魅惑のエネルギー源?
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:石原 由佳子(ライティング・ゼミ平日コース)
「~~~~! たまらん! 」
その一口を口にすると瞬く間に広がる爽快感。久しぶりの感覚だ。
透ける緑の液体にぽっかりと浮かぶアイスクリーム。緑と白の間には控えめながらその存在を知らしめる赤いチェリー。
言わずと知れた国民的アイドル? クリームソーダである。
子供のころはクリームソーダが大好きで、家族ぐるみで付き合いのあった喫茶店のマスターによく作ってもらったものだ。
あまりにも私がよく飲むので内輪ではヤッターマンの「メカの素(もと)」と呼ばれていた。
知らない方のために少し説明しておくが、「メカの素(もと)」とはアニメ「ヤッターマン」に出てくる移動・戦闘兼用メカのエネルギー源である。メカのなかで一番有名なのは「ヤッターワン」ではないだろうか。
ちなみにヤッターワンのメカの素は「骨」仕様なのだ。
何が言いたいかというと、クリームソーダは幼い私にとってエネルギー源であり楽しみであったのだ。
いつからだろう?
メカの素を補給しなくなったのは。補給しなくてもよくなったのか。
私の「メカの素」製造者であった喫茶店のマスターのところでは、私が高校生になるとアルバイトをさせてもらった。まかないもついていたが、さすがにクリームソーダは出ない。
高校を卒業すると、地元神戸から大阪の大学に進学したので行動範囲が大阪に移ってしまった。通い慣れた喫茶店と疎遠になっているうちにマスターが病気になり逝去された。
私の元祖「メカの素」はもう2度と味わくことが出来なくなってしまった。
昔から甘いものが大好きで、食に関しても好き嫌いのあった私はほぼお菓子で育ったと言ってもいいかもしれない。
しかも初めて就職した先はケーキの販売。当然のように夕食はケーキだった。
その生活は、体型はもちろん私の健康をもじわりじわりと蝕んでいた。
大きな症状が出る前に、体に関してはよき先生に出会うことが出来た。
その先生に言われたのが「冷たいもの・砂糖断ち」だ。
この2つをやめたほうがいいのはよくよくわかる。特に砂糖は白い麻薬とも呼ばれる中毒性のあるものだ。自覚はなかったがこの時点ですでに砂糖中毒であったと自分で思う。
「冷たいもの・砂糖断ち」を敢行したが、その達成感を味わった後はちょっとご褒美…… と
自分への甘さが出てしまった。
完全に断ち切ることは出来なかったが、摂取量は劇的に減った。
私がクリームソーダを口にしなくなったのは「冷たいもの・砂糖断ち」をしたこともあるがそれ以前に喫茶店で頼むことがなくなったからだ。
大人になるにつれ、何故だかクリームソーダよりもカフェオレや紅茶を飲むようになった。
冷たくて甘いものが欲しくなったときはナントカペチーノを頼むことが多くなった。
クリームソーダ自体、目にする機会が減ったのか? それとも提供する店が減ったのか?
原因はどれだか判別はつかないが、大人になるにつれ私がクリームソーダを飲まなくなったのは確かだ。
すっかり忘れかけていた「メカの素」、思わぬところで出くわしてしまった。
京都天狼院
私が今、ライティング・ゼミに通っていた場所だ。
講座に出席の際はワンドリンクオーダーしないといけない。
毎回、なに頼もうかな~? というのもちょっとした楽しみである。
ある日もドリンクを頼もうとすると、柱になんか貼ってる!!!
クリームソーダ新発売!!!
飲みたーい!
だけどあいにくその日は胃の調子が悪くてお昼ご飯もまともに食べられなかったのだ。
泣く泣くクリームソーダをあきらめて、次のライティング・ゼミの最終回でようやくその味を口にすることができた。
久しぶりの煌めくエメラルドグリーンに白いバニラアイスの半島。
そうそう、これこれ!
懐かしさに浸りながらその爽やかさを堪能しようと口にすると……
ん? ナンダコレ?
なんとアイスとチェリー以外にパイナップルも入ってる!
グリーンの海を覗くとうっすらと黄色が浮かんでる! キラキラ光る宝石を探すようだ。
夏感・爽やかさがアップしてる!
5月に入り、じとっと醸し出した湿気を纏った京都の空気を一気に爽快にしてくれた。
ライティング・ゼミで体力脳力ゼロに近い状態まで吸い取られ、ゾンビ状態の私のカラダにクリームソーダがエネルギーをくれた。
そのエネルギーチャージはジェットコースター並みの軌跡をたどることになるが、ヒットポイントゼロの私にはありがたーいアイテムだった。
昔懐かしなアイテムと天狼院の優しいお姉さんのおススメにより、ついついオーダーしてしまったクリームソーダだが飲むと疲労回復、やる気100倍、見た目も目を奪われる美しき「メカの素」だった。
幼いころの「メカの素」は大人になってもやはり「メカの素」に変わりはなかった。
その用法・効果や注意点を学習した大人の私はもっと効率よく、おいしさや見た目の美しさを堪能しつつピンチのときにエネルギーチャージをするのだ。
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