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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ゆうじパパ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
目の前に自分がファンになった人がいる。
お願いする時間も十分にある。
そんな状況の時、あなたはサインをもらわずにいられますか?
手元に色紙がないからあきらめる?
ペンを持ってないからあきらめる?
僕はノーだ。
「色紙もペンもないけど、サインしてもらってもいいですか?」
「えっ?!」
たしかサインをしてもらう為に、こんなやり取りから始まっただろうか……
 
 
今年の夏は暑い。とにかく暑い。いやもう、暑すぎて無理。
そんな異常気象の2018年7月26日、真っ昼間。
移動中嫌気がさすくらいの暑さを乗り越え、13時頃、僕は大阪にあるABCテレビのとある番組の収録会場にいた。
テレビ収録の観覧者として。
 
38歳にして初めてのテレビ収録参加。
僕は小さいころからテレビを見て育ったこともあり、テレビ局の中の景色に目を奪われていた。
「なんかおしゃれな雰囲気」
「うわ、視聴率の書いた紙、ほんとに壁とかに張り出されてる!!」
なかなかどうでもよさそうなことに食いついては、おっさんは年甲斐もなく、キャッキャとはしゃいでいた。
 
観覧車控室は、一般的なコンビニの売り場スペース半分くらい。
そのスペースに30人ほどが待機していた。
収録時には荷物は持ち込めないため両サイドに手荷物を置いておくのだが、このスペースのせいで、そんなに広くない部屋はさらに手狭に。
パイプ椅子も用意されていたが、数は十分でないのか座れそうになかったのでずっと立つしかなかった。
「若手芸人さんって、毎度このくらいのスペースにすし詰めにされてるんだろうか?」
そんなことを思いながら、僕たちは収録開始まで少し時間をつぶした。
 
そわそわしながら、何分くらい待っていただろう。
「それでは、順にスタジオにお入りいただきます」
との20代くらいの女性スタッフさんの誘導のもと遂にスタジオに向かう。
その道中、38歳のおっさんは目に映るものにワクワクし、
「うわ、あんなところにマネキン置いてある!」
「あそこに置いてあるやつ、なんかすごない?」
とか、色々言ってた気がする。
こうやって思い返して書いてると、なんだか自分が恥ずかしい。
そして決して長くない収録スタジオまでの道のりを終え、スタジオの中に入ると同時に赤、緑、白、青の回答者席が目に入ってきた。
 
この情報だけでなんの番組かお判りになった人もいるんじゃないだろうか?
 
そう。けっこうな昔から放送されている、25枚のパネルを取り合うあのクイズ番組だ。
収録会は、親子ペア大会。
小学生のお子さんと親御さんの二人が回答者となり、より多くのパネルをゲットしたチームが優勝となる。
優勝チームは最後のクイズに挑み、正解すると地中海クルーズのペアチケットがプレゼントされる。
ご、豪華。ゲットしたらすごいことだな。
 
各チームの応援団は6から10人ほど。
僕は赤の出演者知人として参加していた。赤チームはお父さんとその娘さんのペアだ。
順次応援団が着席したのち、回答者4組が入ってきた。皆、緊張の面持ちで。
それを見て、答えるわけでもない僕も勝手に緊張していた。
そしてしばらくした後、司会者の男性が入ってきた。
 
谷原章介さんだ。
もう46歳だそうなのだが、全くそんな感じに見えない。背も高く、すらっとしていて、醸し出す雰囲気は優しくもきりっとしている。
谷原さん登場後、収録はリハーサルから少し休憩をはさみ、本番へと突入した。
リハーサルの時には緊張していた4組の親子も、谷原さんの優しい口調と心地よく響く低音の声で徐々に緊張がほぐれ、本番時にはだいぶ緊張がほぐれていたように思う。
もうほんと男でもほれぼれしますよ、谷原さん。
 
そんな谷原さんの名司会のもと、番組は進行して行った。
「秋田県!」
「マンボウ!」
「相思相愛」
序盤、青が怒涛の連続正解を見せ、白、緑がくいつく。
僕らの応援している赤チームは苦戦していた。
が。
中盤から、僕らの応援する娘さんが正解ラッシュ!
お父さんはそんな娘さんにすげえすげえと感嘆し、谷原さんの問いかけにも
「娘におんぶにだっこですからね」
と、ひょうひょうと答えていた。
そして、いつの間にか青と赤のデッドヒートとなり、残りパネル2枚。
赤か青のどちらかが正解してパネルをとれば、優勝が確定する問題が流れた。
 
忘れもしない。
赤チームのお父さんが答えた。
「カント!」



「正解!!」
「これで赤チームの優勝が決まりました!」
 
娘におんぶにだっこです、とひょうひょうと答えていた姿が嘘のように、一番の大仕事をやってのけたのだ。
序盤は頼りない姿を見せつつも娘を盛り立て、最後はびしっと自分で決める。
僕は本気で感動していた。
 
この無敵の親子は、その後の地中海クルーズ問題も見事正解し地中海クルーズゲット!
いやぁ、ほんとにいいもの見せてもらいました。
外の暑さとは別の、熱いものを。
 
その後、僕は冒頭のサインをおねだりしに行った。
応援していた、お父さんと娘さんに。
谷原さんにではなく、僕は応援に来ていたその親子のファンになっていたのだ。
子供を持つ父親として、二人のような素敵な親子になりたい。
強くそう思った。
 
 
とまぁ、ちょっと変わったサインを求めに行ったのだが、僕のことをわかってくれているお父さんなので冒頭の驚きはありつつも
「この人、サイン欲しがる人やから(笑)」
と快諾してくれて、娘さんにもサインを書くよう促してくれた。ありがとう。
 
なかなか不思議なもので、娘さんも最初戸惑っていたのが嘘のように、書き始めるとノリノリでサインしてくれた。
「あ、これも書いとこう♪」
と言ったりしながら。
いやね、ファンからしたらたまらなく嬉しいです。こんだけしてもらえると。
 
だからもらったそのサイン、優しく洗濯して部屋に飾ってますよ!

***

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2018-08-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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