メディアグランプリ

ボクはホリエモンだ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ココアラテ(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「あなたは我が社の環境に合いませんので、採用は見送りたいです」
と無機質な声色で人事課長より言われた。
「面接の機会を頂き誠にありがとうございました」と言いながら、無表情のまま面接会場を後にした。最終面接で採用の見送りになったのは、もう何社目だろうか。私は失意の道すがら「本当に自分の人生終わったなぁ」と独り言を呟いた。自分の人生はこんなはずでは無かったのに、このまま仕事が見つからなかったらどうなるのだろう。この危機的状況をどのように打開していけば良いのだろうかと見つかるはずの無い答えを考えながら帰宅する道を歩いた。
 
「あの上司、同僚からのパワハラさえなければ病気になる事も無かったのに!」
「仕事も真面目にこなして、結果も同期の中でも悪い方では無かった自分が……」
と自分の人生を恨むかの様に誰も居ない真っ暗な部屋で叫びながら泣き崩れてしまった。私の脳裏には、大学卒業後の華々しかった入社式が蘇っていた。誰もが憧れる上場企業に入社した私。家族もこれで一生安泰だ。本当に輝かしい社会人生活であった。確かに多忙で自分の時間等はあまり取れなかったが、仕事でも順調な成績を収めていたので、同期の中でもエースだと直属の上司からよく言われていた。そんな私が奈落の底に落ちたのは、3年目の異動先でパワハラを受けた事が始まりだ。筆舌に尽くしがたい事が私に降り掛かってきたのだ。最初の頃は我慢出来ていたのだが、7月にはもう私は心身ともに疲れ果て崩壊した。
 
入社して体調不良で入院した事が無かった私は休職という形で初めて、長期に休む事になったのだ。休職して治療に専念していたが、処方を受けた薬の副作用のせいで一般的な生活のリズムで暮らす事が出来なかった。一日中ベッドの中で過ごせざるを得ない状況であった。このような状況であるから食事も喉を通らなくなり、体重も恐ろしいぐらい減った。そんな中、復職への話し合いがもたれたが、私にとって残酷な内容であった。「もうあなたを受け入れる部署はこの会社には存在しないですよ……人事部がどう考えているか分かりませんが!」と産業医から非情と感じられる言い方をされた。この産業医との問答がうつ病である私にとってはかなりの重みになり直後、私は情緒不安定になってしまった。主治医や家族に相談する事にした。今の自分では一人で物事を判断する事に不安を覚えていたからだ。特に家族からは自分のこの状況を見て必ず非難されるだろうと覚悟を持って相談をした。しかし私の予想は正反対の結果になった。「もう自分を擦り切れるまで犠牲にしてまで仕事をする事はないよ」と父親、母親から言われた。本当に両親に感謝した。主治医やカウンセラーからも同様の意見を受けた。3回目の復職への話し合いの際に、辞表を手渡した後、私を待ち受けていたのは過酷な試練であった。前職の経験を活かして、同業他社10社受けたが全滅した。それも格下の会社であった。このまま私は、社会復帰も叶わずに……と考える日々が続き、自分の手で自分を消したいと思うようになっていった。
 
そんな私は、YouTubeで人生のやり直しについての動画を閲覧する毎日が続いた。ある動画のリンク先に私が高校生の頃、一世を風靡したが、証券取引法違反容疑で逮捕されたホリエモンこと堀江貴文氏(以下、ホリエモン)の著作の感想が記されていた。懐かしい思いがし、彼の考え方は好きだったため思わずGoogleで検索する事にした。彼は逮捕後何もかも失ったのだが、宇宙ビジネスや執筆活動、オンラインサロン等幅広いジャンルで活躍している事を知った。私は彼の著作物を大人買いした。もう読まずにはいられなかった。特に私に影響を与えた著作が「好きなことだけで生きていく」だ。自分がしたい事を我慢して、ただ世間体を気にして生活していく事の辛さ、そして自分が会社の中で消耗していく事のバカバカしさを改めて私に教えてくれた。私は自分が一体何をしたいのかと自問自答する事にした。自分は今までの経験で事務の中でもサポート業務が得意だった。それだけではPRにならない。どうすれば付加価値をつけられるか。会計の知識を身に付け、実務で出来るようになればいいと考え、一念発起し簿記会計の学習を開始した。闘病生活のせいで、なかなか思うように学習は進まなかったが、簿記初級に合格出来た。(現在簿記検定3級の学習中)そして、4月に入り、ある会社で事務職募集という情報が入り、ダメ元で応募し、面接の機会を得た。「私はホリエモンです ホリエモンの様に全てを無くしましたが、御社で再構築したいのです……」と面接の場で自分の思いを話した。その結果は合格(内定)した。小さな事務所で、給料も少なくはなったが、毎日充実している。ホリエモンの様に仕事を楽しみながらワクワクとした人生を送りたい。

 
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

http://tenro-in.com/zemi/47691

天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。



2018-05-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事