたい存在だ。
 
お酒に関して過去に多少失敗しても懲りずにまた飲んでしまうのは、やっぱり楽しいからだろう。
裏面の自分が勝手に喋って勝手に相手をいじって。嫌われるリスクもあるけど、それがきっかけで距離が縮まることもある。その瞬間がとんでもなく好きなのかもしれない。
 
 
ライティングでもお酒でも色々と後悔しているけど、それ以上に得る楽しさは大きい。
書いている時と酔っている時の自分は本当にポンコツで、後々嫌気がさす。けれどそんなポンコツな自分は普段の自分が想像もできないような人との関わり方ができたりするから癖になる。だからやめられない。
 
 
そろそろWeb天狼院への投稿チャレンジも終わるけれど、違う場所で書き続けるだろう。
お酒も身体がやられない限り、飲み続けるだろう。
そこに想像もできない出会いがあるならば。

 
 
***

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2018-05-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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