メディアグランプリ

ドミノ倒しのように倒れていく恋


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:かい(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「来週末、予定が空いていたらあるイベントに行かない?」と、大学時代の友人からLINEで誘いがあった。
「どんなイベントなの?」と私が聞くと、「男性は参加条件として年収700万円以上、参加費は5,000円とハードルは高いけど、可愛い女性もたくさんくるから行く価値ありだよ」と返事が来た。
年収700万円……、まだそこまで稼げていない私にはそもそも参加資格がないことを伝えると、「名の知れた会社であれば、身分証明書の確認だけで通過出来るから大丈夫だよ。実は俺も年収700万円無いよ。(笑)」とまさかの返答であった。
少し罪悪感はあったが、職場では出会いが無かったため参加することにした。
 
「仕事がやりたいことと違っていて悩んでいる」
そのイベントで、社会人になりたての年下で可愛らしい女性とはそんな会話から始まった。
自分の方が5歳ほど年上で仕事経験も長かったため、「仕事はなかなか理想通りにいかなくて大変だよね。悩んでいたら相談に乗るよ!」と教科書通りの返答をした。
その後、少し会話をして、LINEを交換してその場は終わった。
ここから、一度も倒れずにゴールまで並べ続けることが出来るか、ハラハラドキドキのドミノがスタートした。
 
早速、その日に次のデートの約束を取り付けるべくLINEでメッセージを送った。
「前から行きたかったお肉が美味しいお店が新宿にあるからいかない?」
すると彼女から、「お肉とても好きなのでとっても魅力的です! ぜひ行きたいです!」と、かなり乗り気の返事がきた。
「じゃあ、予約しておくね。お肉のお店はよく行くの?」と私が聞くと、
「実は赤坂にあるお肉が有名なお店に前から行きたかったので、今度連れていってください」
と、なんと1回目のデートをする前から、2回目のデート内容まで決まってしまった。
早いペースでドミノ牌は並んでいく。
 
そしてデート当日の土曜日。
「仕事に悩んでいる」という言葉を思い出し、自分が過去に読んでためになった本を買うため、少し早めに新宿の本屋へ行った。
無事に見つけることができ、サプライズのプレゼントとして購入することにした。
 
彼女とは予定通り19時に新宿駅に集合し、予約したお店に向かった。
お洒落な雰囲気と美味しい料理で、彼女もすごく満足そうな表情を見せてくれた。
会話の中で、自分は休日によく本を読んでいることを伝えると、彼女も読書が趣味ということで、共通の話題でとても盛り上がった。
帰り際には本屋で買った本をプレゼントした。
満面の笑みで「ありがとうございます。本がもらえるなんて思ってもみなかったので嬉しいです! 読んだら感想を伝えますね」と喜んでくれた。
ドミノ牌の並んでいくペースは衰えることを知らず、どんどん加速していく。
 
会っていないときは、長文のLINEを1日1回というリズムでやりとりした。
LINEの節々で、彼女から「行きたい美術館がある」「行きたい温泉がある」「行きたい美味しい餃子のお店がある」
と、これからのデートプランも、ドミノ牌が並んでいくペースに合わせるかのように増えていった。
 
しかし、そんな順調に並んでいったドミノ牌もふとした瞬間に簡単に倒れ始めてしまう……。
 
前回、新宿で会ってから2週間後の土曜日。
彼女が行きたいと言っていた、例のお肉が有名な赤坂のお店に行った。
雰囲気は大衆的な感じであったが、お肉の仕入れにはこだわりが強く、お肉の質がかなり高かった。
お肉の美味しさも手伝って、その場はすごく盛り上がった。
 
食事を終え、時間はまだ21時。
まだ帰るまでに時間があったため、2件目にはお洒落なバーに行った。
ここで勝負を決めるという気負いもあったからかもしれない。
私は話の中で何を血迷ったか「実は、今の自分は年収が600万円と前回のイベントの参加条件はクリアできてないんだよね」と正直に話してしまった。
そんなことは気にしない……、そんな回答を期待していたのかもしれない。
 
すると彼女からは「お金はすごく大事! 将来、家族が出来たらヨーロッパに海外旅行で行きたいし、貧乏だけは絶対したくない」と想定外の反応であった。
今まで順調に倒れることなくハイペースで並べてきたドミノ牌も一つの言葉で、ゴールに辿り着くことなく倒れ始めてしまった。
美術館、温泉、餃子のお店… …、次のドミノ牌の並べ方も決まっていたが、一度倒れ始めたらもう止まらない。
その日以降、彼女から連絡が返って来ることは無かった。
 
しかし、私の人生はそこで終わるわけではなく、倒れたら、また新たにドミノ牌を並べていけばいい。
そんな気持ちで今日も新たに出会った女性との関係を築くべく、懲りることなくドミノ牌を並べていく。
やればやるほどコツは掴んではいくものなのだろうが、少しの油断やちょっとしたミスですぐ倒れる繊細さはドミノも恋愛も同じ。
人生最後のドミノ倒しはどんな景色になるのか、見たいような見たくないような不思議な気持ちになる。

 
 
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2018-05-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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