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メディアグランプリ

ポジティブ思考という無償の愛


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:伊藤千織(ライティング・ゼミ 日曜コース)

 
 
先日、友人に誘われてとあるお笑いコンビの単独ライブを観に行った時の出来事だ。
 
「お越しいただきありがとうございます! 僕らの目標は今年のM-1グランプリで優勝することです!」
 
 と、そのお笑いコンビはライブが始まって10分も経たないうちに勢いよく宣言した。
 
彼らは事務所に所属していないアマチュアの芸人だ。全く名前が世に出ておらず、コンビ結成からまだ1年も経っていない。
この宣言がなされた瞬間、会場は暖かい拍手に包まれたが、苦い笑い声もあった。
私も彼らを応援したいと思う反面、心のどこかで「無理だろう」と思ってしまっていた。知名度や実力を考えると、彼らの目標をすぐに信じることができなかった。
 
しかし、最大150名が入れるキャパシティの会場は満員で、立ち見のお客さんもいた。
 
この光景には非常に驚かされた。
 
事務所に所属し、テレビに数回出演経験のあるような若手お笑い芸人でさえ、同じくらいの規模のライブ会場を満員にすることはなかなか難しい。
それなのに、これだけの人をどうやって集めたのだろうか。
 
その理由は、ライブが進行するにつれてだんだんと分かってきた。
彼らは「人望」「口コミ」「人脈」でこれだけの人数を集めたのだった。
 
私も彼らを知ったのは友人からの「口コミ」だった。
ライブに誘ってくれた友人曰く、とある大型フェスでそのお笑いコンビの片方と知り合い、単独ライブをやるから来てほしいと言われたそうだ。
その友人はお笑いを生で観に行くほど好きではなかったが、その人を含めて面白そうだったから行こうと思ったと言う。ネタも見たことがないのに。よほど魅力的な人だったのだろう。
 
ライブでネタは漫才とコントを2本ずつ披露していた。すべてのネタがオープニングと同様のテンションで勢いよく繰り広げられた。そしてすべてのネタがポジティブで、まっすぐで全くぶれないネタだった。
正直、面白いかどうかはわからなかった。それでも会場は笑いに包まれ、終始温かい雰囲気だった。
 
ライブが終わり、会場の外に出てからも、私はしばらく夢の中から抜け出せなかった。
会場に響く笑い声の一体感と、芸人と観客との距離の近さに感動しきりだった。観終わった後の温かい余韻を忘れられなかった。
 
このような感動体験は、他の人にも伝えたくなるほどの衝動を与えた。ライブ後に早速彼らのSNSをチェックし、片っ端からライブの感想をコメントしていった。そして自分のSNSにも感想を書き綴った。
 
どうしてこんなに感動したのか。もはやネタが面白かったかどうかというよりは、ネタをやる彼らの人望、人脈に感動したのかもしれない。
 
彼らはあまりにもポジティブ思考で、ネタをしていない時でも全くポジティブ思考からぶれていなかった。ライブ中終始見に来た観客やスタッフなど周りを気遣い、感謝の気持ちを述べていた。その様子を見ていて、こちらも自然と明るい気持ちになっていった。
彼らは自らを「ポジティブティーチャー」と呼んでいた。確かに彼らの考え方は、観客に自然と伝染しているようで、ライブ開始時と終了時では明らかに拍手の量も笑い声も大きくなっていた。
 
人の考え方は、人に伝わる。人から受けた恩恵は、忘れずにいつかお返ししたいと思うものだ。
しかし彼らはそこに見返りを求めていない。周囲が自分のやることで幸せになればいいと、ライブ中に語っていた。
彼らにとってポジティブ思考の根源は、すべて周囲への「無償の愛」ゆえの行動なのだろう。
 
彼らは冒頭で宣言していた目標以外に、もう一つ口を揃えて言っていた言葉がある。
 
「すべてはお客様のために」
 
とてもシンプルで、どこかで聞いたことのある言葉だが、これこそ彼らの生きる使命なのだそうだ。
 
彼らはまた2か月後にもライブを同じ会場でやるという。
私は彼らのライブにまた行きたいと思った。
もう、私は彼らの目標を応援せざるを得ないし、絶対に叶うはずだと信じている。
彼らから受け取ったポジティブ思考という「無償の愛」を誰かにも伝承していきたいと思った。
このボランティア活動は、彼らの活動が続く限り連鎖していくだろう。

 
 
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2018-05-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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